2010年10月14日
ヴォルフ=フェラーリの歌劇「聖母の宝石」間奏曲第1番は、昔ラジオ放送から毎日のように流れ、小品の中でも飛びっきり人気のある曲でした。何か物悲しい美しい旋律が胸にひしひしと迫ってきて、ゆっくりとした音楽の空間の中に身を委ねる心地よさは格別のものがあります。フルートとハープによる演奏の部分を聴いていると、自分が物語の主人公にでもなったような気分に浸れます。
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エルマーノ・ヴォルフ=フェラーリ(1876年―1948年)は、イタリアのヴェネッツィアに生まれた作曲家。主にオペラの分野で活躍したことで知られます。歌劇「聖母の宝石」は、ナポリを舞台とした若者の悲恋をテーマとした悲劇で、1911年にベルリンで初演されました。この歌劇には2つの間奏曲がありますが、中でもこの第1番の間奏曲の美しい旋律は名高く、しばしば独立して演奏されます。