クラシック音楽 日本の歌


2016年8月03日

♪ クミコの歌う「越路吹雪のシャンソン」は“日本の歌”? 


クミコ

~クミコ/イカルスの星―越路吹雪を歌う~

愛の賛歌
サン・トワ・マミー
ちょっとおたずねします
家へ帰るのが怖い
イカルスの星
忘れたいの (セ・ラ・ヴィ)
愛の追憶
アプレ・トワ
誰もいない海
ジジ・ラモローゾ
夢の中に君がいる
ラスト・ダンスは私に

歌:クミコ

CD:avex io IOCD 20086

 
 シャンソンは、フランス語で歌全般を意味し、特定のジャンルの歌を指すわけではない。しかし、我々日本人がシャンソンという場合は、1960年代までに流行した歌謡曲としてのシャンソンを言う。一部には海外で流行った歌がフランスに入ってシャンソンとして歌われることもあったようだが、いずれにしても、通常シャンソンは、フランス語の詩にフランス人が作曲し、フランス人の歌手が歌うわけである。先頃引退したフランスを代表するシャンソン歌手のジュリエット・グレコのコンサートを聴く機会があったが、社会を鋭く風刺したような歌も数多く含まれ、日本で言う歌謡曲とは少々趣が異なるようだ。ことほど左様に、どう考えてもシャンソンに日本人が入り込む余地などあまりないはずであるのだが、フランス語の詩を日本人が翻訳して、日本人の歌手がシャンソンを歌うと、たちどころに“日本の歌”に変身してしまうから不思議な話だ。アメリカの歌やイタリアの歌では、こうはいかない。このCDは、シャンソン歌手として一世を風靡した越路吹雪の持ち歌を、クミコが独自の味わいでカバーした一枚のアルバムである。越路吹雪の歌うシャンソンは、日本人のフィルターを通した“日本の歌”であったと私は思うが、クミコの歌う「越路吹雪のシャンソン」も、現代的センスを色濃く持った“日本の歌”のように私には聴こえる。フランス生まれのシャンソンを“日本の歌”として聴いても罰は当たるまい。(蔵 志津久)

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2016年7月20日

♪ 全盲と天涯孤独の逆境を見事跳ね除けた新垣 勉の「魂の歌」


新垣 勉

~魂の歌 新垣 勉 ベスト・コレクション~

さとうきび畑
千の風になって
見上げてごらん夜の星を
芭蕉布
てぃんさぐぬ花
白百合の花が咲く頃
アヴェ・マリア(歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より)
愛の喜び
赤とんぼ
私と小鳥と鈴と
涙そうそう
風に吹かれて
夢路より
愛燦燦
千の風になって(ライヴ・ヴァージョン)

歌:新垣 勉

 放送作家・作詞家の永六輔が7月7日に亡くなった。作詩家としての永六輔の代表作「見上げてごらん夜の星を」(作曲:いずみたく、編曲:篠原敬介)を聴いてみたいと思いCDボックスを見てみたら、新垣 勉のCD「魂の歌 新垣 勉 ベストコレクション」の中にあるのを見つけ、久しぶりに「見上げてごらん夜の星を」聴いてみた。これほど曲と詩とが融合した歌は滅多にないというほど完成度の高い作品であることに今さらながら感じ入った。ところで、この曲を歌っている新垣 勉の前半生ほど壮絶なものはなかろう。新垣 勉は、沖縄で在日米軍人であったメキシコ系アメリカ人の父と日本人の母との間に生まれる。出生後まもなく不慮の事故で全盲となってしまう。1歳の時に両親が離婚し、父親は帰国。母親は再婚したため、母方の祖母に育てられるが、その祖母も14歳の時亡くなり、天涯孤独の身となってしまうのだ。そんなある時、ラジオから流れてきた賛美歌を聴き教会に行き、これが切っ掛けとなり、牧師と声楽家になることを目指し始める。34歳で武蔵野音楽大学に入学し、牧師への道と同時に、本格的に声楽家への道も歩み始める。持ち前の澄んだ歌声がたちまち人気を集め、全国各地でのコンサート活動やCDの発売によって、現在の歌手としての地位を築くことになる。我々は毎日文句ばかりを言う。しかし、新垣 勉が全盲に加え天涯孤独という逆境を跳ね除けたことを思うと、我々の悩みなんかちっぽけなものだと思わざるを得ない。新垣 勉の歌声はほんとに澄んでいて暖かい。(蔵 志津久)

