クラシック音楽 音楽の泉


2016年12月15日

☆テレビ番組情報:NHK Eテレ・「ららら ♪ クラシック」 


                              <テレビ番組情報>

NHK Eテレ 「ららら ♪ クラシック」 毎週金曜日 午後9時30分~9時59分
                           再放送 毎週木曜日 午前10時25分~10時54分

4月28日(金) 30分オペラまるわかり ヴェルディの“椿姫”

 新企画「30分オペラまるわかり」がスタート!ヴェルディの名作「椿姫」を初心者にもやさしくナビゲートする。青年貴族と高級娼婦の悲恋は名曲の宝庫。さらに登場人物のキャラクターも徹底分析。ヒロインは裏社交界の華で、恋人はロールキャベツ系男子?そして彼の父は極悪人!?オペラ歌手・錦織健が名作ナビゲーターとなり、名曲の聴き所も徹底ガイド。MC高橋克典と壇蜜が恋愛トークを展開する。

ゲスト:壇蜜(タレント)

出演:錦織健

司会:高橋克典、牛田茉友

語り:勝生真沙子

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2016年12月14日

☆テレビ番組情報:テレビ朝日 「題名のない音楽会」


テレビ朝日 「題名のない音楽会」  毎週日曜日 午前9時~9時30分
                         再放送 BS朝日 毎週日曜日 午後11時~11時30分 

4月30日(日) 吹奏楽団

 吹奏楽団とは一体どんな楽器で編成されているのか? どんな仕組みなのか? 指揮者の大井剛史さんと共に吹奏楽ならではの魅力を取り上げる。

ライニキー:「セドナ」
ホルスト:「吹奏楽のための第2組曲」第1楽章
和泉宏隆(真島俊夫編曲):「宝島」

指揮&お話:大井剛史

演奏:東京佼成ウインドオーケストラ

司会:石丸幹二、松尾由美子

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2016年11月23日

☆CD「大田黒元雄のピアノ―100年の余韻―」のこと


 太田黒元雄

 東京都杉並区荻窪に大田黒公園(杉並区荻窪3丁目33番12号)がある。音楽評論家の大田黒元雄(1893年-1979年)の屋敷跡地に、杉並区が日本庭園を整備して、昭和56年10月1日に開園したもの。約8900㎡(2,700坪)という広大な敷地で、これが個人の自宅であったというから驚きだ。園内中央にある建物の裏側にある井筒より流れが始まり、次第に幅を広げて、池に注ぐ回遊式日本庭園となっている。園内には茶室、大田黒元雄記念館、休憩室、催し物広場、芝生広場、駐輪場などがあり、杉並区民の憩いの場となっている。

 大田黒元雄の父である大田黒重五郎は、日本の水力発電の先駆者であり、芝浦製作所(現東芝)の経営を再建し、財をなした。このことが大邸宅を構えることとなリ、現在の大田黒公園に繋がるのである。今では東京都杉並区荻窪は、住宅街で人家が密集しているが、父大田黒重五郎が自宅を建てた頃は、東京の郊外の田園風景が広がっていたはず。当時は、ここに広大な自宅を構えることは、さほど困難なことではなかったろう。ここで大田黒元雄は、1933年(昭和8年)から生涯を過ごすことになる。

 大田黒元雄自身の自宅はというと、もとは東京都大田区山王にあった。ここに音楽好きの青年達、音楽評論家の野村光一(1895年―1988年)、音楽之友社を興した堀内敬三(1897年―1983年)、作曲家の菅原明朗(1897年―1988年)らが集まったが、ここで大田黒元雄は「ピアノの夕べ」と題するサロン・コンサートを主宰することになる。大田黒元雄は、プロのピアニストではなかったが、音楽学校の教師であったハンカ・ペツォルト夫人からピアノの手ほどきを受けていたので、ピアノを自由に弾きこなせたようである。当時、最先端の作曲家のドビュッシーやスクリャービンなどの曲が紹介されたという。

