2010年11月13日
ベートーヴェン:ピアノソナタ全集
ピアノ:クラウディオ・アラウ
CD:PHILIPS 426 761?2
クラウディオ・アラウは安定した技量に加え中道を行く姿勢が、聴く者に安心感と何かやすらぎを与えるところがいい。この特徴が最大限に発揮しているのがベートーヴェンのピアノソナタ全集であろう。堂々とした弾きっぷりに惚れ惚れしてしまうのと同時に、これこそ本来のベートーヴェンだと誰をも納得させてしまいそうなところがすごい。誇張とかもったいぶることもない、実に淡々とした演奏だ。私はこのような特徴は好ましいものに感じられるが、何か物足りなさを感じる人もいるであろう。でも、エクセントリックなベートーヴェンより、クラウディオ・アラウの弾く正攻法のベートーヴェンの方が、好ましいと感じる人の方が多いと思う。