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2016年7月13日

♪ 日本のポピュラーソングを世界レベルまで高めた双子デュオの「ザ・ピーナッツ」


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~ザ・ピーナッツ ベスト&ベスト デラックス~

可愛い花
情熱の花
ふりむかないで
恋のバカンス
銀色の道
心の窓にともし灯を
ウナ・セラ・ディ東京
東京の人
大阪の人
愛のフィナーレ
恋のフーガ
上を向いて歩こう

歌:ザ・ピーナッツ(伊藤エミ・伊藤ユミ)

CD:キングレコード SBB-307

 双子デュオ「ザ・ピーナッツ」の妹の伊藤ユミが、2016年5月18日に亡くなった。

 姉の伊藤エミは既に2012年に亡くなっているので、これで「ザ・ピーナッツ」の二人は、過去の人になってしまった。

 テレビで「ザ・ピーナッツ」が大活躍していた時に青春時代を送った者の一人として、残念としか言いようがない。

 第二次世界大戦後の暫くは、日本が欧米のポピュラー音楽を盛んに導入し、そしてそれらの音楽を学び、逆に日本人の手で、作詞・作曲そして歌うといったサイクルが幾度か繰り返され、日本にポピュラー音楽が徐々に根付くようになって行った。

 そんな環境の中で双子デュオの「ザ・ピーナッツ」は、誕生し、育っていった。

 ちょうど、日本が高度成長期を迎えようとしていた頃の話だ。

 「ザ・ピーナッツ」は、明るくはつらつとした歌声、リズム感たっぷりの抑揚、それに加えて愛らしいルックスで、当時、多くの人々の心を捉えた。

 そして、何よりも二人の息がぴたりとあっていることには本当に驚かされた。

 その結果、現在では「『ザ・ピーナッツ』は日本のポピュラーソングを世界レベルまで高めた」と高い評価を受けている。

 完璧といっていいほど完成度の高い歌唱力を身に付け、最後の頃には、海外(ドイツなど)にも活躍の場を広げるなど、日本の音楽の海外進出の先陣の役割も果たしたのだった。

 そんな「ザ・ピーナッツ」の二人は、もういない。寂しい限りだ・・・。                     蔵 志津久

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2016年7月04日

♪ 浪漫街道 堀口博雄と東京軽音楽倶楽部 小さな喫茶店


堀口博雄

小さな喫茶店
或る雨の午后
ダイナ
山の人気者
すみれの花咲く頃
私の青空
宵待草
さすらいの唄
一杯のコーヒーから
アラビアの唄
月の砂漠
峠の我が家
琵琶湖周航の歌
籠の鳥
恋はやさしい野辺の花よ
夜のバイオリン

演奏:堀口博雄と東京軽音楽倶楽部

      堀口博雄(リーダー/バイオリン他)
      林あきら(ドラムス/パーカッション)
      山内喜美子(京琴)
      鳥井勉(アコーディオン)
      野口武義(ドブロ/バンジョー他)
      斉藤功(ギター)
      寺川正典(ベース)
      佐伯亮(編曲/マンドリン他)

ジャケット:高畠華宵(「少女画報」昭和3年10月号表紙より<弥生美術館蔵>)

