クラシック音楽 日本の歌


バックナンバー 2014年 6月

2014年6月06日

♪ 「日本の歌」のルーツを訪ねて 17 フォーク&ニュー・ミュージック:1970年(昭和45年)~


 1970年代に入ると日本経済は、高度経済成長が一段落し、オイルショックにより高度成長は終焉を迎え、低成長時代に移行することになる。この頃、全国にスーパーマーケットが普及し、マンションが多数建設され始めた。つまり、1970年代は、現在の日本の基礎となる部分が構築され始めた時代ということができよう。音楽でも、それまで一世を風靡していたグループサウンズが下火となり、代わって登場してきたのが、“フォーク&ニュー・ミュージック”という、それまでの日本にはなかった、新しいジャンルの音楽である。多くの曲が続々と登場し、人々を魅了した新しい「日本の歌」の登場である。ここでは「僕らの時代」と題したCD5枚(100曲)のアルバムから、当時流行ったフォーク&ニュー・ミュージックを紹介してみよう。

~僕らの時代 フォーク&ニュー・ミュージック ベスト100~

CD:ワーナーミュージック・ジャパン WQCQ-14~18

販売:ショップジャパン/オークローンマーケティング

<Disk1>

グレープ        精霊流し
さだまさし       雨やどり
ベッツイ&クリス   白い色は恋人の色
中山千夏       あなたの心に
千賀かほる      真夜中のギター
西島三重子      池上線
中村雅俊       ふれあい
ペドロ&カプリシャス 別れの朝
ビリ―・バンバン   さよならをするために
小坂明子       あなた
グレープ        無縁坂
さだまさし       秋桜(コスモス)
クラフト         僕にまかせて下さい
ウイツシュ       御案内
西島三重子      千登勢橋
古井戸         ポスターカラー
河島英五       酒と泪と男と女
柴田まゆみ      白いページの中に
メロディー       淋しくありませんか
ペドロ&カプリシャス 五番街のマリーへ

<Disk2>

かぐや姫       神田川
イルカ         雨の物語
風           ささやかなこの人生
マイペース      東京
はっぴいえんど    風をあつめて
風           ほおづえをつく女
上條恒彦・六文銭  出発の歌~失われた時を求めて~
アン真理子      悲しみは駆け足でやってくる
伝書鳩        目覚めた時には晴れていた
かぐや姫       妹
イルカ         なごり雪
新谷のり子・
古賀カ        フランシーヌの場合
風           君と歩いた青春
イルカ         サラダの国から来た娘
かぐや姫       僕の胸でおやすみ
さとう宗幸      青葉城恋唄
かぐや姫       赤ちょうちん
五つの赤い風船   遠い世界に
イルカ         海岸通
風           22才の別れ

<Disk3>

井上陽水       東へ西へ
小椋 佳       さらば青春
加藤登紀子      この空を飛べたら
大塚博堂       ダスティン・ホフマンになれなかったよ
及川恒平・六文銭   面影橋から
みなみらんぼう    ウイスキーの小瓶
加川 良        教訓I
遠藤賢司       カレーライス
つのだ☆ひろ     メリー・ジェーン
井上陽水       夢の中へ
BORO         大阪で生まれた女
喜納昌吉&
チャンプルーズ    花~すべての人の心に花を
高田 渡        自転車にのって
大橋純子       たそがれマイ・ラブ
海援隊         母に捧げるバラード
あがた森魚      赤色エレジー
小室 等        雨が空から降れば
小椋 佳        めまい
加藤登紀子      知床旅情
海援隊         贈る言葉

