2010年11月14日
~オールショパンリサイタル 1962年 トリノ~
ショパン:アンダンテスピアナーと大ポロネーズ
バラード第1番
スケルッツオ第1番
マズルカop68/マズルカop30/マズルカop3
子守唄op57
ワルツop34/ワルツop69/ワルツ(遺作)
幻想曲
ピアノ:アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ
CD:Music and Arts Programs of America CD 924
それにしても、ミケランジェリのピアノはなんと凄いことか。あたりの空気がぴんと張り詰めて、透明で整然とした佇まいのピアノの音がリスニングルームいっぱいに鳴り響く。ピアノの音そのものが輝き、ミケランジェリはあたかもそれ以外は聴いてほしくないとでもいっているかのようだ。テンポルバートも最小限に抑えた奏法である。そのことがかえってリスナーの心情に、ショパンの思いをストレートに伝えてくれる。もう二度とミケランジェリのようなピアノの音を表現できるピアニストは現れないのでは、ふとそんな思いにとらわれるほどスケールの大きなそして存在感あるピアニストであったことをこのCDは教えてくれるているようだ。