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2015年12月01日

◇2015年、内外の国際音楽コンクールで多くの入賞者を輩出した日本勢


 花束

 2015年10月にワルシャワで行われた第17回ショパン国際ピアノコンクールで韓国のチョ・ソンジンが優勝し、大きな話題をさらったが、2015年の日本のクラシック音楽界も、内外の国際コンクールで多くの入賞者を輩出した。

 中でも光ったのが、11月に開催された若手音楽家の登竜門として知られるジュネーブ国際音楽コンクールの作曲部門での薮田翔一の優勝である。同部門での日本人の優勝は初。2010年に、同コンクールのピアノ部門で萩原麻未が優勝して以来の日本人の優勝となる。

 「ロン=ティボー=クレスパン国際音楽コンクール」のピアノ部門では、1位なしの第3位に實川風、第5位に深見まどかが入賞を果たした。同コンクールは、伝統ある「ロン=ティボー国際音楽コンクール」から、2011年より声楽部門が加わったことで、現在の名称に変更された。

 ドイツ・ハノーファーで行われた第9回ハノーファー国際ヴァイオリン・コンクールで、第2位に南紫音が、辻彩奈が第5位(併せて「聴衆賞」「特別賞」を受賞)に入賞した。同コンクールでは、2009年に三浦文彰が優勝している。

 このほか、10月にクロアチアで行われた第6回ロブロ・フォン・マタチッチ国際指揮者コンクールで粟辻聡が第2位に入賞を果たした。粟辻は、2011年京都市立芸術大学音楽学部指揮専攻を首席で卒業し、オーストリア国立グラーツ芸術大学大学院オーケストラ指揮科で学び、現在国際的に活躍している。

 国内で行われた国際コンクールに目を転じると、第17回東京国際音楽コンクール<指揮>において、第2位に太田弦が入賞した。同コンクールは、1976年以来3年に1回開催される若手指揮者の登竜門として知られる。今年は、40か国・地域から239人の応募があった。これほど応募者の多い指揮者コンクールは、世界でもほかにないという。

 これも3年に1回開催される第11回国際オーボエコンクール・軽井沢で、荒木奏美が優勝(大賀賞)した(併せて軽井沢町長賞<聴衆賞>を受賞)。日本人の同コンクールでの優勝は初で、アジア勢としても初となる。同コンクールは故大賀典雄の発案のもと、ソニー音楽財団が主催している。(蔵 志津久)

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