クラシック音楽 日本の歌


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2019年10月16日

♪ テレビ番組情報:「BS日本・こころの歌」 


BS日本・こころの歌   毎週月曜日  20時00分~20時54分

~叙情歌から歌謡曲まで、数多くの歌い継ぎたい名曲を網羅
フォレスタが、各時代を反映した名歌名曲の数々を熱唱する~

                       ◇    

●2月9日(月) 夜景

 夜の街を舞台に、お酒にまつわる歌謡曲。

曲目:新宿ブルース、昔の名前で出ています、赤と黒のブルース、赤いグラス、ブランデーグラスほか

合唱:フォレスタ(FORESTA)

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2019年10月12日

♪ 白石佐和子のCD “にほんのうた~花の街~” を聴いて 


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花の街          詩:江間章子/曲:團伊玖磨
朧月夜          詩:高野辰之/曲:岡野貞一/編曲:村木ひろの
四季の雨         文部省唱歌
夏の思い出        詩:江間章子/曲:中田喜直
ちいさい秋みつけた    詩:サトウハチロー/曲:中田喜直
里の秋          詩:斎藤信夫/曲:海沼實
ペチカ          詩:北原白秋/曲:山田耕筰
この道          詩:北原白秋/曲:山田耕筰
からたちの花       詩:北原白秋/曲:山田耕筰
日記帳          詩:藤田圭雄/曲:小林秀雄
宵待草          詩:竹久夢二・西條八十/曲:多忠亮
浜千鳥            詩:鹿島鳴秋/曲:弘田龍太郎
さくら貝の歌       詩:土屋花情/曲:八州秀章
出船             詩:勝田香月/曲:杉山長谷夫
浜辺の歌           詩:林古渓/曲:成田為三
お山の細道        詩:おのちゅうこう/曲:尾高惇忠
たままゆ         詩:堀口すみれ子/曲:尾高惇忠
平城山          詩:北見志保子/曲:平井康三郎
初恋           詩:石川啄木/曲:越谷達之助

ソプラノ:白石佐和子

ピアノ:尾高惇忠

CD:R-1380743

 ある日何気なく、ソプラノ歌手の白石佐和子さんのホームページを見ていたら、「初めてのソロアルバム『にほんのうた~花の街~』をリリースしました♪」と書いてあるのを見つけ、早速、購入することに決めた。決めた理由は、勿論、白石佐和子さんの歌声を聴きたいということなのだが、その選曲にも大いに引き付けられたからだ。つまりこのCDは、私が特に好きな曲が集められている。中でも、このCDの最初の曲が大好きな「花の街」で、しかもこのアルバムのサブタイトルにもなっているではないか。実は、好きな曲でありながら、恥ずかしいことに、私はこのCDが届くまで、「花の街」の真の意味を知らなかった。

 このCDのライナーノートから何故「花の街」という名前が付けられたのかを紹介しよう。「戦後、夢と希望を託して、詩人(注:江間章子)は“花咲く街になって欲しい”という願いを込めて『花の街』という幻想の世界を書き上げた。3番の『泣いていたよ。街の角で・・・』は、戦争での苦しみや悲しみを映し出したものである。曲(注:團伊玖磨)はオーケストラ風の壮大な前奏から始まり、歌う度に明るく、温かい心を持って歩もうと強く思わせられる」。

 つまり「花の街」とは、戦争による廃墟から立ち上がろうとする庶民の心を歌った歌であったのだ。今でも戦火が止まない世界を思うと気が滅入る。しかし、阪神・淡路大震災や東日本大震災などで、恐怖や苦しみや悲しみを乗り越え、復興への途上にある今の被災地の方々にとって、この「花の街」は大いに励しになる曲だと思う。戦禍と等しく自然災害は、人々に恐怖と苦しみと悲しさをもたらすのだから。

 このCDでの白石佐和子は、全ての曲で透明感のある、深い情感に溢れた歌唱を聴かせてくれる。その安定感のある伸びやかな歌声を聴いていると、“にほんのうた”の本当の良さが心に強く響いてくる。私は、このCDを、一度真夜中に聴いたところ、次の夜も聴き、さらに次の夜も聴きくことになってしまった。白石佐和子の歌声には、どこか懐かしさが込められていて癒される。そして、このCDで伴奏している日本を代表する作曲家である尾高惇忠のピアノの音が、限りなく美しい。お二人は、とても相性が良い組み合わせだと思う。

 白石佐和子は、このCDについて次のように書いている。「歌への愛情と聴いて下さる方々へ感謝の気持ちを込めて、一曲一曲大切に歌わせて頂きました。おやすみ前に、車のBGMに、憩いの時間に…希望に満ち溢れた歌声が皆様に届きますように…」。白石佐和子さん、本当に心のこもった美しい歌声のアルバムをありがとう。どうかこれからも“にほんのうた”を歌い継いで行ってください。
(蔵 志津久)

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