2016年7月20日
~魂の歌 新垣 勉 ベスト・コレクション~
さとうきび畑
千の風になって
見上げてごらん夜の星を
芭蕉布
てぃんさぐぬ花
白百合の花が咲く頃
アヴェ・マリア(歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より)
愛の喜び
赤とんぼ
私と小鳥と鈴と
涙そうそう
風に吹かれて
夢路より
愛燦燦
千の風になって(ライヴ・ヴァージョン)
歌:新垣 勉
放送作家・作詞家の永六輔が7月7日に亡くなった。作詩家としての永六輔の代表作「見上げてごらん夜の星を」(作曲:いずみたく、編曲:篠原敬介)を聴いてみたいと思いCDボックスを見てみたら、新垣 勉のCD「魂の歌 新垣 勉 ベストコレクション」の中にあるのを見つけ、久しぶりに「見上げてごらん夜の星を」聴いてみた。これほど曲と詩とが融合した歌は滅多にないというほど完成度の高い作品であることに今さらながら感じ入った。ところで、この曲を歌っている新垣 勉の前半生ほど壮絶なものはなかろう。新垣 勉は、沖縄で在日米軍人であったメキシコ系アメリカ人の父と日本人の母との間に生まれる。出生後まもなく不慮の事故で全盲となってしまう。1歳の時に両親が離婚し、父親は帰国。母親は再婚したため、母方の祖母に育てられるが、その祖母も14歳の時亡くなり、天涯孤独の身となってしまうのだ。そんなある時、ラジオから流れてきた賛美歌を聴き教会に行き、これが切っ掛けとなり、牧師と声楽家になることを目指し始める。34歳で武蔵野音楽大学に入学し、牧師への道と同時に、本格的に声楽家への道も歩み始める。持ち前の澄んだ歌声がたちまち人気を集め、全国各地でのコンサート活動やCDの発売によって、現在の歌手としての地位を築くことになる。我々は毎日文句ばかりを言う。しかし、新垣 勉が全盲に加え天涯孤独という逆境を跳ね除けたことを思うと、我々の悩みなんかちっぽけなものだと思わざるを得ない。新垣 勉の歌声はほんとに澄んでいて暖かい。(蔵 志津久)