 その頃の日本は、ドイツ音楽一辺倒であったはずで、フランス音楽が奏でられること自体珍しいことであったろう。それ以上に、自宅でクラシック音楽のコンサートが行われこと自体、あまりなかったはずで、わが国のクラシック音楽の大衆化の口火を切った場所であったともいえる。ここには、ロシア革命後の騒乱を嫌い、アメリカへと向かうプロコフィエフが、旅の途中日本に立ち寄り、大田区山王の大田黒元雄邸にも来てピアノを弾いたという。その後、このピアノは現在の大田黒公園に移された。そして永い眠りの後、このピアノは修復され、再び美しい音を響かせることになった。

 このほど、ピアニストで文筆家の青柳いづみこ、作曲家でピアニストの高橋悠治の両氏が、大田黒公園に置かれ、プロコフィエフも弾いたという1900年製スタインウェイを演奏したCDが発売された。修復されたスタインウェイは、明るくまろやかな音色が特に印象に残る。このCDに収録されている曲目は、大田黒元雄主宰した「ピアノの夕べ」と題するサロン・コンサートと同一であるという。今では、全国各地で毎日コンサートが開かれ、FM放送、CD、さらにはインターネットを通して誰でも音楽のある生活を気軽に享受できる時代となったが、このCD「大田黒元雄のピアノ―100年の余韻―」を聴いたり、大田黒公園へ出かけて、わが国クラシック音楽界の黎明期に思いを馳せてみたい。(蔵 志津久)

                                 ◇

                  ~CD「大田黒元雄のピアノ―100年の余韻」~

グリーグ:春に寄す《抒情小曲集》第3集 作品43より 第6曲
ドビュッシー:小さな羊飼い 《子供の領分》より 第5曲
ゴダール:牧神  《魔法のランプ》第1集 作品50より 第2曲
フォーレ:無言歌 作品17より 第3番
山田耕筰:若いパンとニンフ(五つのポエム)
マクダウェル:《森のスケッチ》作品51より
          野ばらに寄す/秋に
スコット:《詩曲集》より Ⅱ. 魂の共感の庭
     《詩曲集》より Ⅲ. 鐘
     エジプトの舟歌 《エジプト》より
スクリャービン:24の前奏曲 作品11 より 15. Lento
          4つの前奏曲 作品33 よりNo.1, No.2, No.3
          2つの小品 作品57 Ⅰ. 欲望/Ⅱ. 舞い踊る愛撫
プロコフィエフ:束の間の幻影 作品22
ラヴェル:マ・メール・ロワ

ピアノ:青柳いづみこ、高橋悠治

使用ピアノ:スタインウェイ 1900年製(大田黒元雄旧蔵 杉並区立大田黒公園記念館蔵)

録音:2016年3月29~31日、6月14日、杉並区立大田黒公園記念館

CD:コジマ録音 ALCD‐7200

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2016年11月12日

☆若いクァルテットの発掘と育成を目的とした「プロジェクトQ」、今年(第14章)のテーマ作曲家はシューマンとブラームス 


プロジェクトQ

 若いクァルテットの発掘と育成を目的とした「プロジェクトQ」(アドヴァイザー:原田幸一郎、実行委員会:テレビマンユニオン )は、今年(第14章)のテーマ作曲家としてシューマンとブラームスを取り上げている。

 参加するのは音楽学校の学生、または卒業生らによる20歳前後のメンバーによる若いクァルテットたちで、毎年秋から世界の名だたるクァルテットの名手達による公開マスタークラスを受講、翌年1月のトライアル・コンサートで試演、2月に全曲演奏会でその成果を発表するというスケジュールをとっている。

 公開マスタークラスの講師陣は、1803年に創設されシューマンの弦楽四重奏曲を初演したゲヴァントハウス弦楽四重奏団、プロジェクトQ初年度から講師を務める元東京クヮルテットの盟友・原田幸一郎&原田禎夫。世界的ヴィオラ奏者であり日本の室内楽の礎を築いた今井信子と菅沼準二、そして今回プロジェクトQ初出演で、1995年に結成され英国を中心とした教育活動でも名高いダンテ・クァルテット。

 今年(第14章)の受講曲・参加クァルテットは次の通り。

シューマン:弦楽四重奏曲 第1番 イ短調
       クァルテット・トイトイ
         <三澤響果/菊野凜太郎(Vn) 山本一輝(Va) 築地杏里(Vc)>

