クラシック音楽 音楽の泉


2018年6月23日

☆テレビ番組情報:NHK Eテレ 「クラシックTV」 


NHK Eテ10月レ 「クラシックTV」   毎週木曜日 午後9時00分~9時30分

●11月21日(木)イントロの魅力

 音楽家の創意工夫が詰め込まれている「イントロ」。しかし、そんなイントロが消滅の危機なんだとか。いったいなぜ!?J−POPの名イントロをヒャダイン、清塚信也、鈴木愛理でプレゼン合戦。清塚信也が推すクラシックのイントロ=序奏。「ラデツキー行進曲」や「新世界から」のイントロに込められたテクニックとは?現代のリスナーに響く「聴かせるイントロ」作りも。鈴木愛理×清塚信也で名イントロの「ハナミズキ」を演奏。

出演:ヒャダイン

司会:清塚信也、鈴木愛理

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2018年6月22日

☆テレビ番組情報:テレビ朝日 「題名のない音楽会」


テレビ朝日 「題名のない音楽会」  毎週土曜日 午前10時~10時30分

●11月23日(土)60周年記念企画⑧世界遺産のある街・宗像で奏でる音楽会〜後編

 前週に引き続き、放送60周年を記念し、世界遺産の街・宗像からお送りする。宗像大社では毎年10月に熱気に溢れ観光客もたくさん訪れる「秋季大祭」が行われる。 後編ではそんなお祭りの様子と宗像大社を散策。そこで触れた宗像の魅力を語り合い、感じた思いを演奏にしてお送りする。

M1 今野玲央作曲「DEEP BLUE」
M2 L.v.ベートーヴェン作曲「ピアノ協奏曲第5番『皇帝』」第2楽章

ゲスト・演奏:反田恭平(指揮・ピアノ)、LEO(箏)

演奏:ジャパン・ナショナル・オーケストラ

司会:石丸幹二、武内絵美

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2018年5月28日

☆クラシック音楽の名曲と日本人作曲家の作品をカップリングしたCD「BEYOND THE STANDARD」シリーズに注目!


 アンドレア・バッティストーニ

 若手人気指揮者のアンドレア・バッティストーニは、東京フィルハーモニー交響楽団と組んで新しいCDシリーズ「BEYOND THE STANDARD」(日本コロムビア)をリリースした。

 この新CD「BEYOND THE STANDARD」シリーズは、クラシック音楽の名曲中の名曲と、日本人作曲家による傑作をカップリングし、時代と国を越え、新しいスタンダードをつくり出そうとする意欲的な試み。

 考えて見れば、クラシック音楽の名曲と日本人作曲家による作品を、一夜のコンサートで演奏されることは、そう珍しいことではない。

 ところが、これまで、クラシック音楽の名曲と日本人作曲家による作品を1枚のCDに収めるということは、あまり試みられたことはない。

 つまり、日本人作曲家による作品は、単独でCDに収められ発売されてきたのだ。そうなると、必然的にリスナーは限定されてしまい、日本人作曲家による作品が広く知られる切っ掛けがなかなか得られない。

 「BEYOND THE STANDARD」シリーズは、そんなこれまでの既成概念を取り払い、例えばドボルザークの「新世界」と伊福部昭の「シンフォニア・タプカーラ」「ゴジラ」を1枚のCDに納めて発売。

 こうなれば、「新世界」聴くために購入したリスナーは、自然な形で伊福部昭の作品に触れることができるのだ。このことによって、日本人の作曲家の作品が、今後多くのリスナーによって聴かれることが大いに期待される。(蔵 志津久)

                             
                              ◇

<vol.1>

ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」
伊福部昭:シンフォニア・タプカーラ、ゴジラ

<vol.2>

チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」
武満徹:系図(Family Tree)

<vol.3>

ベルリオーズ:幻想交響曲
黛敏郎:バレエ音楽「舞楽」

<vol.4>

ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」
吉松隆:サイバーバード協奏曲

<vol.5>

スタンダード名曲集

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2018年3月05日

☆ピリス、“お別れコンサート”を4月に開催


 

