クラシック音楽 日本の歌


2017年1月31日

♪ 第1回「日本歌曲コンクール」、4月23日に本選開催


 公益財団法人「座間市スポーツ・文化振興財団」と一般財団法人「ドイツ歌曲普及協会」は、第1回日本歌曲コンクールを開催(本選:2017年4月23日)する。

 これは、青少年及び広く一般に向けて音楽文化に対する理解を深め、 日本歌曲の認知度を高め、プロ・アマチュアを問わず声楽を勉強される方に披露・活躍の機会を設け、一層の日本の音楽文化の普及と座間の地域発展を目指すもの。

                               ◇

【主 催】 公益財団法人「座間市スポーツ・文化振興財団」
     一般財団法人「ドイツ歌曲普及協会」
【会 場】 ハーモニーホール座間(第1次予選・第2次予選・本選:大ホール)
       神奈川県座間市緑ケ丘1-1-2 小田急線「相武台前」駅下車徒歩15 分
【参加資格】 2017年4月1日現在、年齢満16歳以上(20歳未満は保護者の同意が必要)。
       国籍、学歴、音楽歴は問わない。
【応募方法】 所定の申込用紙に必要事項を記入し、(参加料振込日明記のうえ)期日までに下記「応募係」宛に郵送のこと(参加料入金確認後受付完了)。
【応募先】〒252-0021 神奈川県座間市緑ケ丘1-1-2 ハーモニーホール座間内
            TEL:046-255-1100 FAX:046-252-8787
     (公財)座間市スポーツ・文化振興財団
          「座間歌曲祭2017~第1回日本歌曲コンクール」応募係 宛
【受付期間】 2016年11月1日(火)~ 2017年2月28日(火)(必着・送付受付のみ)
【コンクール日程】第一次予選 日時:2017年4月17日(月)・18日(火)11:00~19:00
         第二次予選 日時:2017年4月20日(木)11:00~19:00
         本選 日時:2017年4月23日(日)14:00~17:00(13:00開場)
         表 彰 式 日時:2017年4月23日(日)18:30~19:30(本選会終了後、会場にて発表)
【表彰】 賞金及び表彰状は次の通り。
       第一位: 賞状、賞金50万円(1名)
       第二位: 賞状、賞金20万円(1名)
       第三位: 賞状、賞金10万円(1名)
       聴衆者賞: 賞状(1名※本選会で聴衆の方が好感を持った演奏者に与えられる。)
       優秀共演者賞
       (ピアニスト): 賞状、賞金5万円(1名)
       奨励賞: 賞状、賞金5万円
【審査員】審査員長 小松英典(ドイツ連邦共和国認定終身教授/ドイツブレーメン芸術大学教授)
【後 援】 座間市/座間市教育委員会
【主 催】 公益財団法人 座間市スポーツ・文化振興財団
              〒252-0021 神奈川県座間市緑ヶ丘1-1-2
              TEL:046-255-1100 FAX:046-252-8787
     一般財団法人 ドイツ歌曲普及協会
               〒103-0013 東京都中央区日本橋人形町2丁目2-3アライヴ人形町
              TEL:03-3249-6788 FAX:03-5695-0125

コメント/トラックバック投稿 »



2016年11月21日

♪ 生誕130年記念CD:山田耕筰の“歴史的名唱集”


 2016年は、作曲家の山田耕筰(1886年―1965年)の生誕130年に当たる。これを記念して発売されたのがこのCDで、山田の活躍した時代に歌い、世に広めた当時のクラシック系の歌手、大衆歌謡のトップ歌手と童謡歌手の歌唱を収録。

 

~山田耕筰の“歴史的名唱集”~

山田耕筰

<Disc 1>

かやの木山の       藤原 義江
かえろかえろと       藤原 義江
からたちの花        藤原 義江
捨てた葱          藤原 義江
松島音頭          三浦 環
佐渡の金山         三浦 環
からたちの花        荻野 綾子
城ヶ島の雨         荻野 綾子
この道            柴田 秀子
からたちの花        関屋 敏子
中国地方の子もりうた  ベルトラメリ 能子
六騎             ベルトラメリ 能子
野薔薇           浅野 千鶴子
鐘がなります        宮川 美子
からたちの花        加古 三枝子
中国地方の子もりうた   三枝 喜美子
海の向う          伊藤 武雄
箱根八里は         奥田 良三
ふなうた           牧 嗣人
曼珠沙華          徳山 璉

