2010年11月13日
ブラームス:4つのバラード 作品10/2つのラプソディ 作品79/間奏曲集
ピアノ:グレン・グールド
CD:ソニーレコード SRCR 2072
グレン・グールドはよくクラシック音楽界の異端児といわれる。晩年にはコンサートを行わず、レコード録音のみを行ったという。人とのかかわりを絶ったところで音づくりを行う。これは彼が求めていたものの最後に行き着いた終着点であったのであろう。録音された曲目も通常の選曲とは少々異なることが多い。そんな前提で今回のCDを聴いてみると、びっくり仰天をする。何とも人懐っこい雰囲気をかもし出しており、温かみさえ覚える。そこには異端児のグレン・グールドではなく、常識人のグレン・グールドが居るのである。このCDに収められたブラームスのピアノ曲は通好みで、ポピュラーな曲ではない。それにもかかわらず、グレン・グールドが弾くと何か前に聴いた事のある懐かしい曲に聴こえ、思わず聞き惚れてしまう。グレン・グールドは決して異端児なんかではない、スケールの大きいピアニスト、これが私の結論だ。