クラシック音楽 日本の歌


2014年6月09日

♪ 「日本の歌」のルーツを訪ねて 19 ヨゼフ・スーク

~スーク/日本のメロディー~

お江戸日本橋    日本古謡
ちんちん千鳥     近衛秀麿・曲
出船          杉山長谷夫・曲
からたちの花     山田耕筰・曲
平城山         平井康三郎
中国地方の子守歌 日本古謡/山田耕筰・曲
五木の子守歌    日本古謡
宵待草         多 忠亮・曲
城ケ島の雨      梁田 貞・曲
さくらさくら       日本古謡
荒城の月       滝廉太郎・曲
初恋          越谷達之助・曲
浜辺の歌       成田為三・曲
この道         山田耕筰・曲

編曲:南 安雄

ヴァイオリン/ヴィオラ:ヨゼフ・スーク

ヴァイオリン:オルドジフ・ヴェルチェク(平城山)

管弦楽:プラハ室内管弦楽団(リーダー:オルドジフ・ヴェルチェク)

録音:1988年7月4日~7日、スプラフォン・ノヴォドゥヴォルスカ・スタジオ

CD:日本コロムビア CO3201

 これは、チェコの名ヴァイオリニストのヨゼフ・スーク(1929年―2011年)が「日本の歌」をヴァイオリンとヴィオラで演奏した珍しいCDである。どのような経緯でこの録音が行われたかは定かではないが、生前、ヨゼフ・スークは度々来日した親日家であったことは事実で、これが切っ掛けで録音が行われたと推察できる。ヨゼフ・スークは、ドヴォルザークの曾孫で、同じ名前の作曲家の孫でもあるという恵まれた音楽環境の中で育った。プラハ音楽院卒業後は、プラハ四重奏団の第1ヴァイオリン奏者となり、さらに23歳の時には、親友のヤン・パネンカ、ヨゼフ・フッフロと共に「スーク・トリオ」を結成。その後、ソリストとしての活動も強化、1959年には世界一週ツアーを敢行し、その時、初来日している。その後、日本を気に入ったスークは、ソリストとして、あるいはトリオの一員としてしばしば来日し、心のこもった演奏で日本の聴衆に深い感銘を与え、多くのファンを有していた。スークの演奏は、端正で音色が美しいということに加え、気品のある抒情性と深い精神性が感じられる演奏内容が特徴だった。この辺が「日本の歌」との接点となったのではないかと思われる。このCDでのスークの演奏は、日本の抒情歌や日本の古謡を、心からの共感を持って演奏しているのが印象的。

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