<Disc 2>

ペィチカ           藤原 義江
赤とんぼ           原 信子
この道            藤山 一郎
赤とんぼ           松原 操
待ちぼうけ          松田 トシ
赤とんぼ           二葉 あき子
あわて床屋         辻 輝子
砂山             辻 輝子
おかしの汽車        宮下 晴子
すかんぽの咲く頃      金子 一雄
赤とんぼ           金子 一雄
あゝ若き日よ         伊藤 久男
むかしの仲間         木下 保
のぼる朝日に照る月に   松原 操
燃ゆる大空          霧島 昇/ 藤山 一郎
全国中等学校優勝野球大会行進歌 内本 実
明治大学校歌         伊藤 久男
国際オリンピック選手派遣応援歌ー走れ大地をー 中野 忠晴
風が泣いてる         美空 ひばり
山の小駅            美空 ひばり
ペチカ・ナレーション     美空 ひばり

作曲:山田耕筰

ピアノ:山田耕筰

指揮:山田耕筰

管弦楽:コロムビア交響楽団

CD:日本コロムビア COCP39671~2

 

コメント/トラックバック投稿 »



2016年8月03日

♪ クミコの歌う「越路吹雪のシャンソン」は“日本の歌”? 


クミコ

~クミコ/イカルスの星―越路吹雪を歌う~

愛の賛歌
サン・トワ・マミー
ちょっとおたずねします
家へ帰るのが怖い
イカルスの星
忘れたいの (セ・ラ・ヴィ)
愛の追憶
アプレ・トワ
誰もいない海
ジジ・ラモローゾ
夢の中に君がいる
ラスト・ダンスは私に

歌:クミコ

CD:avex io IOCD 20086

 
 シャンソンは、フランス語で歌全般を意味し、特定のジャンルの歌を指すわけではない。しかし、我々日本人がシャンソンという場合は、1960年代までに流行した歌謡曲としてのシャンソンを言う。一部には海外で流行った歌がフランスに入ってシャンソンとして歌われることもあったようだが、いずれにしても、通常シャンソンは、フランス語の詩にフランス人が作曲し、フランス人の歌手が歌うわけである。先頃引退したフランスを代表するシャンソン歌手のジュリエット・グレコのコンサートを聴く機会があったが、社会を鋭く風刺したような歌も数多く含まれ、日本で言う歌謡曲とは少々趣が異なるようだ。ことほど左様に、どう考えてもシャンソンに日本人が入り込む余地などあまりないはずであるのだが、フランス語の詩を日本人が翻訳して、日本人の歌手がシャンソンを歌うと、たちどころに“日本の歌”に変身してしまうから不思議な話だ。アメリカの歌やイタリアの歌では、こうはいかない。このCDは、シャンソン歌手として一世を風靡した越路吹雪の持ち歌を、クミコが独自の味わいでカバーした一枚のアルバムである。越路吹雪の歌うシャンソンは、日本人のフィルターを通した“日本の歌”であったと私は思うが、クミコの歌う「越路吹雪のシャンソン」も、現代的センスを色濃く持った“日本の歌”のように私には聴こえる。フランス生まれのシャンソンを“日本の歌”として聴いても罰は当たるまい。(蔵 志津久)

コメント/トラックバック投稿 »



2016年7月20日

♪ 全盲と天涯孤独の逆境を見事跳ね除けた新垣 勉の「魂の歌」


新垣 勉

~魂の歌 新垣 勉 ベスト・コレクション~

さとうきび畑
千の風になって
見上げてごらん夜の星を
芭蕉布
てぃんさぐぬ花
白百合の花が咲く頃
アヴェ・マリア(歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より)
愛の喜び
赤とんぼ
私と小鳥と鈴と
涙そうそう
風に吹かれて
夢路より
愛燦燦
千の風になって(ライヴ・ヴァージョン)