発売:1992年8月21日

CD:日本コロムビア COCS‐10156

 日本人の特質は何かと問われると、多くの人が礼儀正しさや勤勉さなどを挙げると思うが、最大の特質は、外国から来るあらゆるものを受け入れ、自分のものに昇華し、一つの文化を形成することだろう。例えば、漢字文化を取り入れ、そこからひらがな、カタカナを創作し、日本の風土に合う文字文化をつくりあげる、などはその典型的事例だ。寺院の様式も本家の中国とは大分趣がことなり、日本にしかない寺院様式を創造してきた。そんな日本文化の特徴は、第二次世界大戦後の復興期に如何なく発揮された。今度は、本家は中国ではなく、欧米であり、なかんずく米国の文化だ。音楽の世界も例外なく、米国の音楽文化が一挙に日本に流れ込んできた。ジャズ、ロック、ポピュラーミュージック・・・こんなにも日本人は米国生まれの音楽が好きだったかと、びっくりさせられたほどだ。このCD「浪漫街道 堀口博雄と東京軽音楽倶楽部 小さな喫茶店」は、日本の琴の音が強烈な印象をリスナーに与える一方では、バイオリンをはじめ、アコーディオン、ギター、マンドリンなの西欧音楽発祥の楽器の音が巧みにかみ合い、何とも言えないノスタルジックな世界を創造することに成功している。これは、正に日本人でなければつくり出せない、独特の音楽文化であることは疑いのないことだ。取り上げられている曲自体も、日本人の作曲した曲とアメリカ民謡など欧米の作品が混在しているにも関わらず、全体として、そこには何となく日本的な統一感が生まれていることも不思議といえば不思議なことだ。このような音楽は、絶滅危惧種の音楽として消滅しつつあると思いきや、現在アマゾンなどから手軽に購入できるようだ。意外に堀口博雄と東京軽音楽倶楽部による独創的な音づくりは、平成の世相に合うかもしれない。事情が許す方は一聴を。(蔵 志津久)

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2016年6月15日

♪ 日本という自然の豊かな大地と心が育んだ稀有のシンガーソングライター    五輪真弓


五輪真弓

歌:五輪真弓

<ディスク:1>

作詩・作曲:五輪真弓

愛の約束

心の友
煙草のけむり

家路
雨宿り
運命 (さだめ)
約束
そして今は夢
ラブレター
風よ
微笑みは出会いと共に
Wind and Roses
時の流れに~鳥になれ~

<ディスク:2>

作詩・作曲:五輪真弓

恋人よ
潮騒
抱きしめて (愛は夢のように)
国境
さよならだけは言わないで
恋しても
残り火
合鍵
リバイバル
巴里の旅情
せめて愛を
瞼をとじて
ジャングルジム
少女
名もなき道

歌:五輪真弓

CD:ソニーレコード SRCL 5293~4

 五輪真弓の歌声を聴くと、何かほっとする気分に浸ることができる。五輪真弓は、リスナーに対して、決して剥き出しの感情をぶつけることはしない。むしろ自分自身の心の中に訴えかけるような、しみじみとした歌がほとんどだ。その意味では、五輪真弓は、東洋的と言おうか、純粋に日本的なシンガーソングライターなのだ。

 今、五輪真弓デビュー30周年を記念して発売された、このCD2枚組のアルバム「MAYUMI CLASSICS MAYUMI ITUWA」を聴き直して見ると、全ての曲がちっとも色失せておらず、新鮮な感覚に溢れていることに驚かされる。これらの曲は1970年~1990年に書かれたものだが、今聴いても一曲一曲が生き生きとリスナーに訴え掛けてくるのだ。五輪真弓は、シンガーソングライターなのだから当たり前のことかもしれないが、30曲全曲の作詩・作曲・歌を手掛けている。

 それらの中には、名曲でしかも名唱と言える曲が多く含まれている。このアルバムのライナーノートで五輪真弓が、「『時の流れに』コンサートツアー中に広島平和記念公園をおとずれたとき、深い感銘を受けて書いた歌」と書いている「Wind and Roses」に、私は深く心を動かされる。こんなにも美しく、そして悲しい歌があるのかと。原爆で亡くなられた方々の魂が、五輪真弓に乗り移って名曲「Wind and Roses」が出来上がったのではないかと思うほどだ。