<Disk4>

松山千春       季節の中で
因幡 晃       わかって下さい
田山雅充       春うらら
小坂恭子       想い出まくら
石川セリ       八月の濡れた砂
山崎ハコ       望郷
NSP          さようなら
高樹 澪       ダンスはうまく踊れない
高木麻早       ひとりばっちの部屋
松山千春       恋
NSP          夕暮れ時はさびしそう
泉谷しげる      春夏秋冬
古時計        ロードショー
ザ・ブロードサイド
・フォー        若者たち
もとまろ       サルビアの花
山崎ハコ       織江の唄
長谷川きよし     別れのサンバ
雅夢          愛はかげろう
松山千春       銀の雨
谷村新司       昴―すばるー

<Disk5>

はしだのりひこと
シューベルツ     風
加藤和彦と北山修  あの素晴らしい愛をもう一度
かまやつひろし    我が良き友よ
フォー・セインツ   小さな日記
キャッスル・アンド・
ゲイツ         おはなし
はしだのりひこと
クライマックス    花嫁
トワ・エ・モア     或る日突然
堀内孝雄‾       君のひとみは10000ボルト
フォー・セインツ    希望
ザ・フォーク・
クルセダーズ     悲しくてやりきれない
森山良子       さとうきび畑
アリス         今はもうだれも
ザ・フォーク・
クルセダーズ     戦争は知らない
浅川マキ       夜が明けたら
ジャックス       からっぽの世界
RCサクセション    ぼくの好きな先生
りりィ          私は泣いています
トア・エ・モア     虹と雪のバラード
アリス         チャンピオン
ジローズ        戦争を知らない子供たち

コメント/トラックバック投稿 »


2014年6月06日

♪ 「日本の歌」のルーツを訪ねて 16 流行歌(ヒット曲):1955年(昭和30年)~


沓掛時次郎      橋 幸夫・唄/佐伯孝夫・詩/吉田 正・曲・編
君恋し         フランク永井・唄/時雨音羽・詩/佐々紅華・曲/寺岡真三・編
湖愁          松島アキラ・唄/宮川哲夫・詩/渡久地政信・曲・編
白い花のブルース  平野こうじ・唄/佐伯孝夫・詩/吉田 正・曲・編
江梨子         橋 幸夫・唄/佐伯孝夫・詩/吉田 正・曲・編
寒い朝         吉永小百合&和田 弘とマヒナスターズ・唄/佐伯孝夫・詩/吉田 正・曲・編
いつでも夢を     橋 幸夫&吉永小百合・唄/佐伯孝夫・詩/吉田 正・曲・編
霧子のタンゴ     フランク永井・唄/吉田 正・詩・曲・編
舞妓はん       橋 幸夫・唄/佐伯孝夫・詩/吉田 正・曲・編
島のブルース     三沢あけみ&和田 弘とマヒナスターズ・唄/吉川静夫・詩/渡久地政信・曲・編
後追い三味線     榎本美佐江・唄/吉川静夫・詩/吉田 正・曲・編
美しい十代       三田 明・唄/宮川哲夫・詩/吉田 正・曲・編
大阪ぐらし       フランク永井・唄/石浜恒夫・詩/大野正雄・曲・編
霧の中の少女     久保 浩・唄/佐伯孝夫・詩/吉田 正・曲・編
お座敷小唄      松尾和子&和田 弘とマヒナスターズ・唄/作詩不詳/陸奥 明・原曲/寺岡真三・編
恋をするなら      橋 幸夫・唄/佐伯孝夫・詩/吉田 正・曲・編

 今、日本は、2020年の東京オリンピックの成功に向け、全国民一致しての盛り上がりが徐々に高まってきているが、前回の東京オリンピック(第18回夏季オリンピック)が行われたのは、1964年(昭和39年)のことであった。昭和30年代は、丁度、現在の日本のようにオリンピック成功へ向けての取り組みが盛り上がり、国立競技場や新幹線などの建設ラッシュに日本中が沸いた年代でもあった。ただ、現在の日本と違うところは、当時の日本は、高度成長経済の真っただ中であり、全てが右肩上がりだったこと。そんな昭和30年代の流行歌、つまり当時の「日本の歌」はというと、「いつでも夢を」(橋幸夫/吉永小百合)、「美しい十代」(三田明)、「君恋し」(フランク永井)などの曲がヒットしていた。当時のヒット曲の特徴は、年寄りから子供に至るまで、全世代にわたって幅広く支持を受け、現在のヒット曲のように、世代間の断絶はあまりなかったように思う。