 マリア・ジョアン・ピリス

 ポルトガル出身の名女流ピアニストのマリア・ジョアン・ピリスが2018年をもって引退を表明しており、日本では4月に各地で行われる日本ツアーが最後の演奏会となりそうだ(教育活動は今まで通り今後も継続)。

 ピリスは、1944年7月23日、ポルトガルのリスボンに生まれる。リスボン音楽院で学んだ後に、ドイツにおいてローゼル・シュミットとカール・エンゲルに師事。1970年「ベートーヴェン生誕200周年記念コンクール」に優勝して以後、国際的な活動を開始した。ソリストとしてはもとより室内楽活動も好んで取り組んできた。大の親日家で最近までしばしば来日を果たし、日本でのファンも多い。

 ピリスの紡ぎだすピアノの音は、限りなくピュアな味わいを持つと同時に、凛とした芯の強い響きが人々を魅了してきた。一音一音が生命力を持ち、その背景には温かい人間性が豊かに広がる。そして静寂と躍動が程よいバランスを保っている。どことなく和の精神との共通性が感じられるのだ。こんなところが、日本に多くのファンを持つ理由の一つではないだろうか。

 ここ10年間は、世界各地から集まった学生を対象に多くのワークショップを実施し、最近では、ベルギーのエリザベート王妃音楽大学でも教鞭を執り、後進の指導に当たっている。(蔵 志津久)

                              ◇

~2018年日本ツアー マリア・ジョアン・ピリス ピアノリサイタル・スケジュール~

2018年4月8日(日)  岐阜 サマランカホール
      4月10日(火) 高崎 シティギャラリー
      4月12日(木) 東京 サントリーホール
      4月14日(土) 大阪 ザ・シンフォニーホール
      4月16日(月) 浜松 アクトシティ
      4月17日(火) 東京 サントリーホール
      4月20日(金) 東京 NHKホール
      4月21日(土) 東京 NHKホール
      4月24日(火) 川口 リリアホール
      4月26日(木) 東京 浜離宮朝日ホール

                              ◇

~マリア・ジョアン・ピリス ピアノリサイタル①~

ベートーヴェン:ピアノソナタ第8番「悲愴」
          ピアノソナタ第17番「テンペスト」
          ピアノソナタ第32番

ピアノ:マリア・ジョアン・ピリス

会場:サントリーホール

日時:2018年4月12日(木) 午後7時

                              ◇

~マリア・ジョアン・ピリス ピアノリサイタル②~

モーツァルト:ピアノソナタ第12番K.332
         ピアノソナタ第13番K.333
シューベルト:4つの即興曲Op.142 D.935

ピアノ:マリア・ジョアン・ピリス

会場:サントリーホール

日時:2018年4月17日(火) 午後7時

                              

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2018年2月25日

☆日本フィル、ストラヴィンスキーの“隠れた傑作” 劇音楽「ペルセフォーヌ」を日本初演


 ストラヴィンスキー

 日本フィルハーモニー交響楽団は、700回目の定期演奏会として、指揮者に日本フィル桂冠指揮者兼芸術顧問のアレクサンドル・ラザレフを迎え、5月18日、19日、サントリーホールにおいて、日本初演となるストラヴィンスキーのテノール、女性ナレーター、合唱、子ども合唱とオーケストラのためのメロドラマ形式の劇音楽「ペルセフォーヌ」を取り上げる。

 この曲は、ギリシア神話のペルセフォーヌの地下世界への旅と再生を主題とするストラヴィンスキーの3幕の劇音楽で、台本はギリシャ神話をもとに文豪アンドレ・ジイドが書き下ろしたもの。大編成のオーケストラとテノールの歌で進行され、水の精や亡霊たちの合唱も加わり、春と農耕の女神、ペルセフォーヌが語る、ストラヴィンスキーの壮大な音楽。

 劇音楽「ペルセフォーヌ」は、衝撃的なバレエ音楽の数々で20世紀音楽を揺るがした作曲家ストラヴィンスキーの“隠れた傑作”とも言われているが、これまで日本での演奏は行われなかった。このギリシャ神話をベースに生まれた劇音楽「ペルセ フォーヌ」は、進行役の祭司ユーモルプに加え、合唱団が水の精や黄泉の亡霊たちなどさまざまな役を歌いつつ、主役・ペルセポネだけは「歌わず、語る」役に徹する構成となっている。

