2010年12月31日
ベートーベン:交響曲第5番“運命”/シューベルト:交響曲第8番“未完成”他
フリッツ・ライナー指揮/シカゴ交響楽団
CD:RCA RCD1-5403
フリッツ・ライナーとシカゴ交響楽団のこの“運命”と“未完成”のCDは、その完成度の高さで他の追随を許さない。何しろ指揮者とオーケストラの信頼関係がCDを通してひしひしと伝わってくるのだ。オーケストラのメンバーはマエストロに全幅の信頼を置いて演奏していることが手に取るように分かる。また、ライナーの指揮ぶりもオーケストラの力量を存分に引き出すことに全力を挙げているかのようで、決して、強引な指揮ぶりは見せない。“運命”では中庸なテンポで奇をてらったりはしないのだが、実に生き生きと描ききる。一方“未完成”では新鮮な地下水が静かに沸いてくるような、すがすがしさを醸し出している。