 五輪真弓は、海外レコーディングを商業的に最初に成功させたことで知られ、日本の女性シンガーソングライターの草分け的存在であった。特に、1980年にリリースされたシングル「恋人よ」が大ヒットし、彼女の代表曲となり、その年の第22回日本レコード大賞で金賞を受賞した。五輪真弓は、日本という自然の豊かな大地と心が育んだ稀有のシンガーソングライターということなのであろう。(蔵 志津久)

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2016年6月08日

♪ 端正な三浦洸一の歌声を聴いて思うこと


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街 燈            佐伯孝夫・作詩/吉田 正・作曲/佐野雅美・編曲
踊 子            喜志邦三・作詩/渡久地政信・作曲・編曲
あゝダムの町       佐伯孝夫・作詩/吉田 正・作曲/小沢直与志・編曲
弁天小僧         佐伯孝夫・作詩/吉田 正・作曲/佐野雅美・編曲
釧路の駅でさようなら  佐伯孝夫・作詩/豊田一雄・作曲/佐野雅美・編曲
青年の樹         石原慎太郎・作詩/山本直純作曲・編曲

歌:三浦洸一

CD:ビクターエンタテインメント VICT‐15083

 最近、懐かしい三浦洸一(1928年生まれ)の歌声を時々思い出すようになった。その昔聴いたときは、随分ときっちっとした歌唱をする歌手だと思っていたが、最近経歴を見て「なあるほど」と納得した。東洋音楽学校(現:東京音楽大学)声楽科で学んでいた頃は、当然ながらクラシック音楽の勉強に励んでいたからだ。1952年に日本ビクターレコードに入社し、作曲家の吉田正に師事した。文芸を題材にして書かれた曲いわゆる「文芸歌謡」が多いことで知られる。三浦洸一の代表作の一つ「踊り子」は、川端康成の初期の代表短篇小説「伊豆の踊子」を題材にしたものであろう。1953年「さすらいの恋唄」でデビュー、同年9月に出した「落葉しぐれ」が大ヒットとなり一躍スター歌手に躍り出る。1955年の「第6回NHK紅白歌合戦」に初出場し、合計8回の出場経験を持つ。2000年日本レコード大賞功労賞を受賞。同世代の歌手には春日八郎がいるが、今聴いてみると二人ともびっくりするほど歌がうまいことに気が付く。そして日本語の歌詞の発音が実に美しい。当時は、芸術性と大衆性とを同時に併せ持つことは、少しも不思議なことではなかったのである。それに比べ、現在の日本の音楽状況はどうであろうか。あまりに芸術性と大衆性とがかけ離れてはいまいか。(蔵 志津久)

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2016年5月19日

♪ LPレコードで高橋真梨子の昔懐かしい歌を聴いてみる


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アフロディーテ     作詩:荒木とよひさ/作曲・編曲:馬飼野康二
デイブレイク      作詩:来生えつこ/作曲:来生たかお/編曲:鈴木 茂
Mary’Song       作詩・作曲:高橋真梨子/編曲:新川 博
ランナー         作詩:大津あきら/作曲:鈴木キサブロー/編曲:戸塚 修
歳月の窓        作詩:来生えつこ/作曲:来生たかお/編曲:新川 博
夕なぎ          作詩:来生えつこ/作曲:来生たかお/編曲:井上 鑑
ランブル         作詩:来生えつこ/作曲:来生たかお/編曲:鈴木 茂
Remember Sea    作詩:おくの たかし/作曲:小杉保夫/編曲:若草 恵
裏窓           作詩:伊藤 アキラ/作曲:浜田金吾/編曲:八木正生
モノローグの九月   作詩:来生えつこ/作曲:来生たかお/編曲:新川 博

