クラシック音楽 音楽の泉


2016年2月24日

◇国内トップ奏者によるスーパーオーケストラ「マロオケ」の東京上陸に注目!

 マロオケ

 NHK交響楽団の人気コンサートマスター、“マロ”こと篠崎史紀氏が主宰する、国内トップ奏者によるスーパーオーケストラ「Meister Art Romantiker Orchester=MARO(通称:マロオケ)」が東京で初公演を開催する。同オーケストラは、指揮者を置かずに、全員男性奏者により、極上のアンサンブルを聴かせるのが特徴。

 「マロオケ」は、2009年にマロの出身地である北九州音楽祭でデビューを果たし、以後、大分や熊本で聴衆を魅了してきた。同オーケストラは、国内オーケストラのコンサートマスター8名をはじめとして、国内オーケストラの首席級が居並ぶという超豪華メンバー。

 モットーは「音楽で真剣に遊ぼう」。このためメンバーは気の合う仲間の集まりで、肩書は関係ないという。レパートリーの基本は古典派。当時は、指揮者を置かずに、室内楽的な形態をとっており、「マロオケ」もこの精神に立ち返り、“巨大な室内楽”という主旨に拘る。

 これまで「マロオケ」は、九州に限って演奏活動を行ってきたが、2016年5月5日、サントリーホールで東京に上陸を果たす。オーケストラというと、プロオーケストラとアマチュアオーケストラに二分されるが、「マロオケ」はプロオーケストラには違いはないが、その発想の奇抜さで、日本で新たなオーケストラ文化を築こうとするもの。

 当日は、何とモーツアルトの交響曲を6曲(交響曲第25番/第36番「リンツ」/第38番「プラハ」/第39番/第40番/第41番)を一挙に演奏するという型破りなもの。「マロオケ」のこのような意欲的な試みは、既存のオーケストラでは、なかなか実現できない。今後、「マロオケ」現象が日本中に広がるのか、大いに興味が引かれるところではある。(蔵 志津久)

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