クラシック音楽 日本の歌


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2016年5月19日

♪ LPレコードで高橋真梨子の昔懐かしい歌を聴いてみる


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アフロディーテ     作詩:荒木とよひさ/作曲・編曲:馬飼野康二
デイブレイク      作詩:来生えつこ/作曲:来生たかお/編曲:鈴木 茂
Mary’Song       作詩・作曲:高橋真梨子/編曲:新川 博
ランナー         作詩:大津あきら/作曲:鈴木キサブロー/編曲:戸塚 修
歳月の窓        作詩:来生えつこ/作曲:来生たかお/編曲:新川 博
夕なぎ          作詩:来生えつこ/作曲:来生たかお/編曲:井上 鑑
ランブル         作詩:来生えつこ/作曲:来生たかお/編曲:鈴木 茂
Remember Sea    作詩:おくの たかし/作曲:小杉保夫/編曲:若草 恵
裏窓           作詩:伊藤 アキラ/作曲:浜田金吾/編曲:八木正生
モノローグの九月   作詩:来生えつこ/作曲:来生たかお/編曲:新川 博

歌:高橋真梨子

LP:ビクター音楽産業 VIH-28010

 これは、1980年に発売された高橋真梨子の一枚のLPレコードである。高橋真梨子は、わが国のポピュラー音楽界に偉大な足跡を残し、現在でも第一線の女声ボーカリストとして歌い続けている。残念ながら、シャンソン歌手のジュリエット・グレコは今年引退してしまったが、高橋真梨子は、日本のジュリエット・グレコなのかもしれない。二人ともその時々に全力で生きる人々の感情の機微を巧みに歌い切る。そして、二人とも歌が抜群にうまい。何よりも、高橋真梨子は、日本で生まれた曲に徹底的に拘る。常に詩そのものを大切にし、その日本語の発音が明確で美しいことは特筆されることだ。高橋真梨子の歌は、昔流行った歌謡曲とも違う。シャンソンともジャズとも違う。人の心の内面をじっと見つめるような歌が多く、何物にも追従せずに、常に独自の世界を切り開くかのようである。高橋真梨子のよく伸びる歌声は、その曲の印象を何倍にも大きなものにして、リスナーの心のひだに訴えかけてくる。傷ついた人々に対しては、静かな激励を送り届けてくれるようであり、それが高橋真梨子という歌手の魅力であり、真骨頂ではなかろうか。何か、側にいて、そっと話しかけてくるかのように。LPレコードでその高橋真梨子の歌声を聴くと、彼女の声の魅力はたちどころに倍増する。(蔵 志津久)

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