歌:高橋真梨子

LP:ビクター音楽産業 VIH-28010

 これは、1980年に発売された高橋真梨子の一枚のLPレコードである。高橋真梨子は、わが国のポピュラー音楽界に偉大な足跡を残し、現在でも第一線の女声ボーカリストとして歌い続けている。残念ながら、シャンソン歌手のジュリエット・グレコは今年引退してしまったが、高橋真梨子は、日本のジュリエット・グレコなのかもしれない。二人ともその時々に全力で生きる人々の感情の機微を巧みに歌い切る。そして、二人とも歌が抜群にうまい。何よりも、高橋真梨子は、日本で生まれた曲に徹底的に拘る。常に詩そのものを大切にし、その日本語の発音が明確で美しいことは特筆されることだ。高橋真梨子の歌は、昔流行った歌謡曲とも違う。シャンソンともジャズとも違う。人の心の内面をじっと見つめるような歌が多く、何物にも追従せずに、常に独自の世界を切り開くかのようである。高橋真梨子のよく伸びる歌声は、その曲の印象を何倍にも大きなものにして、リスナーの心のひだに訴えかけてくる。傷ついた人々に対しては、静かな激励を送り届けてくれるようであり、それが高橋真梨子という歌手の魅力であり、真骨頂ではなかろうか。何か、側にいて、そっと話しかけてくるかのように。LPレコードでその高橋真梨子の歌声を聴くと、彼女の声の魅力はたちどころに倍増する。(蔵 志津久)

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2016年5月02日

♪ 日本の歌のコンクール、5月と8月に開催


 日本の歌のコンクールが5月と8月に開催される。

 5月には、平成28年度「奏楽堂日本歌曲コンクール」(主催:旧東京音楽学校奏楽堂)が開催される。第27回「歌唱部門」と第23回「作曲部門」の本選は、5月29日(日) に行われる。会場は、いずれも台東区生涯学習センターミレニアムホール。

 旧東京音楽学校は、1887年、東京府下谷区に設立された官立の音楽専門学校で、学制改革にともない発足した新制東京芸術大学音楽学部の構成母体となった。奏楽堂は、旧東京音楽学校の演奏会場として1890年(明治23年)に、日本で最初に建てられた本格的な西洋式音楽ホール。今日では建物そのものの名称となっている。

                 <本選課題曲>

      山田 耕筰 北原 白秋   ペィチカ
      山田 耕筰 北原 白秋   からたちの花
      中山 晋平 野口 雨情   あの町この町
      中山 晋平 吉井 勇    ゴンドラの唄
      成田 為三 林 古渓    浜辺の歌
      大中 寅二 島崎 藤村   椰子の実
      服部 良一 西條 八十  蘇州夜曲
      海沼 実 斎藤 信夫    里の秋(1番と2番を歌唱すること)
      越谷 達之助 石川 啄木 初恋
      平井 康三郎 佐藤 春夫  しぐれに寄する抒情
      米山 正夫 米山 正夫   津軽のふるさと
      中田 喜直 茶木 滋    めだかの学校
      中田 喜直 三木 露風    おやすみ(「六つの子供の歌」より)
      中田 喜直 竹久 夢二    風の子供(「六つの子供の歌」より)
      團 伊玖磨 まど・みちお   ぞうさん
      大中 恩 三木 露風     ふるみち
      大中 恩 寺山 修司     ヒスイ Jade
      いずみ たく やなせたかし てのひらを太陽に
      いずみ たく 岩谷 時子   夜明けのうた
      金井 秋彦 須田 慎吾    丘のうえの風(平成27年度奏楽堂日本歌曲コンクール作曲部門
                             ≪中田喜直賞の部≫優秀賞受賞作)

 また、8月には、清水かつら記念 第16回「日本歌曲歌唱コンクール」(主催:埼玉県和光市/和光市文化振興公社)が開催される。本選は、和光市民文化センター サンアゼリア大ホールで、8月20日(土)に行われる。

 清水かつら(1898年―1951年)は、童謡詩人で、「靴が鳴る」「叱られて」「あした」「雀の学校」「みどりのそよ風」などの作品で知られる。東京・深川の生まれだが、関東大震災の後、埼玉県白子村・新倉村(現・和光市)に移り、ここで生涯を送った。