シューマン:弦楽四重奏曲 第2番 ヘ長調
       モマシー・クァルテット
         <松岡井菜/西川鞠子(Vn) 芝内もゆる(Va) 芝内あかね(Vc)>

シューマン:弦楽四重奏曲 第3番 イ長調
       ザ・ビストロ・ダブリュー
         <桜田 悟/西浦詩織(Vn) 野中友多佳(Va) 森 義丸(Vc)>

ブラームス:弦楽四重奏曲 第1番 ハ短調
       クァルテット奥志賀
         <会田莉凡/小川響子(Vn) 七澤達哉(Va) 黒川実咲(Vc)>

ブラームス:弦楽四重奏曲 第2番 イ短調
       クァルテット・アミティエ
         <山田香子/大澤理菜子(Vn) 長田健志(Va) 三谷野絵(Vc)>

ブラームス:弦楽四重奏曲 第3番 変ロ長調
       クラルス弦楽四重奏団
         <福田ひろみ/福田俊一郎(Vn) 吉江美桜(Va) 森田啓佑(Vc)>

                              ◇

【トライアル・コンサート】

日時:2017年1月7日(土)~9日(月・祝)11:00開演(正味1時間程度)

会場:上野学園 石橋メモリアルホール

プロジェクトQに参加するクァルテットがレッスンを重ね勉強してきた楽曲を、本公演1ヶ月前に中間発表として行なう試演会。休憩なしの約1時間の公演。

【本公演】

シューマン&ブラームス弦楽四重奏曲全曲演奏会

日時:2017年2月19日(日)

【第1部】シューマン 11:00開演
【第2部】ブラームス 16:00開演

会場:上野学園 石橋メモリアルホール

                               ◇

 なお、「プロジェクトQ」では、これまでに、2001年度ベートーヴェン全曲(17曲/11組参加)、2002-2003年度バルトーク全曲(6曲/6組参加)、2005年度シューマン&ブラームス全曲(6曲/6組参加)、2006年度モーツァルト「ハイドン四重奏曲」全曲(6曲/6組参加)、2007年度ベートーヴェン作品18全曲(6曲/6組参加)、2008年度ハイドン「エルデーディ四重奏曲」全曲(6曲/6組参加)、2009年度メンデルスゾーン全曲(7曲/7組参加)、2010年度ベートーヴェン「中期弦楽四重奏曲」全曲(5曲/5組参加)、2011年度ハイドン「プロシア四重奏曲」全曲(6曲/6組参加)、2012年度ベートーヴェン「後期弦楽四重奏曲」全曲(6曲/6組参加)、2013年度ショスタコーヴィチ「初期弦楽四重奏曲」全曲(6曲/6組参加)に取り組んできた実績を持つ。

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2016年10月04日

☆人工知能が新たな曲をつくる時代が到来したようだ


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 現在、人工知能への関心が急速に高まってきている。

 これは、人工知能が将棋の名人を破るという快挙を成し遂げたことを切っ掛けに、今後、あらゆる分野へ人工知能が進出すると考えられているだからだ。

 既に、人工知能技術を使って大学試験問題を解かせたり、小説を書かせたりする試みも始まっている。

 そして、その流れが作曲の分野にも進出しようとしているのだ。

 このほど、大阪大学と東京都市大学の研究グループは、人工知能技術を使って新たに開発した「自動作曲システム」により、新しい曲を作曲することに成功したという。

 果たして、近い将来、人工知能が作曲した交響曲の演奏会が、多くの聴衆を集め開かれることになって行くのであろうか。

 興味は尽きない。(蔵 志津久)

 
 大阪大学産業科学研究所の沼尾正行教授、および東京都市大学メディア情報学部の大谷紀子教授の研究グループは、人工知能技術を駆使して開発した「自動作曲システム」を用いて、フォークデュオ「ワライナキ」と共同で、「共同募金運動70年記念応援ソング」を完成させることに成功した。

 今回使用された人工知能に基づく「自動作曲システム」は、目的の感性を想起させる既存楽曲が入力されると、入力された楽曲に共通する特徴を学習し、得られた特徴に基づいて楽曲を生成する機能を持っている。