 果たして、日本フィルによるこのストラヴィンスキーの曲の日本初演の演奏会は、日本の聴衆にどう受け入れられるのか、興味深いものがある。(蔵 志津久)

                              ◇

~日本フィルハーモニー交響楽団第700回定期演奏会~

プロコフィエフ:交響的協奏曲
ストラヴィンスキー:ペルセフォーヌ〈日本初演〉

指揮:アレクサンドル・ラザレフ

管弦楽:日本フィルハーモニー交響楽団

チェロ:辻本玲
ナレーション:ドルニオク綾乃
テノール:ポール・グローブス
合唱:晋友会合唱団、東京少年少女合唱隊

会場:サントリーホール

日時:2018年5月18日(金)午後7時/5月19日(土)午後2時

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2018年1月15日

☆シューマンの幻のシンフォニー「ツヴィッカウ交響曲」の演奏会、今年6月にサントリーホールで開催


シューマン

↑ シューマンの「ツヴィッカウ交響曲」を収録したCDも発売されているが、演奏会が開催されるのはまれ ↑

 今年の6月に、通常の演奏会では滅多に取り上げられないシューマンの幻のシンフォニー「ツヴィッカウ交響曲」(未完成交響曲)の演奏会が開催される。

 シューマンの交響曲と言えば、第1番「春」、第2番、第3番「ライン」、第4番の4曲が広く知られており、いずれの曲も演奏会でしばしば取り上げられ、交響曲の人気シリーズの一つとなっている。この4曲以外にシューマンに交響曲があったと言われても、「?」と思われる人がほとんどだと思う。「ツヴィッカウ交響曲」の名称自体が厳めしく、何か事情があって陽の目を見ないことになったのかな、と考え込んでしまう。実は、ツヴィッカウとは、シューマンが生まれた地名であるとともに、この曲の初演が行われた地名でもあるのだ。

 シューマンが、初めて交響曲を作曲したのが、この曲であるとされている。第2楽章までを完成させながら、遂に全曲を完成しなかった交響曲なのである。シューマンは、1832年にこの曲の作曲を開始し、第1楽章のみを完成(ちなみに交響曲第1番「春」は1841年に作曲)。同年、ツヴィッカウにおいて、この第1楽章が初演されたが、全く評価されなかった。その後、翌年にかけて、第1楽章の改定と、第2楽章の作曲が行われた。シューマン自身は3楽章構成でこの交響曲を完成させる構想を持っていたと言われるが、それ以後の作曲は行われず、未完成のままで終わってしまった。

 現在、この「ツヴィッカウ交響曲」が演奏会で取り上げられることはまずない。ところが年6月23日にサントリーホールで行われる東京交響楽団の第661回定期演奏会で突如として取り上げられることになった。現在、CDでこの交響曲を聴くことができる。聴いてみると、確かに曲としての完成度は、イマイチという感は免れないが、さりとて全く無視してもいい曲かといわれれば、そうでもない。

 若き日のシューマンの交響曲への思い入れが伝わってきて、これはこれなりに、完結した世界を持った曲ということができると思う。演奏会で生の演奏を聴くとCDとはまた違う印象が得られるかもしれない。何しろ、この後に、「ツヴィッカウ交響曲」の演奏会が再び行われるという保証はどこにもないのだから、この演奏会は貴重な体験となるであろう。(蔵 志津久)

                             ◇

<東京交響楽団第661回定期演奏会>

クララ・シューマン(ユリウス・オット・グリム編):行進曲 変ホ長調
シューマン:交響曲 ト短調 「ツヴィッカウ」(未完成交響曲)
ブラームス:ピアノ協奏曲第1番 ニ短調 Op.15

指揮:秋山和慶

管弦楽:東京交響楽団

ピアノ:マルカンドレ・アムラン

会場:サントリーホール

日時:2018年6月23日(土)  午後6時

                              

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2017年9月27日

☆ハイレゾ音源による演奏会のストリーミング配信の行方は?


