クラシック ヴァイオリニスト


2010年11月13日

ヨーゼフ・シゲティ(1892年―1973年)  出身国:ハンガリー

モーツアルト:バイオリンソナタ集(K301/K303/K305/K302/K296/K304/
                 K306/K376/K377/K378/K379/K380/
                 K454/K481/526)

ヴァイオリン:ヨーゼフ・シゲティ

ピアノ:ミエスチラフ・ホルショフスキー
    
指揮:ジョージ・セル(K454/K481)

CD:米VANGUARD CLASSICS   OVC 8036/37/38/39

 ヨーゼフ・シゲティ (1892年―1973年)は、ハンガリー出身の20世紀を代表する大バイオリニストであった。当時、シゲティの名を聞くと“泣く子も黙る”といった感じがしていたし、正にバイオリニストの大御所として君臨したわけである。先頃、久しぶりにCDラックの奥の方を探してみたところ、昔買っておいた「モーツアルト:バイオリンソナタ集(CD4枚組)」が出てきた。このCDは購入した時はあまり集中して聴いた記憶がなかったので、「今聴いたら何か違って聴こえるのかな?」と、あまり期待もしないで、何とはなしに聴いてみたのだが、聴いた後の感想はというと「以前とは違って聴こえた」のだ。モーツアルトのバイオリンソナタは、特にバイオリンの“美音”が大きくものを言う曲であり、グリュミオーやシェリングの音に馴染んだ私としては、シゲティの音は少々違和感が残るものの、曲によってはシゲティの方がより曲の本質を突いているような気もする。華やかではないが心の内面を表現したような曲では特にこの感が深いのだ。この意味から今回のCDの中ではK377、K379、K380、K454、K481、K526など比較的後期の曲の演奏が、心に染みわたる名演として、私の記憶の中に残る演奏となっている。

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