2010年11月13日
フォーレ:ヴァイオリンソナタ第1番/同第2番
こもり歌op16/アンダンテop75
ヴァイオリン:ローラ・ボベスコ
ピアノ:ジャック・ジャンティ
CD:日本フォノグラム(PHILIPS) 30CD-3032
フォーレのバイオリンソナタは、ティボーとコルトーの録音など昔から名盤が多い。今回のCDはボベスコとジャンティによるものだが、これもまた名盤の1枚ということができよう。ジャンティのピアノもボベスコとの息がぴたりと合っている。私はこれまでボベスコというとどちらかというと女性的なバイオリニストという印象が強かったが、このCDでのボベスコは実に力強く、むしろ男性的な感じがするほどだ。そうはいっても、ボベスコならではの極上の美しさに彩られた響きはここでも健在である。ボベスコはルーマニア出身で、フランコ・ベルギー派のバイオリンニストとしてベルギーを拠点に活躍した。最初の来日は1980年1月であるが、このときはファンが奔走して実現させたことをみても当時の人気のほどが偲ばれる。そのボベスコも悲しいことに03年9月4日に他界してしまった。