コメント/トラックバック投稿 »


2014年6月04日

♪ 「日本の歌」のルーツを訪ねて 15 ラジオ歌謡:1945年(昭和20年)~


 日本の西洋音楽の歴史は、明治・大正時代の滝廉太郎や山田耕筰のように、日本政府による派遣や財閥の支援を受け渡欧し、西洋音楽を学び、帰国して日本に西洋音楽に根付かせることから始まった。そして、その持ち帰った西洋音楽を基に、日本人の心を注ぎ込むことによって、世界でも類を見ないような豊かな詩情の「日本の歌」を生み出すことになるのである。しかしその後、日本は第二次世界大戦によって廃土と化してしまう。そんな暗い世相の中、ラジオから聴こえてくる「リンゴの唄」(歌:並木路子、霧島 昇)が、日本人に生きる希望をもたらせた。ラジオ歌謡の始まりである。これ以降、新しい数多くの「日本の歌」が続々と生まれることになる。

リンゴの唄       並木路子、霧島昇
みかんの花咲く丘   川田正子
里の秋         川田正子
夜のプラットホーム  二葉あき子
シベリヤ・エレジー  伊藤久男
ハバロフスク小唄   近江俊郎、中村新造
湯の町エレジー    近江俊郎
三百六十五夜     霧島昇、桧原操
長崎の鐘       藤山一郎
イヨマンテの夜    伊藤久男
悲しき竹笛      奈良光枝、近江俊郎
夢淡き東京      藤山一郎
愛の灯かげ      近江俊郎、奈良光枝
青い山脈       藤山一郎、奈良光枝
とんがり帽子     川田正子
ぼくは特急の機関士で 三木鶏郎、丹下キヨ子、森繁久弥
君の名は       織井茂子
黒百合の歌      織井茂子
朝はどこから     安西愛子、岡本敦郎
黒いパイプ      二葉あき子、近江俊郎
山小舎の灯      近江俊郎
さくら貝の歌     辻輝子
白い花の咲く頃    岡本郭郎
あざみの歌      伊藤久男
森の水車       並木路子
愛のスウィング    池真理子
東京ブギウギ     笠置シヅ子
別れのタンゴ     高峰三枝子
水色のワルツ     二葉あき子
ボタンとリボン     池真理子
懐しのブルース    高峰三枝子
赤い靴のタンゴ    奈良光枝

コメント/トラックバック投稿 »


2014年6月03日

♪ 「日本の歌」のルーツを訪ねて 14 ペギー葉山


~ペギー葉山 歌謡曲&オリジナル ベスト~

夜明けのメロディー   五木寛之・詩/弦 哲也・曲/若草 恵・編
雲よ風よ空よ       ヒロコ・ムトー・詩/山下毅雄・曲/小野崎孝輔・編
誰もいない海       山口洋子・詩/内藤法美・曲/南 安雄・編
花              喜納昌吉・詩・曲/渡辺博也・編
愛の贈りもの       小平なほみ・詩/菅原 進・曲/若松正司・編
忘れな草をあなたに   木下龍太郎・詩/江口浩司・曲/甲斐靖文・編
蘇州夜曲         西條八十・詩/服部良一・曲/小川寛興・編
ゴンドラの歌       吉井 勇・詩/中山晋平・曲/小野崎孝輔・編
青葉城恋唄        星間舟一・詩/さとう宗幸・曲/小六禮次郎・編
かあさんの歌       窪田 聡・詩・曲/若松正司・編
百まで生きましょう    岩田 宏・詩/林 光・曲/秋満義孝・編
爪              平岡精二・詩・曲/宮川 泰・編
学生時代         平岡精二・詩・曲/直居隆雄・編
神様がくれた愛のみち  阿久 悠・詩/宮川彬良・曲・編
南国土佐を後にして   武政栄策・詩・曲/小野崎孝輔・編

