2010年11月14日
シベリウス:バイオリン協奏曲
ヴァイオリン:五嶋みどり
指揮:ズービン・メータ
管弦楽:イスラエル・フィルハーモニック管弦楽団
CD:米ソニーミュージック
五嶋みどり の演奏を聴いていると、誰かに似た演奏だなと思えてきた。そうだ、ジネット・ヌブーに共通する強靭な精神性と曲の構成力の確かさが、みどりの身上となっていると感じられる。ジネット・ヌブーは早熟の天才ヴァイオリニストであったが、みどりも早くからその天分を世界の聴衆に証明して見せた。そして、この2人の共通点はしなやかなバネのようなヴァイオリン使いにあると思う。この結果聴き終わった印象は、力で弾きまくったというよりは、ヴァイオリンの持つ可能性を十分に引き出したという方が強い。現在、五嶋みどりは子供たちの音楽教育に力を入れているようである。この辺もただのヴァイオリニストとはちょっと違うなという感じがする。この先みどりの演奏はどのような変貌を遂げていくのであろうか。今度は歳をとった五嶋みどりの演奏を聴いてみた意気がする。