オーケストラ

 インターネットイニシアティブ(IIJ)は、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏会のハイレゾ音源による演奏会の無料ストリーミング配信を2017年9月16日から開始したのに続き、このほどハイレゾ音源で収録された東京藝術大学の演奏会の楽曲を無料でのオンデマンド・ストリーミング配信を開始した。

 今後、ハイレゾ音源による演奏会のストリーミング配信が広がると、わが国のクラシック音楽界にどのような影響を及ぼすのであろうか、興味深い問題ではある。

                              ◇

●東京藝術大学とIIJ、ハイレゾ音源による演奏会のストリーミング配信を開始●

 東京藝術大学とインターネットイニシアティブ(IIJ)は、ハイレゾ音源で収録された東京藝大の演奏会の楽曲を無料でのオンデマンド・ストリーミング配信を開始した。

 東京藝大では、音楽における研究・教育活動成果の発信および音楽文化のさらなる普及を目的に、従来より、演奏会の記録をデジタル形式で収録したアーカイブの構築を推進し、その音源と映像を同大学「音楽総合研究センター音響研究室[アーカイブ部門]」が運営する「藝大ミュージックアーカイブ(http://arcmusic.geidai.ac.jp)」で、インターネット配信している。

 今回の取り組みは、アーカイブされたPCM96kHz/24bitおよびPCM48kHz/24bitのハイレゾ音源をIIJのハイレゾ・ストリーミングサービス「PrimeSeat(プライムシート)」にて無料でオンデマンド配信するもので、演奏の質とともにこれだけ充実したアーカイブ音源を高音質で配信する試みは、国内外の大学としても初めての試みといえる。

 東京藝大が誇る高い演奏技術を駆使した演奏会を、同大学の音響研究室のスタッフおよび大学院音楽研究科音楽文化学専攻音楽音響創造研究分野の学生により収録されたハイレゾ音源で、高音質そのままに広く体感することができる。

 東京藝大の楽曲は、バラエティに富んだ全13公演・70曲・176トラックの公開を手始めに、今後、継続的に追加していく予定となっている。

●世界初、IIJがベルリン・フィルの演奏会をDSD11.2MHzのハイレゾ音源で ライブ・ストリーミング配信●

 インターネットイニシアティブ(IIJ)は、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏会をデジタル・オーディオ・フォーマット「DSD(Direct Stream Digital)11.2MHz」で無料でライブ・ストリーミング配信する。DSD11.2MHzデジタル音源のライブ・ストリーミング配信は世界初の取り組み。

 今回、遠隔地から高音質で配信する技術的なチャレンジとして、2017/18年シーズンの5つのオーケストラ公演をライブでストリーミング配信する。

 DSD11.2MHzは、現在流通しているハイレゾ音源の中で最高音質のフォーマットで、音楽CDの16倍に及ぶ膨大な情報量を有する。左右2チャンネルの音声を流すため、22.4Mbpsの通信帯域が必要となるが、この膨大な音のデータをベルリンから日本までライブで配信するにあたり、東京とロンドンを結ぶIIJのバックボーンネットワークを経由することで安定した配信を実現。IIJのハイレゾ配信サービスPrimeSeatにより、自宅で世界最高峰のオーケストラ演奏を楽しめる。

