クラシック音楽 音楽の泉


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2015年12月13日

◇LPレコードで聴くポップス・オーケストラ     マントヴァーニ・オーケストラ


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シャルメール
グリーン・スリーヴス
アンチェインド・メロディー
コメ・プリマ
枯葉
ジェラシー
至上の愛
魅惑の宵
ライムライト
夏の日の恋
ロシアより愛をこめて
悲しき天使
慕情
ムーラン・ルージュの秋

指揮:マントヴァーニ

管弦楽:マントヴァーニ・オーケストラ

 アヌンツィオ・パウロ・マントヴァーニ(1905年―1980年)は、イタリアのヴェニスで生まれ。第二次世界大戦の前の1930年代に、マントヴァーニは、一家ともどもイギリスに渡って、ヴァイオリニストとしてスタートを切ると同時に、ロンドンのメトロ・ポール・ホテルの小編成のサロン・オーケストラを組織し、編曲者、指揮者としての道を歩み始める。マントヴァーニ・オーケストラがそのスタイルを確立したのは1951年以降。同年、マントヴァーニは、42名からなる大編成のオーケストラを組織し、その中の28名をストリングスにあて、たっぷりとメロディーを奏でる体制を整えた。さらに、この膨大なストリング・セクションの魅力を一層高めるため、カスケーディングという新手法を編み出した。カスケーディングとは、“滝のような”といった意味であるが、つまり、ヴァイオリン陣を3つ、あるいはそれ以上のセッションに分け、例えば、高音から低音に移行したりする場合、途中で音を次々に重ね合わせて、次第にハーモニーを厚くして行き、あたかも滝が流れ落ちるさまを思わせる、見事な効果を発揮させたのだ。これにより、マントヴァーニ・オーケストラは、“シンギング・ヴァイオリンズ”とか“カスケーディング・ストリングス”とか呼ばれ、一世を風靡し、リリックでエレガントなムード・ミュージック界の本流を歩み続けたわけである。1940年にイギリスのデッカと契約し、亡くなるまでの40年間に767曲を録音し、「シャルメーヌ」「グリーンスリーヴス」「ムーランルージュのテーマ」「80日間世界一周」など数多くのミリオンセラーヒットを生み出した。

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