2016年8月25日
イタリアの楽器製作家アントニオ・ストラディヴァリウスは、17世紀後半から18世紀前半にかけて、クレモナの工房で約1000挺のヴァイオリン、チェロ、ヴィオラをつくった。これらの名器の多くは、長年、工芸品としてコレクターやアマチュア音楽家により所蔵され、実際にコンサートで弾かれることは少なかった。しかし、どんな名器でも名手の手で弾き込まれなければ、その真価を発揮することはない。
そこで今回、選ばれた演奏家たちによって、貸与されたストラディヴァリウスの名器を持ち寄り、その真価を発揮するコンサートが大阪のフェスティバルホールで開催される。
ハーゲン・クァルテットが所有しているのが、世界で6組しかないと言われるストラディヴァリウスの弦楽四重奏セットの一つ「パガニーニ・クァルテット」。また、諏訪内晶子は、かつて名手ハイフェッツが所有していた、世界三大ストラディヴァリウスと呼ばれる「ドルフィン」で演奏する。
選ばれた演奏家によって奏でられる13挺のストラディヴァリウスから、どのような演奏が紡ぎだされるのか、一生に一度は聴いておきたい演奏会と言えるであろう。(蔵 志津久)
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~ストラディヴァリウス・コンサート2016~
テレマン:4つのヴァイオリンのための協奏曲 ト長調 TWV 40:201
ポッパー:3つのチェロとピアノのためのレクイエム 作品66
ドヴォルザーク:2つのヴァイオリンとヴィオラのための三重奏曲「テルツェット」ハ長調 作品47
ショスタコーヴィチ:2つのヴァイオリンとピアノのための5つの小品
ピアソラ(森孝之編):6つのヴァイオリンとピアノのためのリベルタンゴ
ヘンデル:2つのヴァイオリンとピアノのためのソナタ ト長調 作品2-6 HWV391
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第13番 変ロ長調 作品130より「カヴァティーナ」
メンデルスゾーン:弦楽八重奏曲 変ホ長調 作品20
弦楽四重奏:ハーゲン・クァルテット
ルーカス・ハーゲン
ライナー・シュミット
ヴェロニカ・ハーゲン
クレメンス・ハーゲン
ヴァイオリン:ヴェロニカ・エーベルレ
セルゲイ・ハチャトゥリアン
スヴェトリン・ルセフ
諏訪内晶子
レイ・チェン
アラベラ・美歩・シュタインバッハー
有希・マヌエラ・ヤンケ
パブロ・フェランデス
石坂団十郎
ピアノ/江口玲
会場:フェスティバルホール
日時:2016年9月9日(金)午後7時