クラシック 指揮者


2011年2月19日

ジャン・マルティノン(1910年―1976年)  出身国:フランス

チャイコフスキー:交響曲第6番“悲愴”

指揮:ジャン・マルティノン

管弦楽:ウイーンフィルハーモニー管弦楽団

CD:キングレコード K30Y 1515

 このCDは名盤として名高く、“悲愴”の録音では必ずといっていいほど引き合いに出される。何が名盤かといって泥臭さがまったくない蒸留水みたいな“悲愴”となっているからである。普通チャイコフスキーの演奏はロシア音楽独特の癖というか泥臭さが付きまとい、逆にこれを強調することがチャイコフスキーを上手く演奏するコツみたいになっている。この逆を行ったのがジャン・マルティノンである。洗練されたチャイコフスキーがウィーンフィルの美しい音で演奏されることによって、ロシアを意識しないで堪能できる。つまり蒸留水みたいな演奏なのだが、ただ無色透明というわけでなく、鮮やかの色彩を持った蒸留水とでも言ったらよいのであろうか。なかなかこれだけのことをできる指揮者はいない。

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