<第1回配信>

配信期間:ライブ:2017年9月16日(土)19:00(ドイツ時間)~ / 9月17日(日)02:00(日本時間)~

聴き逃し配信:2017年9月20日(水)11:00~9月26日(火)24:00

プログラム:指揮:マレク・ヤノフスキ

プフィッツナー: 歌劇《パレストリーナ》より3つの前奏曲
ブルックナー: 交響曲第4番変ホ長調《ロマンティック》

<第2回配信>

配信期間:ライブ:2017年12月3日(日)20:00(ドイツ時間)~ / 12月4日(月)04:00(日本時間)~

聴き逃し配信:2017年12月6日(水)11:00~12月12日(火)24:00

プログラム:指揮:ベルナルド・ハイティンク

マーラー: 交響曲第9番ニ長調

<第3回配信>

配信期間:ライブ:2018年2月24日(土)19:00(ドイツ時間)~ / 2月25日(日)03:00(日本時間)~

聴き逃し配信:2018年2月27日(火)11:00~3月5日(月)24:00

プログラム:指揮:サー・サイモン・ラトル / ピアノ:ダニエル・バレンボイム

ドヴォルザーク: スラブ舞曲 op.72
バルトーク: ピアノ協奏曲第1番
ヤナーチェク: シンフォニエッタ op.60

<第4回配信>

配信期間:ライブ:2018年4月13日(金)20:00(ドイツ時間)~ / 4月14日(土)03:00(日本時間)~

聴き逃し配信:2018年4月17日(火)11:00~4月23日(月)24:00

プログラム:指揮:キリル・ペトレンコ / ピアノ:ユジャ・ワン リャードフ: 《魔法にかけられた湖》

プロコフィエフ: ピアノ協奏曲第3番ハ長調
F・シュミット: 交響曲第4番ハ長調

<第5回配信>

配信期間:ライブ:2018年6月20日(水)20:00(ドイツ時間)~ / 6月21日(木)03:00(日本時間)~

聴き逃し配信:2018年6月25日(月)11:00~7月1日(日)24:00

プログラム:指揮:サー・サイモン・ラトル マーラー: 交響曲第6番

【聴き方】

 PC(WindowsおよびMac)に専用のソフトウェア「PrimeSeat」をインストールすることで聴くことができる。音源のフォーマットにより、対応コンバーター(DAC)やステレオが必要となる。なお、DSD11.2MHzコンテンツの再生には、再生環境から常時約24Mbps以上の通信速度が必要。
詳細はhttps://primeseat.net/ja/howto/。

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2017年7月07日

☆今年12月開催の「オペラ歌手 紅白対抗歌合戦」はNHK「紅白歌合戦」のオペラ版?


 第2回「オペラ歌手 紅白対抗歌合戦」

 昨年、第1回「オペラ歌手 紅白対抗歌合戦~声魂真剣勝負~」が9月6日にサントリーホールで開催されたのに続き、第2回の今年は、12月4日にサントリーホールで開催される。

 今後、「オペラ歌手 紅白対抗歌合戦~声魂真剣勝負~」の12月開催が定例化されれば、毎年大晦日の夜に開催される「NHK紅白歌合戦」のオペラ版として定着するかもしれない。

                              ◇

<出演者>

~ 紅 組 ~

指揮:田中祐子

ソプラノ:腰越満美
      佐藤美枝子
      砂川涼子
      半田美和子
メゾソプラノ:桜井万祐子
二 重 唱:※、谷口睦美/鷲尾麻衣、小林由佳
三 重 唱:森谷真理、嘉目真木子、鳥木弥生

~ 白 組 ~

指揮:村上寿昭

テノール:藤田卓也
      笛田博昭
      村上敏明
バリトン:須藤慎吾
      キュウ・ウォン・ハン
バス:妻屋秀和
二 重 唱:弥勒忠史、岡本知高/成田博之、小原啓楼
三 重 唱:ジョン・ハオ、ヴィタリ・ユシュマノフ、望月哲也

管弦楽:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

司会:本田聖嗣

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2016年11月23日

☆CD「大田黒元雄のピアノ―100年の余韻―」のこと


 太田黒元雄

 東京都杉並区荻窪に大田黒公園(杉並区荻窪3丁目33番12号)がある。音楽評論家の大田黒元雄(1893年-1979年)の屋敷跡地に、杉並区が日本庭園を整備して、昭和56年10月1日に開園したもの。約8900㎡(2,700坪)という広大な敷地で、これが個人の自宅であったというから驚きだ。園内中央にある建物の裏側にある井筒より流れが始まり、次第に幅を広げて、池に注ぐ回遊式日本庭園となっている。園内には茶室、大田黒元雄記念館、休憩室、催し物広場、芝生広場、駐輪場などがあり、杉並区民の憩いの場となっている。