歌:新垣 勉

 放送作家・作詞家の永六輔が7月7日に亡くなった。作詩家としての永六輔の代表作「見上げてごらん夜の星を」(作曲:いずみたく、編曲:篠原敬介)を聴いてみたいと思いCDボックスを見てみたら、新垣 勉のCD「魂の歌 新垣 勉 ベストコレクション」の中にあるのを見つけ、久しぶりに「見上げてごらん夜の星を」聴いてみた。これほど曲と詩とが融合した歌は滅多にないというほど完成度の高い作品であることに今さらながら感じ入った。ところで、この曲を歌っている新垣 勉の前半生ほど壮絶なものはなかろう。新垣 勉は、沖縄で在日米軍人であったメキシコ系アメリカ人の父と日本人の母との間に生まれる。出生後まもなく不慮の事故で全盲となってしまう。1歳の時に両親が離婚し、父親は帰国。母親は再婚したため、母方の祖母に育てられるが、その祖母も14歳の時亡くなり、天涯孤独の身となってしまうのだ。そんなある時、ラジオから流れてきた賛美歌を聴き教会に行き、これが切っ掛けとなり、牧師と声楽家になることを目指し始める。34歳で武蔵野音楽大学に入学し、牧師への道と同時に、本格的に声楽家への道も歩み始める。持ち前の澄んだ歌声がたちまち人気を集め、全国各地でのコンサート活動やCDの発売によって、現在の歌手としての地位を築くことになる。我々は毎日文句ばかりを言う。しかし、新垣 勉が全盲に加え天涯孤独という逆境を跳ね除けたことを思うと、我々の悩みなんかちっぽけなものだと思わざるを得ない。新垣 勉の歌声はほんとに澄んでいて暖かい。(蔵 志津久)

コメント/トラックバック投稿 »



2016年7月13日

♪ 日本のポピュラーソングを世界レベルまで高めた双子デュオの「ザ・ピーナッツ」


DSCN3591_01

~ザ・ピーナッツ ベスト&ベスト デラックス~

可愛い花
情熱の花
ふりむかないで
恋のバカンス
銀色の道
心の窓にともし灯を
ウナ・セラ・ディ東京
東京の人
大阪の人
愛のフィナーレ
恋のフーガ
上を向いて歩こう

歌:ザ・ピーナッツ(伊藤エミ・伊藤ユミ)

CD:キングレコード SBB-307

 双子デュオ「ザ・ピーナッツ」の妹の伊藤ユミが、2016年5月18日に亡くなった。

 姉の伊藤エミは既に2012年に亡くなっているので、これで「ザ・ピーナッツ」の二人は、過去の人になってしまった。

 テレビで「ザ・ピーナッツ」が大活躍していた時に青春時代を送った者の一人として、残念としか言いようがない。

 第二次世界大戦後の暫くは、日本が欧米のポピュラー音楽を盛んに導入し、そしてそれらの音楽を学び、逆に日本人の手で、作詞・作曲そして歌うといったサイクルが幾度か繰り返され、日本にポピュラー音楽が徐々に根付くようになって行った。

 そんな環境の中で双子デュオの「ザ・ピーナッツ」は、誕生し、育っていった。

 ちょうど、日本が高度成長期を迎えようとしていた頃の話だ。

 「ザ・ピーナッツ」は、明るくはつらつとした歌声、リズム感たっぷりの抑揚、それに加えて愛らしいルックスで、当時、多くの人々の心を捉えた。

 そして、何よりも二人の息がぴたりとあっていることには本当に驚かされた。

 その結果、現在では「『ザ・ピーナッツ』は日本のポピュラーソングを世界レベルまで高めた」と高い評価を受けている。

 完璧といっていいほど完成度の高い歌唱力を身に付け、最後の頃には、海外(ドイツなど)にも活躍の場を広げるなど、日本の音楽の海外進出の先陣の役割も果たしたのだった。

 そんな「ザ・ピーナッツ」の二人は、もういない。寂しい限りだ・・・。                     蔵 志津久

コメント/トラックバック投稿 »



2016年7月04日

♪ 浪漫街道 堀口博雄と東京軽音楽倶楽部 小さな喫茶店


堀口博雄

小さな喫茶店
或る雨の午后
ダイナ
山の人気者
すみれの花咲く頃
私の青空
宵待草
さすらいの唄
一杯のコーヒーから
アラビアの唄
月の砂漠
峠の我が家
琵琶湖周航の歌
籠の鳥
恋はやさしい野辺の花よ
夜のバイオリン