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2016年4月17日

♪ 「昭和のスターとアイドル展」、5月3日~9日、日本橋三越本店(東京都中央区)で開催


 歌謡曲

 「昭和のスターとアイドル展~テレビからヒット曲が生まれた時代~」(主催:NPO法人ミュージックソムリエ協会)が、5月3日(火・祝)~5月9日(月)、日本橋三越本店(東京都中央区日本橋室町1-4-1)新館7階ギャラリーで開催される。

 同展では、歌謡曲の歴史を彩ったシングル・レコードのジャケットが壁面いっぱいに飾られ、当時のポスター・写真・ビデオ・パンフレット・原稿・楽譜・楽器・雑誌・衣装などが展示される。

 また、山野楽器、ディスクユニオン、八重洲ブックセンターなどと協力、それら歌謡曲が収録されたCDや同展における限定のDVD、アナログレコード、書籍、グッズなどが販売される。

 その他、本館6Fの三越劇場や本館屋上でも関連コンサートやイベントが開催されることになっている。

 今でも新たに発見され続けている昭和の歌謡曲は、日本のポピュラー音楽の財産といえる。昭和という時代が終わって平成を迎えても、人々のなかでスターの輝きは失われることなく記憶に残り、名曲はスタンダード・ナンバーとなって現在も生き続けている。

 西洋の音楽と日本文化が出会ったところから誕生した歌謡曲が、戦争の時代をはさんで 大きく花が開いたのは、戦後の混乱が収まって平和が訪れた1950年代後半からのこと。そして復興から高度成長時代に数多くの歌が生まれ、美空ひばりを筆頭にマスメディアから新しいスターやアイドルが登場してきた。

 同展は、懐かしく感じる方も、初めて触れる若い世代の方も、楽しめる企画。

・日本が生んだ世界のスタンダード「上を向いて歩こう」
・昭和のスーパースター美空ひばり
・70年代を代表するトップアイドル、キャンディーズ
・由紀さおり、歌謡曲から童謡・唱歌まで
・音楽史を彩った不世出の表現者、美輪明宏
・昭和から平成へと新しいカタチで歌謡曲を引き継ぐ小林幸子
・1970~80年代の音楽シーンを反映した歌番組
・昭和のテレビドラマと歌謡曲~久世光彦の世界
・グループ・サウンドが遂げた革命と男性アイドルの登場

【本館6階】 三越劇場

「マイ・ラスト・ソング2016」~歌謡曲が街を照らした時代~
5月6日(金)・9日(月)18:30 / 19:00
出演:小泉今日子 / 浜田真理子

「歌謡NABEコンサート」
5月6日(金)14:00?
出演:ジェロ、西田あい、伊藤美裕、徳永ゆうき、工藤あやの、三小田朱里、津吹みゆ、最上川司、UNIONE(ユニオネ)
司会:三遊亭わん丈

【本館屋上】 野外音楽ステージ

5月3日(火・祝)(1)正午12:00~ /(2)午後2:00~
出演:リトルグリーモンスター

5月5日(木・祝)(1)正午12:00~ /(2)午後2:00~
出演:かもめ合唱団

5月4日~5月9日
「歌謡NABEライブ」(日時、出演者未定)

                               ◇

 

期間:2016年5月3日(火・祝)~5月9日(月)
時間:午前10時30分?午後7時(午後7時30分閉場) ※最終日は午後5時30分まで(午後6時閉場)
場所:日本橋三越本店  ?新館7階ギャラリー  東京都中央区日本橋室町1-4-1
入場料:一般・大学生=800円/高校・中学生=600円(小学生以下無料・税込)