 大田黒元雄の父である大田黒重五郎は、日本の水力発電の先駆者であり、芝浦製作所(現東芝)の経営を再建し、財をなした。このことが大邸宅を構えることとなリ、現在の大田黒公園に繋がるのである。今では東京都杉並区荻窪は、住宅街で人家が密集しているが、父大田黒重五郎が自宅を建てた頃は、東京の郊外の田園風景が広がっていたはず。当時は、ここに広大な自宅を構えることは、さほど困難なことではなかったろう。ここで大田黒元雄は、1933年(昭和8年)から生涯を過ごすことになる。

 大田黒元雄自身の自宅はというと、もとは東京都大田区山王にあった。ここに音楽好きの青年達、音楽評論家の野村光一(1895年―1988年)、音楽之友社を興した堀内敬三(1897年―1983年)、作曲家の菅原明朗(1897年―1988年)らが集まったが、ここで大田黒元雄は「ピアノの夕べ」と題するサロン・コンサートを主宰することになる。大田黒元雄は、プロのピアニストではなかったが、音楽学校の教師であったハンカ・ペツォルト夫人からピアノの手ほどきを受けていたので、ピアノを自由に弾きこなせたようである。当時、最先端の作曲家のドビュッシーやスクリャービンなどの曲が紹介されたという。

 その頃の日本は、ドイツ音楽一辺倒であったはずで、フランス音楽が奏でられること自体珍しいことであったろう。それ以上に、自宅でクラシック音楽のコンサートが行われこと自体、あまりなかったはずで、わが国のクラシック音楽の大衆化の口火を切った場所であったともいえる。ここには、ロシア革命後の騒乱を嫌い、アメリカへと向かうプロコフィエフが、旅の途中日本に立ち寄り、大田区山王の大田黒元雄邸にも来てピアノを弾いたという。その後、このピアノは現在の大田黒公園に移された。そして永い眠りの後、このピアノは修復され、再び美しい音を響かせることになった。

 このほど、ピアニストで文筆家の青柳いづみこ、作曲家でピアニストの高橋悠治の両氏が、大田黒公園に置かれ、プロコフィエフも弾いたという1900年製スタインウェイを演奏したCDが発売された。修復されたスタインウェイは、明るくまろやかな音色が特に印象に残る。このCDに収録されている曲目は、大田黒元雄主宰した「ピアノの夕べ」と題するサロン・コンサートと同一であるという。今では、全国各地で毎日コンサートが開かれ、FM放送、CD、さらにはインターネットを通して誰でも音楽のある生活を気軽に享受できる時代となったが、このCD「大田黒元雄のピアノ―100年の余韻―」を聴いたり、大田黒公園へ出かけて、わが国クラシック音楽界の黎明期に思いを馳せてみたい。(蔵 志津久)

                                 ◇

                  ~CD「大田黒元雄のピアノ―100年の余韻」~

グリーグ:春に寄す《抒情小曲集》第3集 作品43より 第6曲
ドビュッシー:小さな羊飼い 《子供の領分》より 第5曲
ゴダール:牧神  《魔法のランプ》第1集 作品50より 第2曲
フォーレ:無言歌 作品17より 第3番
山田耕筰:若いパンとニンフ(五つのポエム)
マクダウェル:《森のスケッチ》作品51より
          野ばらに寄す/秋に
スコット:《詩曲集》より Ⅱ. 魂の共感の庭
     《詩曲集》より Ⅲ. 鐘
     エジプトの舟歌 《エジプト》より
スクリャービン:24の前奏曲 作品11 より 15. Lento
          4つの前奏曲 作品33 よりNo.1, No.2, No.3
          2つの小品 作品57 Ⅰ. 欲望/Ⅱ. 舞い踊る愛撫
プロコフィエフ:束の間の幻影 作品22
ラヴェル:マ・メール・ロワ

ピアノ:青柳いづみこ、高橋悠治

使用ピアノ:スタインウェイ 1900年製(大田黒元雄旧蔵 杉並区立大田黒公園記念館蔵)