歌:ペギー葉山

CD:キングレコード KICX783

 ペギー葉山は、青山学院女子高等部時代、当初はクラシック音楽を学ぼうと音大志望だったが、その後、ポピュラー・ジャズへの転向を決意し、1952年にキングレコードよりレコードデビューを果たす。その後、進駐軍のキャンプで歌い始め、当時の一流ビッグバンドであった「渡辺弘とスター・ダスターズ」の三代目専属歌手として活躍。1954年には「第5回NHK紅白歌合戦」に初出場(紅白歌合戦には合計14回出場)。1955年に初渡米し、全米各地で歌い、好評を得る。翌1959年には「南国土佐を後にして」が空前の大ヒットとなる。さらに1964年には「学生時代」がロングセラーとなる。1995年に紫綬褒章、2004年には旭日小綬章を受章。2007年から3年間、社団法人日本歌手協会の7代目会長を務めた。ペギー葉山は、現在でも現役歌手として活躍している。ポピュラーソングやジャズ、ミュージカルを歌う一方、日本の抒情歌にも積極的に取り組み、「日本の歌」の歌手としても、これまで大きな貢献を果たしてきた。

 

コメント/トラックバック投稿 »


2014年6月01日

♪ 「日本の歌」のルーツを訪ねて 13 由紀さおり・安田祥子


~由紀さおり・安田祥子 ベスト&ベスト~

赤いくつ          野口雨情・詞/本居長世・曲/坂田晃一・編
赤とんぼ       三木露風・詞/山田耕作・曲/小六禮次郎・編
お正月        東 くめ・詞/滝廉太郎・曲/小六禮次郎・編
早春賦        吉丸一昌・詞/中田 章・曲/小六禮次郎・編
故郷           高野辰之・詞/岡野貞一・曲/坂田晃一・編
夕やけこやけ     中村雨紅・詞/草川 信・曲/坂田晃一・編
叱られて      清水かつら・詞/弘田龍太郎・曲/ 坂田晃一・編
ちいさい秋みつけた サトウ・ハチロー・詞/中田喜直・曲/小六禮次郎・編
月の砂漠      加藤まさを・詞/佐々木すぐる/坂田晃一・編
椰子の実      島崎藤村・詞/大中寅二・曲/美野春樹・編
夏の思い出      江間章子・詞/中田喜直・曲/美野春樹・編
花             武島羽衣・詞/滝廉太郎・曲/美野春樹・編

歌:由紀さおり・安田祥子

CD:EMIミュージック・ジャパン PBB-501

 姉の安田祥子と妹の由紀さおり(安田章子)は、小学生時代、ひばり児童合唱団に所属し、コロムビアより童謡歌手デビューを果たした。以後、コンサート、少女雑誌などで活躍。1982年に姉妹としての活動が始まり、1986年、童謡コンサート「あの時、この歌」がスタートとなった。その後、姉の安田祥子は、クラシック音楽の道を歩み、東京芸術大学を卒業後、ジュリアード音楽院、ロチェスターのイーストマン音楽院で学び、東京芸術大学講師を18年間続けた。一方、妹の由紀さおりは歌謡曲の道に進み、1969年発売の「夜明けのスキャット」が150万枚のミリオンセラーとなり、NHK紅白歌合戦初出場を果たす(以降10年連続出場)。2012年紫綬褒章受章。最近では、ピンク・マルティーニとのコラボレーション「1969」が海外で高く評価された。安田祥子・由紀さおり姉妹はその間、二人揃って童謡および日本の歌を歌い続け、平成11年度の文化庁長官表彰を受賞するなど、童謡および日本の歌での活動が高い評価を受けている。

コメント/トラックバック投稿 »