演奏:堀口博雄と東京軽音楽倶楽部

      堀口博雄(リーダー/バイオリン他)
      林あきら(ドラムス/パーカッション)
      山内喜美子(京琴)
      鳥井勉(アコーディオン)
      野口武義(ドブロ/バンジョー他)
      斉藤功(ギター)
      寺川正典(ベース)
      佐伯亮(編曲/マンドリン他)

ジャケット:高畠華宵(「少女画報」昭和3年10月号表紙より<弥生美術館蔵>)

発売:1992年8月21日

CD:日本コロムビア COCS‐10156

 日本人の特質は何かと問われると、多くの人が礼儀正しさや勤勉さなどを挙げると思うが、最大の特質は、外国から来るあらゆるものを受け入れ、自分のものに昇華し、一つの文化を形成することだろう。例えば、漢字文化を取り入れ、そこからひらがな、カタカナを創作し、日本の風土に合う文字文化をつくりあげる、などはその典型的事例だ。寺院の様式も本家の中国とは大分趣がことなり、日本にしかない寺院様式を創造してきた。そんな日本文化の特徴は、第二次世界大戦後の復興期に如何なく発揮された。今度は、本家は中国ではなく、欧米であり、なかんずく米国の文化だ。音楽の世界も例外なく、米国の音楽文化が一挙に日本に流れ込んできた。ジャズ、ロック、ポピュラーミュージック・・・こんなにも日本人は米国生まれの音楽が好きだったかと、びっくりさせられたほどだ。このCD「浪漫街道 堀口博雄と東京軽音楽倶楽部 小さな喫茶店」は、日本の琴の音が強烈な印象をリスナーに与える一方では、バイオリンをはじめ、アコーディオン、ギター、マンドリンなの西欧音楽発祥の楽器の音が巧みにかみ合い、何とも言えないノスタルジックな世界を創造することに成功している。これは、正に日本人でなければつくり出せない、独特の音楽文化であることは疑いのないことだ。取り上げられている曲自体も、日本人の作曲した曲とアメリカ民謡など欧米の作品が混在しているにも関わらず、全体として、そこには何となく日本的な統一感が生まれていることも不思議といえば不思議なことだ。このような音楽は、絶滅危惧種の音楽として消滅しつつあると思いきや、現在アマゾンなどから手軽に購入できるようだ。意外に堀口博雄と東京軽音楽倶楽部による独創的な音づくりは、平成の世相に合うかもしれない。事情が許す方は一聴を。(蔵 志津久)

コメント/トラックバック投稿 »



2016年6月15日

♪ 日本という自然の豊かな大地と心が育んだ稀有のシンガーソングライター    五輪真弓


五輪真弓

歌:五輪真弓

<ディスク:1>

作詩・作曲:五輪真弓

愛の約束

心の友
煙草のけむり

家路
雨宿り
運命 (さだめ)
約束
そして今は夢
ラブレター
風よ
微笑みは出会いと共に
Wind and Roses
時の流れに~鳥になれ~

<ディスク:2>

作詩・作曲:五輪真弓

恋人よ
潮騒
抱きしめて (愛は夢のように)
国境
さよならだけは言わないで
恋しても
残り火
合鍵
リバイバル
巴里の旅情
せめて愛を
瞼をとじて
ジャングルジム
少女
名もなき道

歌:五輪真弓

CD:ソニーレコード SRCL 5293~4

 五輪真弓の歌声を聴くと、何かほっとする気分に浸ることができる。五輪真弓は、リスナーに対して、決して剥き出しの感情をぶつけることはしない。むしろ自分自身の心の中に訴えかけるような、しみじみとした歌がほとんどだ。その意味では、五輪真弓は、東洋的と言おうか、純粋に日本的なシンガーソングライターなのだ。

 今、五輪真弓デビュー30周年を記念して発売された、このCD2枚組のアルバム「MAYUMI CLASSICS MAYUMI ITUWA」を聴き直して見ると、全ての曲がちっとも色失せておらず、新鮮な感覚に溢れていることに驚かされる。これらの曲は1970年~1990年に書かれたものだが、今聴いても一曲一曲が生き生きとリスナーに訴え掛けてくるのだ。五輪真弓は、シンガーソングライターなのだから当たり前のことかもしれないが、30曲全曲の作詩・作曲・歌を手掛けている。