 今回、同システムにより生成されたメロディをベースとして、プロのアーティストと共同で応援ソングを完成させることに成功したもの。

 両者は平成28年5月から、観客の感性データに基づく自動作曲を行うことを目的に、コンサート観客の感性をアンケートにより収集し、それに基づいて作曲するという共同研究を行ってきた。これは、あるグループの構成員に共通する感性を抽出することで、そのグループを高揚させる音楽を作り出すことを目指している。

 このほど、社会福祉法人奈良県共同募金会より、ワライナキに「共同募金運動70年記念応援ソング」の作曲の依頼があり、新たに開発した「自動作曲システム」を用いて作曲することになったもの。

 作曲に当たり、ワライナキへの依頼ということから、ワライナキならではの雰囲気が漂う曲である必要があるとともに、「共同募金運動70年記念応援ソング」としても、感謝や応援の気持ちを想起させるような楽曲にすりこととした。

 そこで、ワライナキの曲の中でも特に感謝や応援を歌った3曲を前述の自動作曲システムに入力し、複数の短い曲を作成し、それにワライナキが手を加えて歌詞をつけ、曲を完成させた。

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2016年9月19日

☆アイノラ交響楽団、2017年4月にシベリウスの「『報道の日』祝典のための音楽」と「火の起源」を日本初演


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アイノラ交響楽団正指揮者・新田ユリ

 シベリウスの作品を専門に演奏するアマチュア交響楽団のアイノラ交響楽団が2017年4月9日、第14回定期演奏会において、シベリウス:交響組曲「レンミンカイネン 4つの伝説」のほか、日本初演となる「『報道の日』祝典のための音楽」と「火の起源」を演奏する。

 管弦楽曲「報道の日のための音楽」は、帝政ロシアによる新聞への弾圧に対して企画された「新聞祭典の催し」の時(1899年)に書かれた曲で、フィンランド人の愛国心をかきたてる音楽。前奏曲、ヴァイナモイネンの歌、フィン人の洗礼、トゥルク城のヨハン公、30年戦争、大いなる敵意、フィンランドの覚醒からなり、後に組曲「歴史的情景第1番」(op.25)と交響詩「フィンランディア」(op.26)へと発展した。

 「火の起源」は、1902年に作曲され、管弦楽とバリトン独唱、男声合唱のための作品。テキストは、フィンランドの古い伝承詩を編纂した叙事詩「カレワラ」の中の第47章「太陽と月の幽閉」を使っている。 曲はバリトンが歌う前半と男声合唱が歌う後半から成り、幻想的な神話の世界をイメージが描かれている。

 なお、これまでアイノラ交響楽団によるシベリウスの日本初演記録は次の通り。

シベリウス:序曲ホ長調(第2回定期演奏会)
       劇音楽「クリスティアンII世」オリジナル全曲版(第2回定期演奏会)
       管弦楽のためのバラード「森の精」op.15(第6回定期演奏会)
       交響詩「レンミンカイネン」op.10(第7回定期演奏会)
       序曲イ短調(第8回定期演奏会)

                                   ◇

<アイノラ交響楽団 第14回定期演奏会>

シベリウス:交響組曲「レンミンカイネン 4つの伝説」op.22
       「報道の日」祝典のための音楽 JS 137(日本初演)
       火の起源 op.32(日本初演)

指揮:新田 ユリ(正指揮者)

管弦楽:アイノラ交響楽団

バリトン:大久保光哉

男声合唱:合唱団お江戸コラリアーず

日時:2017年4月9日(日)

会場:杉並公会堂大ホール

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2016年8月25日

☆13挺のストラディヴァリウスが奏でる夢の演奏会


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 イタリアの楽器製作家アントニオ・ストラディヴァリウスは、17世紀後半から18世紀前半にかけて、クレモナの工房で約1000挺のヴァイオリン、チェロ、ヴィオラをつくった。これらの名器の多くは、長年、工芸品としてコレクターやアマチュア音楽家により所蔵され、実際にコンサートで弾かれることは少なかった。しかし、どんな名器でも名手の手で弾き込まれなければ、その真価を発揮することはない。