録音:2016年3月29~31日、6月14日、杉並区立大田黒公園記念館

CD:コジマ録音 ALCD‐7200

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2016年11月12日

☆若いクァルテットの発掘と育成を目的とした「プロジェクトQ」、今年(第14章)のテーマ作曲家はシューマンとブラームス 


プロジェクトQ

 若いクァルテットの発掘と育成を目的とした「プロジェクトQ」(アドヴァイザー:原田幸一郎、実行委員会:テレビマンユニオン )は、今年(第14章)のテーマ作曲家としてシューマンとブラームスを取り上げている。

 参加するのは音楽学校の学生、または卒業生らによる20歳前後のメンバーによる若いクァルテットたちで、毎年秋から世界の名だたるクァルテットの名手達による公開マスタークラスを受講、翌年1月のトライアル・コンサートで試演、2月に全曲演奏会でその成果を発表するというスケジュールをとっている。

 公開マスタークラスの講師陣は、1803年に創設されシューマンの弦楽四重奏曲を初演したゲヴァントハウス弦楽四重奏団、プロジェクトQ初年度から講師を務める元東京クヮルテットの盟友・原田幸一郎&原田禎夫。世界的ヴィオラ奏者であり日本の室内楽の礎を築いた今井信子と菅沼準二、そして今回プロジェクトQ初出演で、1995年に結成され英国を中心とした教育活動でも名高いダンテ・クァルテット。

 今年(第14章)の受講曲・参加クァルテットは次の通り。

シューマン:弦楽四重奏曲 第1番 イ短調
       クァルテット・トイトイ
         <三澤響果/菊野凜太郎(Vn) 山本一輝(Va) 築地杏里(Vc)>

シューマン:弦楽四重奏曲 第2番 ヘ長調
       モマシー・クァルテット
         <松岡井菜/西川鞠子(Vn) 芝内もゆる(Va) 芝内あかね(Vc)>

シューマン:弦楽四重奏曲 第3番 イ長調
       ザ・ビストロ・ダブリュー
         <桜田 悟/西浦詩織(Vn) 野中友多佳(Va) 森 義丸(Vc)>

ブラームス:弦楽四重奏曲 第1番 ハ短調
       クァルテット奥志賀
         <会田莉凡/小川響子(Vn) 七澤達哉(Va) 黒川実咲(Vc)>

ブラームス:弦楽四重奏曲 第2番 イ短調
       クァルテット・アミティエ
         <山田香子/大澤理菜子(Vn) 長田健志(Va) 三谷野絵(Vc)>

ブラームス:弦楽四重奏曲 第3番 変ロ長調
       クラルス弦楽四重奏団
         <福田ひろみ/福田俊一郎(Vn) 吉江美桜(Va) 森田啓佑(Vc)>

                              ◇

【トライアル・コンサート】

日時:2017年1月7日(土)~9日(月・祝)11:00開演(正味1時間程度)

会場:上野学園 石橋メモリアルホール

プロジェクトQに参加するクァルテットがレッスンを重ね勉強してきた楽曲を、本公演1ヶ月前に中間発表として行なう試演会。休憩なしの約1時間の公演。

【本公演】

シューマン&ブラームス弦楽四重奏曲全曲演奏会

日時:2017年2月19日(日)

【第1部】シューマン 11:00開演
【第2部】ブラームス 16:00開演

会場:上野学園 石橋メモリアルホール

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 なお、「プロジェクトQ」では、これまでに、2001年度ベートーヴェン全曲(17曲/11組参加)、2002-2003年度バルトーク全曲(6曲/6組参加)、2005年度シューマン&ブラームス全曲(6曲/6組参加)、2006年度モーツァルト「ハイドン四重奏曲」全曲(6曲/6組参加)、2007年度ベートーヴェン作品18全曲(6曲/6組参加)、2008年度ハイドン「エルデーディ四重奏曲」全曲(6曲/6組参加)、2009年度メンデルスゾーン全曲(7曲/7組参加)、2010年度ベートーヴェン「中期弦楽四重奏曲」全曲(5曲/5組参加)、2011年度ハイドン「プロシア四重奏曲」全曲(6曲/6組参加)、2012年度ベートーヴェン「後期弦楽四重奏曲」全曲(6曲/6組参加)、2013年度ショスタコーヴィチ「初期弦楽四重奏曲」全曲(6曲/6組参加)に取り組んできた実績を持つ。

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