 それらの中には、名曲でしかも名唱と言える曲が多く含まれている。このアルバムのライナーノートで五輪真弓が、「『時の流れに』コンサートツアー中に広島平和記念公園をおとずれたとき、深い感銘を受けて書いた歌」と書いている「Wind and Roses」に、私は深く心を動かされる。こんなにも美しく、そして悲しい歌があるのかと。原爆で亡くなられた方々の魂が、五輪真弓に乗り移って名曲「Wind and Roses」が出来上がったのではないかと思うほどだ。

 五輪真弓は、海外レコーディングを商業的に最初に成功させたことで知られ、日本の女性シンガーソングライターの草分け的存在であった。特に、1980年にリリースされたシングル「恋人よ」が大ヒットし、彼女の代表曲となり、その年の第22回日本レコード大賞で金賞を受賞した。五輪真弓は、日本という自然の豊かな大地と心が育んだ稀有のシンガーソングライターということなのであろう。(蔵 志津久)

コメント/トラックバック投稿 »



2016年6月08日

♪ 端正な三浦洸一の歌声を聴いて思うこと


DSCN3589_01

街 燈            佐伯孝夫・作詩/吉田 正・作曲/佐野雅美・編曲
踊 子            喜志邦三・作詩/渡久地政信・作曲・編曲
あゝダムの町       佐伯孝夫・作詩/吉田 正・作曲/小沢直与志・編曲
弁天小僧         佐伯孝夫・作詩/吉田 正・作曲/佐野雅美・編曲
釧路の駅でさようなら  佐伯孝夫・作詩/豊田一雄・作曲/佐野雅美・編曲
青年の樹         石原慎太郎・作詩/山本直純作曲・編曲

歌:三浦洸一

CD:ビクターエンタテインメント VICT‐15083

 最近、懐かしい三浦洸一(1928年生まれ)の歌声を時々思い出すようになった。その昔聴いたときは、随分ときっちっとした歌唱をする歌手だと思っていたが、最近経歴を見て「なあるほど」と納得した。東洋音楽学校(現:東京音楽大学)声楽科で学んでいた頃は、当然ながらクラシック音楽の勉強に励んでいたからだ。1952年に日本ビクターレコードに入社し、作曲家の吉田正に師事した。文芸を題材にして書かれた曲いわゆる「文芸歌謡」が多いことで知られる。三浦洸一の代表作の一つ「踊り子」は、川端康成の初期の代表短篇小説「伊豆の踊子」を題材にしたものであろう。1953年「さすらいの恋唄」でデビュー、同年9月に出した「落葉しぐれ」が大ヒットとなり一躍スター歌手に躍り出る。1955年の「第6回NHK紅白歌合戦」に初出場し、合計8回の出場経験を持つ。2000年日本レコード大賞功労賞を受賞。同世代の歌手には春日八郎がいるが、今聴いてみると二人ともびっくりするほど歌がうまいことに気が付く。そして日本語の歌詞の発音が実に美しい。当時は、芸術性と大衆性とを同時に併せ持つことは、少しも不思議なことではなかったのである。それに比べ、現在の日本の音楽状況はどうであろうか。あまりに芸術性と大衆性とがかけ離れてはいまいか。(蔵 志津久)

コメント/トラックバック投稿 »



2016年5月19日

♪ LPレコードで高橋真梨子の昔懐かしい歌を聴いてみる


DSCN3586_01

アフロディーテ     作詩:荒木とよひさ/作曲・編曲:馬飼野康二
デイブレイク      作詩:来生えつこ/作曲:来生たかお/編曲:鈴木 茂
Mary’Song       作詩・作曲:高橋真梨子/編曲:新川 博
ランナー         作詩:大津あきら/作曲:鈴木キサブロー/編曲:戸塚 修
歳月の窓        作詩:来生えつこ/作曲:来生たかお/編曲:新川 博
夕なぎ          作詩:来生えつこ/作曲:来生たかお/編曲:井上 鑑
ランブル         作詩:来生えつこ/作曲:来生たかお/編曲:鈴木 茂
Remember Sea    作詩:おくの たかし/作曲:小杉保夫/編曲:若草 恵
裏窓           作詩:伊藤 アキラ/作曲:浜田金吾/編曲:八木正生
モノローグの九月   作詩:来生えつこ/作曲:来生たかお/編曲:新川 博

