2018年5月28日
若手人気指揮者のアンドレア・バッティストーニは、東京フィルハーモニー交響楽団と組んで新しいCDシリーズ「BEYOND THE STANDARD」(日本コロムビア)をリリースした。
この新CD「BEYOND THE STANDARD」シリーズは、クラシック音楽の名曲中の名曲と、日本人作曲家による傑作をカップリングし、時代と国を越え、新しいスタンダードをつくり出そうとする意欲的な試み。
考えて見れば、クラシック音楽の名曲と日本人作曲家による作品を、一夜のコンサートで演奏されることは、そう珍しいことではない。
ところが、これまで、クラシック音楽の名曲と日本人作曲家による作品を1枚のCDに収めるということは、あまり試みられたことはない。
つまり、日本人作曲家による作品は、単独でCDに収められ発売されてきたのだ。そうなると、必然的にリスナーは限定されてしまい、日本人作曲家による作品が広く知られる切っ掛けがなかなか得られない。
「BEYOND THE STANDARD」シリーズは、そんなこれまでの既成概念を取り払い、例えばドボルザークの「新世界」と伊福部昭の「シンフォニア・タプカーラ」「ゴジラ」を1枚のCDに納めて発売。
こうなれば、「新世界」聴くために購入したリスナーは、自然な形で伊福部昭の作品に触れることができるのだ。このことによって、日本人の作曲家の作品が、今後多くのリスナーによって聴かれることが大いに期待される。(蔵 志津久)
◇
<vol.1>
ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」
伊福部昭:シンフォニア・タプカーラ、ゴジラ
<vol.2>
チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」
武満徹:系図(Family Tree)
<vol.3>
ベルリオーズ:幻想交響曲
黛敏郎:バレエ音楽「舞楽」
<vol.4>
ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」
吉松隆:サイバーバード協奏曲
<vol.5>
スタンダード名曲集