クラシック音楽 音楽の泉


2015年4月05日

【2015年はシベリウス生誕150年―名曲・名盤⑫<最終回>】

~シベリウス歌曲集~

メゾ・ソプラノ:マリア・ホロパイネン

ピアノ:舘野 泉

シベリウス:海辺のバルコニーで
       春はいそぎゆく
       黒い薔薇
       少女が野原で歌っている
       秋の夕べ
       おののく胸から
       静かな町
       泳げ、泳げ青い鴨
       山彦の妖精
       夕映えのようにゆるやかに
       私が夢みるとき
       逢引きから帰った乙女
       三月の雪の上のダイヤモンド
       夕べに
       はじめての口づけ
       川面にただよう木屑
       葦よそよげ
       夢なりしか?
       ひともとの樹
       水の精

CD:東芝EMI CE30-5499

 シベリウスというと交響曲や交響詩などの勇壮な曲を思い浮かべるが、約100曲ほどの歌曲も残している。これらの歌曲作品の中には、10曲ほどのオーケストラ伴奏の曲も含まれているが、それ以外は、ピアノ伴奏の小品が多くを占めている。これらピアノ伴奏の歌曲は、小品を数曲ずつセットにして、一つの作品番号にして出版したものが多く、同じ作品番号だからといって相互の関連性はほとんどない。このCDで、そんなシベリウスの歌曲を歌っているメゾ・ソプラノのマリア・ホロパイネンは、ピアノ伴奏をしている舘野 泉の夫人である。マリア・ホロパイネンは、ヘルシンキ生まれ。1970年に最優秀でシベリウス・アカデミーを卒業し、翌年デビューを果たす。このCDのライナーノートでは「マリア・ホロパイネンの歌う北欧歌曲には北欧の自然と人間の持つ厳しさや孤独感、あるいはまた爽やかな抒情が端正で知的なたたずまいの中で、率直に歌い上げられている」と紹介されている。このCDに収められているシベリウスの歌曲20曲は、いずれも内容が深く、充実しており、一度聴くとそれらは、リスナーの印象に強く残り、決して離れることはない。歌曲作曲家としてのシベリウスは、今後再評価されるべきだろう。

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