2010年10月07日
バッハ:「G線上のアリア」は、数ある珠玉の小品の中でも名曲中の名曲です。良く伸びるヴァイオリンの物悲しい旋律を聴いていると、宗教的な荘厳な雰囲気が静かに語りかけてくるようにも聴こえます。透明感のある旋律の狭間に、人間味溢れる情緒がそこはかと漂う様は、この世のものとも思われない世界へと我々を誘ってくれます。
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「G線上のアリア」は、バッハ(1685年―1750年)が「管弦楽組曲」第3番のうち、「アリア」の楽章に付けられた愛称。愛称の由来は、ニ長調からハ長調に移調させると、この曲がヴァイオリンのG線のみで演奏可能なことにアウグスト・ウィルヘルミが気づき、ヴァイオリン独奏用に採用したことによるといいます。以後、現在までヴァイオリニストの愛奏曲として演奏されています。