2014年6月26日
武満徹:ノヴェンバー・ステップス ~尺八と琵琶とオーケストラのための~
ア・ストリング・アラウンド・オータム ~ヴィオラとオーケストラのための~
弦楽のためのレクイエム ~弦楽オーケストラのための~
セレモニアル ~オーケストラと笙のための~
マイ・ウェイ・オブ・ライフーマイケル・ヴァイナーの追憶にー
~バリトン、混声合唱、オーケストラのための~
詩:田村隆一
指揮: 小澤征爾
管弦楽:サイトウ・キネン・オーケストラ
尺八:横山勝也
琵琶:鶴田錦史
ヴィオラ:今井信子
バリトン:ドウェイン・クロフト
合唱:東京オペラシンガーズ
CD:ユニバーサルミュージック PHCP-21036
武満徹(1930年―1996年)の「ノヴェンバー・ステップス」は、日本古来の楽器である尺八が、琵琶、オーケストラともに演奏されるという野心的な作品だ。武満徹は、独学で世界的名声を得た数少ない作曲家である。1957年、「弦楽のためのレクイエム」を発表したが、当時の日本の作曲界はこれを完全に無視。しかし、この作品のテープを、1959年にたまたま来日していたストラヴィンスキーがNHKで聴き、絶賛したことで初めて日の目を見ることになり、後の世界的評価へと繋がる。武満徹は、小林正樹監督の「切腹」、羽仁進監督の「不良少年」、勅使河原宏監督の「砂の女」など、数多くの映画音楽も手掛けた。これらの映画音楽には、尺八、琵琶、笙など、日本古来の楽器が多く使われており、これらを基に琵琶と尺八の二重奏曲「エクリプス」を作曲。この作品は、小澤征爾を通じてニューヨーク・フィルの音楽監督レナード・バーンスタインに伝えられ、これにより、同楽団の125周年記念の委嘱作品として琵琶と尺八とオーケストラによる「ノヴェンバー・ステップス」(1967年)が作曲されたのである。尺八は、中国の唐を起源とし、日本に伝来、鎌倉時代から江戸時代の頃にかけて現在の形になったという。尺八は、真竹の根元を使い、7個の竹の節を含むようにしてつくる。このCDで尺八を演奏している横山勝也(1934年-2010年)は、福田蘭童らに師事。 昭和39年に2代目山本邦山,2代目青木鈴慕と尺八三本会を結成。1942年小沢征爾指揮のニューヨークフィルと武満徹の「ノヴェンバー・ステップス」を演奏以後、国際的にも活躍した。