クラシック ヴァイオリニスト


2010年11月13日

ジョルジュ・エネスコ(1881年―1955年)  出身国:ルーマニア

バッハ:無伴奏ヴァイオリンソナタとパルティータ

ヴァイオリン:ジョルジュ・エネスコ

CD:PHILIPS(日本フォノグラフ)25CD9256

 ジョルジュ・エネスコ(1881年―1955年)は、我々にとってはルーマニア狂詩曲の作曲者として知られているが、バイオリニスト、指揮者、ピアニスト、音楽教育者としても一流の腕を持っていた、今で言うならオールラウンドプレーヤーといった存在であった。特にヴァイオリニストとしては、クライスラー、ティボーとともに20世紀前半の三大ヴァイオリニストの一人に数えられているほどだ。ヴァイオリンの教育者としても卓越したものを持っていたようで、活躍の場はフランスが中心で、それに第2次世界大戦中にはアメリカに渡っている。とりわけエネスコはバッハに対して大変深い敬愛の念を抱いていたが、これは1948年に録音されたレコードを基に、ノイズを取り除いて聴きやすくした無伴奏バイオリンソナタ第1番?第3番/パルティータ第1番?第3番を収めたCDである。もちろん音は古いが、鑑賞に耐えられるレベルとなっており、特にノイズがほとんどカットされているので心地よく聴くことができる。ただただバイオリンの音そのものの飽くなき追求と、バッハが五線譜に書き残した音楽に対する強い共感とがこのCDには込められている。この意味でこのCDは他のCDとは同列には扱えないような、次元が違うCDとすら思えてくる。

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