 そこで今回、選ばれた演奏家たちによって、貸与されたストラディヴァリウスの名器を持ち寄り、その真価を発揮するコンサートが大阪のフェスティバルホールで開催される。

 ハーゲン・クァルテットが所有しているのが、世界で6組しかないと言われるストラディヴァリウスの弦楽四重奏セットの一つ「パガニーニ・クァルテット」。また、諏訪内晶子は、かつて名手ハイフェッツが所有していた、世界三大ストラディヴァリウスと呼ばれる「ドルフィン」で演奏する。

 選ばれた演奏家によって奏でられる13挺のストラディヴァリウスから、どのような演奏が紡ぎだされるのか、一生に一度は聴いておきたい演奏会と言えるであろう。(蔵 志津久)

                                 
                               ◇

~ストラディヴァリウス・コンサート2016~

テレマン:4つのヴァイオリンのための協奏曲 ト長調 TWV 40:201
ポッパー:3つのチェロとピアノのためのレクイエム 作品66
ドヴォルザーク:2つのヴァイオリンとヴィオラのための三重奏曲「テルツェット」ハ長調 作品47
ショスタコーヴィチ:2つのヴァイオリンとピアノのための5つの小品
ピアソラ(森孝之編):6つのヴァイオリンとピアノのためのリベルタンゴ
ヘンデル:2つのヴァイオリンとピアノのためのソナタ ト長調 作品2-6 HWV391
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第13番 変ロ長調 作品130より「カヴァティーナ」
メンデルスゾーン:弦楽八重奏曲 変ホ長調 作品20

弦楽四重奏:ハーゲン・クァルテット

           ルーカス・ハーゲン
           ライナー・シュミット
           ヴェロニカ・ハーゲン
           クレメンス・ハーゲン

ヴァイオリン:ヴェロニカ・エーベルレ
        セルゲイ・ハチャトゥリアン
        スヴェトリン・ルセフ
        諏訪内晶子
        レイ・チェン
        アラベラ・美歩・シュタインバッハー
        有希・マヌエラ・ヤンケ
        パブロ・フェランデス
        石坂団十郎

ピアノ/江口玲

会場:フェスティバルホール

日時:2016年9月9日(金)午後7時

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2016年8月01日

☆懐かしい名曲喫茶やクラシックが聴けるレストランなどが美しい写真とともに紹介されている「東京クラシック地図」(交通新聞社刊)


 東京クラシック地図

 交通新聞社から「東京クラシック地図」という書籍が発刊された。この本は一言で言うと、東京とその近郊の“クラシック音楽リスナーハンドブック”とでも言ったらよいのであろうか。東京においてクラシック音楽に接するには、どこに、どのようにして行けばいいのかが、具体的な店舗名、会場名が美しい写真とともに簡潔に紹介されているので便利この上ない。

 同書は、平成19年に発刊された、東京とその近郊にある名曲喫茶に加え、クラシックの生演奏が聴けるレストランやバー、あるいはマニアが涎を垂らしそうなレア盤を扱う中古レコード店などを紹介した「散歩の達人ブックス 東京クラシック地図」をベースにして、9年ぶりに増補・新改訂したもの。

 その昔、名曲喫茶が一大ブームになったことがあった。その後は下火になってしまい、最近では「もうあの店も閉店しているのだろうな」と考えることもしばしばだ。しかし、この「東京クラシック地図」を見たら、そんな杞憂は一挙に吹き飛んでしまった。「あの懐かしい名曲喫茶はまだ現役だ」と、読み進むうちに嬉しくなってくるのだ。

 これは、昨今のレコード復活の動きと無縁ではあるまい。ここで紹介されている名曲喫茶の多くが豊富なレコードの在庫を有しており、来店客のリクエストに応じて、貴重なレコードを一枚一枚再生しているのだ。CDの音に慣れ親しんできたリスナーにとっては、レコード特有の温かみのある音は、さぞ新鮮に感じるであろう。