歌:高橋真梨子

LP:ビクター音楽産業 VIH-28010

 これは、1980年に発売された高橋真梨子の一枚のLPレコードである。高橋真梨子は、わが国のポピュラー音楽界に偉大な足跡を残し、現在でも第一線の女声ボーカリストとして歌い続けている。残念ながら、シャンソン歌手のジュリエット・グレコは今年引退してしまったが、高橋真梨子は、日本のジュリエット・グレコなのかもしれない。二人ともその時々に全力で生きる人々の感情の機微を巧みに歌い切る。そして、二人とも歌が抜群にうまい。何よりも、高橋真梨子は、日本で生まれた曲に徹底的に拘る。常に詩そのものを大切にし、その日本語の発音が明確で美しいことは特筆されることだ。高橋真梨子の歌は、昔流行った歌謡曲とも違う。シャンソンともジャズとも違う。人の心の内面をじっと見つめるような歌が多く、何物にも追従せずに、常に独自の世界を切り開くかのようである。高橋真梨子のよく伸びる歌声は、その曲の印象を何倍にも大きなものにして、リスナーの心のひだに訴えかけてくる。傷ついた人々に対しては、静かな激励を送り届けてくれるようであり、それが高橋真梨子という歌手の魅力であり、真骨頂ではなかろうか。何か、側にいて、そっと話しかけてくるかのように。LPレコードでその高橋真梨子の歌声を聴くと、彼女の声の魅力はたちどころに倍増する。(蔵 志津久)

コメント/トラックバック投稿 »



2016年5月02日

♪ 日本の歌のコンクール、5月と8月に開催


 日本の歌のコンクールが5月と8月に開催される。

 5月には、平成28年度「奏楽堂日本歌曲コンクール」(主催:旧東京音楽学校奏楽堂)が開催される。第27回「歌唱部門」と第23回「作曲部門」の本選は、5月29日(日) に行われる。会場は、いずれも台東区生涯学習センターミレニアムホール。

 旧東京音楽学校は、1887年、東京府下谷区に設立された官立の音楽専門学校で、学制改革にともない発足した新制東京芸術大学音楽学部の構成母体となった。奏楽堂は、旧東京音楽学校の演奏会場として1890年(明治23年)に、日本で最初に建てられた本格的な西洋式音楽ホール。今日では建物そのものの名称となっている。

                 <本選課題曲>

      山田 耕筰 北原 白秋   ペィチカ
      山田 耕筰 北原 白秋   からたちの花
      中山 晋平 野口 雨情   あの町この町
      中山 晋平 吉井 勇    ゴンドラの唄
      成田 為三 林 古渓    浜辺の歌
      大中 寅二 島崎 藤村   椰子の実
      服部 良一 西條 八十  蘇州夜曲
      海沼 実 斎藤 信夫    里の秋(1番と2番を歌唱すること)
      越谷 達之助 石川 啄木 初恋
      平井 康三郎 佐藤 春夫  しぐれに寄する抒情
      米山 正夫 米山 正夫   津軽のふるさと
      中田 喜直 茶木 滋    めだかの学校
      中田 喜直 三木 露風    おやすみ(「六つの子供の歌」より)
      中田 喜直 竹久 夢二    風の子供(「六つの子供の歌」より)
      團 伊玖磨 まど・みちお   ぞうさん
      大中 恩 三木 露風     ふるみち
      大中 恩 寺山 修司     ヒスイ Jade
      いずみ たく やなせたかし てのひらを太陽に
      いずみ たく 岩谷 時子   夜明けのうた
      金井 秋彦 須田 慎吾    丘のうえの風(平成27年度奏楽堂日本歌曲コンクール作曲部門
                             ≪中田喜直賞の部≫優秀賞受賞作)

 また、8月には、清水かつら記念 第16回「日本歌曲歌唱コンクール」(主催:埼玉県和光市/和光市文化振興公社)が開催される。本選は、和光市民文化センター サンアゼリア大ホールで、8月20日(土)に行われる。

 清水かつら(1898年―1951年)は、童謡詩人で、「靴が鳴る」「叱られて」「あした」「雀の学校」「みどりのそよ風」などの作品で知られる。東京・深川の生まれだが、関東大震災の後、埼玉県白子村・新倉村(現・和光市)に移り、ここで生涯を送った。

コメント/トラックバック投稿 »