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2015年12月16日

♪ フランク永井は偉大なバラード歌手であった 


フランク永井2

おまえに                  作詩:岩谷時子/作曲・編曲:吉田 正
大阪ぐらし                 作詩:石浜恒夫/作曲・編曲:大野正雄
逢いたくて                 作詩:佐伯孝夫/作曲・編曲:吉田 正
羽田発7時50分              作詩:宮川哲夫/作曲:豊田一雄/編曲:寺岡真三
夜霧の第二国道             作詩:宮川哲夫/作曲・編曲:吉田 正
有楽町で逢いましょう          作詩:佐伯孝夫/作曲・編曲:吉田 正
東京午前三時               作詩:佐伯孝夫/作曲:吉田 正/編曲:佐野雅美
西銀座駅前                作詩:佐伯孝夫/作曲:吉田 正/編曲:寺岡真三
俺は淋しいんだ              作詩:佐伯孝夫/作曲・編曲:渡久地政信
夜霧に消えたチャコ            作詩:宮川哲夫/作曲・編曲:渡久地政信
こいさんのラブ・コール          作詩:石浜恒夫/作曲・編曲:大野正雄
ラブ・レター                 作詩:佐伯孝夫/作曲:吉田 正/編曲:寺岡真三
公園の手品師               作詩:宮川哲夫/作曲:吉田 正/編曲:竜崎孝路
悲しみは消えない             作詩:佐伯孝夫/作曲・編曲:吉田 正
初恋の詩                  作詩:鴻池善右衛門/作曲・編曲:大野正雄
妻を恋うる唄                作詩:岩谷時子/作曲・編曲:吉田 正
霧子のタンゴ                作詩・作曲・編曲:吉田 正
好き好き好き                作詩:佐伯孝夫/作曲:吉田 正/編曲:寺岡真三
東京ナイト・クラブ(with松尾和子)   作詩:佐伯孝夫/作曲・編曲:吉田 正
君恋し                    作詩:時雨音羽/作曲:佐々紅華/編曲:寺岡真三

歌:フランク永井

CD:ビクターエンタテインメント VICL-41246

 独特の低音で多くの人を魅了したフランク永井(1932年―2008年)が亡くなってもう7年が過ぎた。一般にはフランク永井は、ムード歌謡歌手に分類されるが、私は、日本の偉大なバラード歌手であったと考えている。

 バラードとは、自由な形式の民衆的小叙事詩を指す。フランク永井が歌うと、あたかも詩を朗読しているかのようだ。決して自己主張するわけでなく、詩によって語らしむるという歌いっぷりだ。

 すべての歌が、ゆっくりと時が移ろうかのように流れ行く。これを、正確で美しい日本語の発音が支えている。このCDに収録されている曲の作曲家はすべて一流だが、作詩家もすべて一流であることに気付く。

 例えば、このCDの最後の曲の「君恋し」(作詩:時雨音羽)の「宵闇せまれば、悩みははてなし みだるる心に うつるは誰が影・・・」を読むと、一瞬のうちにそのつらい心情に誰もが引き寄せられてしまう。

 一流の板前は、新鮮な素材を探し出すのに長けていると言われるが、歌手も同じように、優れた作曲家、優れた作詩家との出会いが、その出来栄えを大きく左右する。

 フランク永井は、宮城県志田郡松山町(現・大崎市)出身で、厨房の賄い、トラック運転手を経て、米軍キャンプでジャズを歌い始める。ラジオのアマチュア歌合戦で勝ち残り、ビクターレコードの専属歌手に。

 その後、作曲家の吉田 正の門下生となり、ジャズから歌謡曲に転向。“都会派のムード歌手”として、「有楽町で逢いましょう」が最初のヒット曲となり、以後、続々とヒット曲を飛ばす。

 「有楽町で逢いましょう」は、昔、東京の有楽町駅前にあった、そごう百貨店(現在は家電量販店「ビックカメラ」のビル)のPRソングであった。私は、山手線で有楽町駅を通るたびに、フランク永井のあの歌声を思い出す。

 フランク永井ほど、当時の都会で普通に暮らす人々の心情を掴んだ歌手はほかにいなかった。やはり、フランク永井は、詩をほんとに大切にして歌う、日本の偉大なバラード歌手であったと私は思う。(蔵 志津久)

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