 そんな名曲喫茶のあり方も、同書を読むと現在では徐々に変わりつつあるようだ。昔は、「名曲喫茶に入ったならば一言もしゃべってはならない」という暗黙の掟のようなものがあったと思う。ところが現在では、迷惑でない限り、おしゃべりもOKというお店も増えつつあるようだ。これは、クラシック音楽リスナーのすそ野を広げることに繋がるから大歓迎だ。

 このほか同書の特色は、クラシック音楽リスナーのビギナーの人たちに対しても、かゆいところに手が届くような配慮がなされている点が挙げられる。例えば、コンサート会場に行く時の服装は?という素朴な疑問にも丁寧な解説がなされている。コンサートホールでの「公演前」「公演中」「公演後」のマナーはこれを読めば完璧だ。

 ところで、この書は「東京クラシック地図」ということなのだから、東京以外のクラシック音楽リスナーにとって関係ないのでは、と思いがちだが、そうでもない。何かの折に、東京に出てきたとき、ちょっとクラシック音楽に触れたいな、と思って同書を手に取ると、名曲喫茶やCD・レコード店、楽器店名がたちどころに分かるので大変便利なはずだ。(蔵 志津久)

                                ◇

書名:東京クラシック地図

編集・制作:都恋堂

取材・文:内池久貴・カベルナリア吉田

発行:交通新聞社(散歩の達人POCKET)

目次:Chapter1 名曲喫茶~昭和から平成へ、文化の発信基地の現在。~

          <掲載店>ライオン(渋谷)/ヴィオロン(阿佐ヶ谷)/ネルケン(高円寺) ほか
          <COLUMN>レア盤、名盤、店主は太鼓判! 
                      名曲&音楽喫茶で聴いておきたいおきたいこの一枚

    Chapter2 レストラン&バー~生演奏をBGMにしてしまう贅沢な夜の過ごし方~

          <掲載店>音楽ビアプラザ 銀座店(銀座)/カーサ クラシカ(赤坂見附) ほか
          <COLUMN>クラシック音楽がもっと日常的なものに
            クラシックコンサートの「カジュアル化」 eplus LIVING ROOM CAFE&DINING(渋谷)

    Chapter3 音楽ホール~名門ホールから寺院まで~

          <掲載店>サントリーホール(六本木)/東京芸術劇場(池袋)/築地本願寺(築地) ほか
          <COLUMN>初心者必見!身のこなしを磨いてコンサートをさらに楽しく
                   コンサートホール、歩き方の流儀 ほか

    Chapter4 クラシック音楽専門店~ネットを遮断して休日は街に出よう!~

          <掲載店>ディスクユニオン(新宿三丁目)、文化堂(中野)、古賀書店(神保町) ほか
          <COLUMN>大手CD&レコードショップのクラシック指南
                   ビギナーにすすめたい名盤ベスト3 ほか

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2016年7月20日

☆第1回「オペラ歌手 紅白対抗歌合戦~声魂真剣勝負~」、9月6日、サントリーホールで開催


 紅白対抗歌合戦

 第1回 「オペラ歌手 紅白対抗歌合戦~声魂真剣勝負~」 が9月6日、サントリーホールで開催される。

 ベテランから若手まで、日本トップクラスのオペラ歌手が日本最高峰の音楽の殿堂「サントリーホール」に集い、紅白(男声・女性)に分かれ、競い合うことになっている。

 年末恒例となっている「NHK紅白歌合戦」のように、今後、日本のクラシック音楽界に「オペラ歌手 紅白対抗歌合戦」が定着するかどうか、大いに楽しみではある。(蔵 志津久)

                                    ◇

<第1回「オペラ歌手 紅白対抗歌合戦~声魂真剣勝負~」>

ソプラノ:腰越満美、佐藤美枝子、澤畑恵美、砂川涼子、並河寿美、半田美和子
メゾ・ソプラノ:永井和子
二重唱:安井陽子、小林由佳
四重唱:加藤早紀、宍戸茉莉衣、辰巳真理恵、藤原唯
ソプラニスタ:岡本知高
テノール:樋口達哉、水口聡、村上敏明
バリトン:黒田博、須藤慎吾、牧野正人
二重唱:小原啓楼、成田博之
四重唱:La Dill(彌勒忠史、岩田健志、坂下忠弘、金山京介)

