2010年11月13日
ハチャトリアン:ピアノ協奏曲(クーセヴィツキー指揮ボストン交響楽団)他
ピアノ:ウィリアム・カペル
CD:BMGビクター BVCC5202
ウィリアム・カペル は、わずか31歳で航空機事故で没した米国の天才ピアニスト。よく“才気走る”という言葉が使われるが、カペルはこの言葉にぴったりのピアニストであった。特にこのCDのハチャトリアンやプロコフィエフのピアノ協奏曲を弾かせたら、現在に至るまでカペルの右に出るものはおそらくいない。確信に満ちたタッチ、そして心の底から音楽が溢れてきて、こぼれだすとでも言ったらいいのであろうか。リストのメフィスト・ワルツ第1番もこのCDに収められているが、CDのタイトルの横には「夭折した鬼才、カペルの貴重な名演、待望のCD化。“メフィスト・ワルツ”は録音史上に残る極めつけの名演。」と書かれているが、実際に聴いてみるとこのことが決して誇張でないことが分かる。