クラシック ヴァイオリニスト


2010年11月14日

シモン・ゴールドベルク(1909―1993年)  出身国:ポーランド

モーツアルト:バイオリンソナタ集他

ヴァイオリン:シモン・ゴールドベルク

ピアノ:リリー・クラウス 他

CD:東芝EMI TOCE-617579

 シモン・ゴールドベルクは、姿勢がきちっと整っていて、しかも暖かい弓使いが人懐こさを醸し出す、稀有のヴァイオリニストであった。このCDでのモーツァルトのヴァイオリンソナタ集では、ピアノのリリー・クラウスとのデュオが最善の形で残されている。互いに会話するように弾き進み、いつの間にかモーツァルトのあの軽快で、少しメランコリックな世界へと誘う。シモン・ゴールドベルクのヴァイオリンは、シゲティでも聴かれるような毅然とした構成美が基本となっているが、一方では人間味溢れた柔らかな表現に優れたものを持っており、これが魅力で多くのファンを引き付けていたのである。ところでシモン・ゴールドベルクは、日本とかかわりの深い世界的に著名な音楽家である。第2次世界大戦ではインドネシアのジャワ島でリリー・クラウスとともに日本軍の捕虜になっている。そして、ピアニストの故山根美代子さんと結婚し、富山県に住んでいた。山根美代子さんは著名な音楽評論家であった山根銀二氏の娘さんである。

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