クラシック音楽 音楽の泉


バックナンバー 2010年 10月

2010年10月07日

♭ <珠玉の小品名曲選>8 バッハ:「G線上のアリア」


 バッハ:「G線上のアリア」は、数ある珠玉の小品の中でも名曲中の名曲です。良く伸びるヴァイオリンの物悲しい旋律を聴いていると、宗教的な荘厳な雰囲気が静かに語りかけてくるようにも聴こえます。透明感のある旋律の狭間に、人間味溢れる情緒がそこはかと漂う様は、この世のものとも思われない世界へと我々を誘ってくれます。

 「G線上のアリア」は、バッハ(1685年―1750年)が「管弦楽組曲」第3番のうち、「アリア」の楽章に付けられた愛称。愛称の由来は、ニ長調からハ長調に移調させると、この曲がヴァイオリンのG線のみで演奏可能なことにアウグスト・ウィルヘルミが気づき、ヴァイオリン独奏用に採用したことによるといいます。以後、現在までヴァイオリニストの愛奏曲として演奏されています。

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2010年10月07日

♭ <珠玉の小品名曲選>7 アルベニス:「タンゴ」


 アルベニス:タンゴを聴くと、その軽やかなテンポが何とも心地よく、自然に体が動き出してしまうようです。そのメロディーは何回聴いても少しも飽きません。そしてよく聴くと何か哀愁もちょっとない交ぜになっており、その魅力を一層倍増させています。

 イサーク・アルベニス(1860年―1909年)は、スペインの作曲家・ピアニスト。4歳の時にピアノ演奏をするほどの神童ぶりを発揮。ライピツィヒ、ブリュッセルで学びました。ピアノ組曲「イベリア」(全12曲)などの作曲で現在でもその名を残しています。このタンゴは組曲「エスパーニャ」全6曲のうちの第2曲で、アルベニスと言えばこの「タンゴ」が代名詞となっているほど世界中で親しまれている名曲。

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2010年10月06日

♭ <珠玉の小品名曲選>6 フォーレ:「夢のあとに」


 フォーレ:「夢のあとに」は、文字通り夢から覚めた時のような、現実とも夢とも定かでない不思議な感覚を音楽として味わうことができる。人生も過ごしてみれば、これは夢であったかもしれないと思うときがあるものだ。そんな非日常的感覚がヴェールのように全体を覆っており、それが独特の魅力を発散して止まない曲なのだ。

 ガブリエル・フォーレ(1845年―1924年)は、フランスの作曲家で、「レクイエム」などの人気作品を数多く作曲した。その作品は、人柄を反映したかのように、物静かで、気品が漂う曲となっている。この「夢のあとに」は20歳の頃の作品で、イタリアのトスカーナ地方に伝わる作者不詳の古い詩を翻訳したものに曲を付けた。フォーレにしては珍しく、愛しいひとへの情熱的思いが綴られている曲。

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2010年10月05日

♭ <珠玉の小品名曲選>5 ドヴォルザーク:「わが母の教え給いし歌」


 ドヴォルザークは、我々日本人の琴線に触れるような小品の名曲をいくつも残していますが、この「わが母の教え給いし歌」は、その中でも飛びっきりの名曲と言っていいでしょう。朗々としたメロディーを聴くと、遠い、遠い昔あったことがつい最近のように思い起こされ、懐かしさが込み上げてきます。

 アントニン・ドヴォルザーク(1841年―1904年)は、チェコの国民的大作曲家。交響曲第9番「新世界」や弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」など、お馴染みの名曲を数多く作曲したことで知られます。この曲は、1880年、彼が39歳の時の作品。歌曲集「ジプシーの歌」(全7曲)の第4曲で、「母の教えてくれた歌を、今、私は子供らに教える」という内容の抒情歌。

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2010年10月04日

♭ <珠玉の小品名曲選>4 マスネー:「タイスの瞑想曲」


 マスネー:タイスの瞑想曲は、何というゆったりとして、懐かしさが込み上げてくるようなメロディーの曲でしょうか。伸びやかにそして優雅に進んでいく様は、何度聴いても心の奥底から癒される思いがします。何か人の呟きでも聴いてるようでもあり、曲が消え入るように終わるのも、また何とも言えない余韻があってうっとりさせられます。

 ジュール・エミール・フレデリック・マスネ(1842年―1912年)はフランスの作曲家。歌劇「マノン」「ウェルテル」「タイス」や組曲「絵のような風景」などの作品で知られます。「タイスの瞑想曲」は、歌劇「タイス」の間奏曲で、甘美なメロディーがいろいろな楽器で演奏され、広く親しまれています。

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2010年10月03日

♭ <珠玉の小品名曲選>3 ドヴュッシー:「レントより遅く」


 ドヴュッシー:「レントより遅く」を聴くと、何かエキゾチックな夢の世界に自然に誘われる思いがしてきます。全体がゆっくりとしたテンポで終始し、聴き込むうちに自然にまどろんでくるような、そんな現代ではなかなか味わうことができない体験を味わうことができます。このまま遠い、遠い夢の世界へと身も心も飛んでいってしまうのでは、とも思えてきます。

 クロード・ドヴュッシー(1862年-1918年)は、「レントより遅く」を、ピアノ独奏曲「前奏曲集 第1巻」と、ほぼ同じ時期の1910年に作曲した。ロマ(ジプシー)が演奏する 物悲しいヴァイオリンにインスピレーションを得て作曲したと言われている。ジプシー音楽に対するドビュッシーの関心の高さを反映したもので、作曲者自身の管弦楽用の版もある。

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2010年10月02日

♭ <珠玉の小品名曲選>2 クライスラー:「愛の喜び」「愛の悲しみ」


 クライスラー:「愛の喜び」は、心の底から生きる喜びが湧き上がり、それらが曲の全体から鳴り響くようでもあります。言ってみれば青春賛歌のような雰囲気が全体に漂います。それがウィーン情緒を伴って展開されるところがポイントです。一方、クライスラー:「愛の悲しみ」は、仄かな悲しみが聴くものの胸を打って離しません。この2曲は対になって演奏されるケースが少なくありません。

 フリッツ・クライスラー(1875年-1962年)は、オーストラリア出身のヴァイオリニスト兼作曲家。パリ音楽院に入学し、主席で卒業。米国、英国などでヴァイオリニストとしてデビューし成功を収め、世界的ヴァイオリニストとして名声を博しました。1923年には、来日を果たしています。1943年に米国籍取得。作曲は“余技”だが、数々のヴァイオリン小品曲を残しています。

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2010年10月01日

♭ <珠玉の小品名曲選>1 エルガー:「愛の挨拶」


 エルガー:「愛の挨拶」を聴くと、何時も懐かしい昔の日々を思い出してしまいます。何という優雅さと優しさに溢れた曲なのでありましょうか。ゆっくりとしたテンポの曲の中に、全ての思いを凝縮したかのようでもあり、何よりも、自己の主張だけを曲に託すのではなく、相手への思いやりのような感情が曲の随所に現れているように感じられて、聴いていて救われる思いがする曲なのです。

 エドワード・ウィリアム・エルガー(1857年-1934年)は、英国の作曲家兼指揮者、音楽教師、ヴァイオリニスト。「愛の挨拶」は婚約者のアリスのために作曲した曲。エルガーというとわが国では直ぐに行進曲「威風堂々」を思い出しますが、交響曲を3曲、「子供の魔法の杖」などの管弦楽曲、ヴァイオリン協奏曲、チェロ協奏曲など、本格的クラシック音楽を作曲した英国を代表する作曲家として知られています。

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