2018年2月25日
日本フィルハーモニー交響楽団は、700回目の定期演奏会として、指揮者に日本フィル桂冠指揮者兼芸術顧問のアレクサンドル・ラザレフを迎え、5月18日、19日、サントリーホールにおいて、日本初演となるストラヴィンスキーのテノール、女性ナレーター、合唱、子ども合唱とオーケストラのためのメロドラマ形式の劇音楽「ペルセフォーヌ」を取り上げる。
この曲は、ギリシア神話のペルセフォーヌの地下世界への旅と再生を主題とするストラヴィンスキーの3幕の劇音楽で、台本はギリシャ神話をもとに文豪アンドレ・ジイドが書き下ろしたもの。大編成のオーケストラとテノールの歌で進行され、水の精や亡霊たちの合唱も加わり、春と農耕の女神、ペルセフォーヌが語る、ストラヴィンスキーの壮大な音楽。
劇音楽「ペルセフォーヌ」は、衝撃的なバレエ音楽の数々で20世紀音楽を揺るがした作曲家ストラヴィンスキーの“隠れた傑作”とも言われているが、これまで日本での演奏は行われなかった。このギリシャ神話をベースに生まれた劇音楽「ペルセ フォーヌ」は、進行役の祭司ユーモルプに加え、合唱団が水の精や黄泉の亡霊たちなどさまざまな役を歌いつつ、主役・ペルセポネだけは「歌わず、語る」役に徹する構成となっている。
果たして、日本フィルによるこのストラヴィンスキーの曲の日本初演の演奏会は、日本の聴衆にどう受け入れられるのか、興味深いものがある。(蔵 志津久)
◇
~日本フィルハーモニー交響楽団第700回定期演奏会~
プロコフィエフ:交響的協奏曲
ストラヴィンスキー:ペルセフォーヌ〈日本初演〉
指揮:アレクサンドル・ラザレフ
管弦楽:日本フィルハーモニー交響楽団
チェロ:辻本玲
ナレーション:ドルニオク綾乃
テノール:ポール・グローブス
合唱:晋友会合唱団、東京少年少女合唱隊
会場:サントリーホール
日時:2018年5月18日(金)午後7時/5月19日(土)午後2時