指揮:垣内悠希、三ツ橋敬子

管弦楽:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

司会:本田聖嗣

会場:サントリーホール

日時:2016年9月6日(火)  午後6時30分

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2016年5月25日

☆神奈川フィルと名古屋フィルの二つのオーケストラ総勢134人によって蘇るショスタコーヴィチ:交響曲第7番「レニングラード」


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 神奈川フィルハーモニー管弦楽団と名古屋フィルハーモニー交響楽団の二つのオーケストラの総勢134人による演奏会が、6月24日(土)、神奈川フィル常任指揮者であり、今注目の川瀬賢太郎の指揮で、ショスタコーヴィチ:交響曲第7番「レニングラード」などが演奏される。「レニングラード」は、ショスタコーヴィチが3か月の間に80万人が犠牲者となったといわれる“レニングラード攻防戦”のさなかに書かれた交響曲で、今回のような大編成のオーケストラによって演奏されると、その効果は倍増され、今から各方面の注目を集めている。

 ショスタコーヴィチ:交響曲第7番は、第二次世界大戦のさなか、ナチス・ドイツ軍に包囲(レニングラード包囲戦)されたレニングラード(現在のサンクトペテルブルク)市内で作曲された。ショスタコーヴィチは、「プラウダ」紙上に「私は自分の第七交響曲を我々のファシズムに対する戦いと我々の宿命的勝利、そして我が故郷レニングラードに捧げる」と書いたことから「レニングラード」という通称が付けられている。現在、ショスタコーヴィチはこの作品において、ナチス・ドイツのみならずソ連政府の暴力をも告発しているのだ、という説が有力になりつつある。そのため、最近では再評価の動きが高まりつつある。

 今回、二つのオーケストラの総勢134人の大編成のオーケストラにより「レニングラード」が演奏されることによって、“レニングラード攻防戦”の最中にあって作曲した、ショスタコーヴィチが真に訴えたかったことが、鮮明に再現されることが予想される。ちなみに当日のオーケストラの楽器編成は次の通り。ピッコロ1、フルート2(アルトフルート1)、オーボエ2、イングリッシュホルン1、クラリネット2、Es(高音)クラリネット1、バスクラリネット1、ファゴット2、コントラファゴット1、ホルン4、トランペット3、トロンボーン3、テューバ1、(第2グループまたはバンダ)ホルン4、ティンパニー、トライアングル、タンブリン、小太鼓、シンバル、大太鼓、タムタム、シロフォン(木琴)、ハープ2、ピアノ、弦楽5部。

 指揮の川瀬賢太郎(1984年生まれ)は、東京都出身。2006年、若手指揮者の登竜門として知られる「東京国際音楽コンクール」で1位なしの2位(最高位)に入賞し、一躍注目を浴びる。2007年、東京音楽大学音楽学部音楽学科作曲指揮専攻(指揮)を卒業。各地のオーケストラより招きを受け、2008年と2011年にイル・ド・フランス国立オーケストラと共演するなど、海外での活動も数多い。現在、名古屋フィルハーモニー交響楽団指揮者、神奈川フィルハーモニー管弦楽団常任指揮者などを務めている。現在、名古屋フィルハーモニー交響楽団指揮者、2014年より神奈川フィルハーモニー管弦楽団常任指揮者に就任。2015年細川俊夫作曲オペラ「リアの物語」を広島にて指揮、喝采を浴びるなど、細川俊夫の作品の指揮者としても知られる。2015年「渡邉暁雄音楽基金」音楽賞、第64回神奈川文化賞未来賞、2016年第14回齋藤秀雄メモリアル基金賞を受賞。さらに2016年第26回出光音楽賞を受賞した。(蔵 志津久)

【特別演奏会 名古屋フィル+神奈川フィル スペシャル・ジョイント・コンサート】

モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番
ショスタコーヴィチ:交響曲第7番「レニングラード」

ピアノ:菊池洋子

指揮:川瀬賢太郎(神奈川フィル常任指揮者)

管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団+名古屋フィルハーモニー交響楽団

会場:横浜みなとみらいホール

日時:2016年6月25日(土曜日)  午後2時

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