2010年11月14日
~アドルフ・ブッシュの芸術~
ベートーベン:弦楽四重奏曲
シューベルト:弦楽四重奏曲
ブラームス:弦楽四重奏曲
バッハ:管弦楽組曲
バッハ:ブランデンブルグ協奏曲
モーツアルト:ピアノ協奏曲
その他
ヴァイオリン/指揮:アドルフ・ブッシュ
CD:東芝EMI=TOCE-6781?97(CD17枚組)
アドルフ・ブッシュ は慎み深い中に人情味溢れる音楽を奏でるヴァイオリニストであった。この頃の名手の共通項は、演奏家は作品自体に語らせることにあったのではないかと思えてならない。ブッシュもこの一人ということができる。一番その特徴が現れているのがバッハの演奏だ。こんなに親しみやすいバッハは聴いたことがない。なんと情感に溢れたバッハであることよ。ベートーベンを弾いた時も同じことが言える。例えば、弦楽四重奏曲第15番の第3楽章をブッシュは、浪々としかも細やかな神経が複雑に交差して昇華するさまを描き切る。ブッシュほどヴァイオリンの持つ情感を最大限に発揮させた奏者は他にあるまい。