2010年10月15日
シューベルト:「アヴェ・マリア」ほど、聴くものに慈愛に満ちた感情を湧き上がらせる曲はないと思います。平穏で澄み切った、しかも暖かな空気がこちらに向かってゆっくりと流れ込んで、包み込んでくれるようでもあります。人々の日常の生活は、決して平穏なものではなく、時には残酷なことすらあります。しかし、この曲を聴いている間だけは、心からの信頼感に溢れ、身も心も安らぐことを実感できるのです。
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シューベルト(1979年―1828年)は、ウィーン郊外で教師の息子として生まれましたが、神はたった31歳という短い人生しか与えてくれませんでした。でも、そんな短い一生でも膨大な名曲を作曲し、現在生きている我々に限りない喜びを与え続けてくれているのです。この曲は、乙女エレンが聖母像の前にひざまずいて「アヴェ・マリア、願いをききとどけたまえ」と祈る姿に、天才シューベルトが作曲した不朽の名曲です。
2013年1月23日 at 2:21 PM
コメントが出来る程、知識も無くて失礼なのですが、他の作曲家の「アヴェマリア」より好きです。私は、伴奏の受け持ちでしたので、伴奏だけでも一曲として弾き甲斐が有るように思います。終始三連符で難曲ではありませんが、歌詞のリズムは三連符に合わない箇所も有ってそこが又、味の有る歌でもあるとと思います。
2013年1月23日 at 3:35 PM
baba様
私はただのリスナーに過ぎませんが、baba様はピアノ伴奏されるので曲の本質をよく御存じだと思います。「アヴェ・マリア」はシューベルトのほかにグノーの曲も有名ですね。その違いは如何に?そう訊かれると一瞬言葉に詰まります。そこで最近買った本「クラシック珠玉の小品」(宮本英世著、DU BOOKS刊)を見てみますと・・・。シューベルトの方の歌詞は、英国の詩人ウォルター・スコットの叙事詩「湖上の美人」から採られており、「アヴェ・マリア」の曲としては、むしろ異色の作。一方、グノーの方はというと、歌詞はカトリック教会の祈祷文を使い、本流を行くものではあリますが、曲の方はというと、伴奏にバッハの「プレリュードとフーガ」を拝借しています。クラシックに限らず、音楽の背景を探るといろいろ面白いことが出てきますね。
蔵 志津久