クラシック ヴァイオリニスト


2010年11月13日

ジョコンダ・デ・ヴィトー(1907年―1994年)  出身国:イタリア

ブラームス:バイオリンソナタ第1~3番

ヴァイオリン:ジョコンダ・デ・ヴィトー

ピアノ:エドウイン・フィッシャー

CD:EMI SBT 1024

 室内楽曲は大きなコンサートホールで聴くより、小さなコンサートホールの方がいい。もっといいのが自宅のオーディオルームであろう。これに最も当てはまるのがモーツァルトとブラームスの室内楽曲だ。特にブラームスのバイリンソナタはこんな環境にぴったりと合う。季節も春から初夏、あるいは晩秋の夕暮れ前なんていう時刻は、正に打ってつけだ。ブラームスのバイオリンソナタは、最もブラームスらしさがいっぱい詰まった曲だ。何か森の中に迷い込んだような、幻想的な雰囲気に酔いしれる。ヴァイリンのジョコンダ・デ・ヴィトー は、ブラームスの曲の中でもブラームスさが色濃く反映されたヴァイオリンソナタを、燻し銀のように、深く、しっとりと謳いあげる。なかなかこのように曲の内面から演奏した例をあまり知らない。ピアノ伴奏のエドウイン・フィッシャーとの息もぴったりで、より演奏の奥行きを広げている。

TrackBack URL :

コメント記入欄

*