2010年10月16日
ヘンデル:「涙の流れるままに」は、オペラの中で歌われる一曲ですが、この一曲だけを取り出しても少しの違和感は感じられず、むしろ一曲の独立した歌曲のように聴こえます。ヘンデルというと、何か難しい、大規模な曲ばかり作曲した、古いバロック時代の大作曲家の印象が強いのですが、この「涙の流れるままに」を聴くと、そんなヘンデルのイメージががらりと変わります。現代の我々が聴いても少しの違和感もありません。曲名通り、聴いているうちに自然に涙が込み上げてくるから不思議です。
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ゲオルグ・フリードリヒ・ヘンデル(1685年―1759年)は、ドイツに生まれ、イギリスで活躍したバロック時代の大作曲家。主にオペラやオラトリオなどの作品で有名で、特に、オラトリオ「メサイア(救世主)は不朽の名作として知られています。この「涙の流れるままに」は、ヘンデルのオペラ作曲家としてのロンドンでのデビュー作である「リナルド」の中で歌われる一曲で、十字軍の英雄リナルドの許嫁アルミーナが囚われのわが身を嘆く美しいアリアです。