クラシック音楽 日本の歌


2014年6月11日

♪ 「日本の歌」のルーツを訪ねて 20 李 広宏(日本語と中国語による「日本の歌」)


早春賦
夏の思い出
赤とんぼ
月の砂漠

故郷
みかんの咲く岡
雪の降る町を
宵待草
紅葉
荒城の月
里の秋
この道
かあさんの歌
浜辺の歌
蘇州夜曲

歌:李 広宏(日本語と中国語の歌/中国語訳)

書名:唱歌・童謡で学ぶ  伝え続けたい日本のこころ
著者:二宮 清・李 広宏
発行:五月書房

 これは、書籍「唱歌・童謡で学ぶ  伝え続けたい日本のこころ」(二宮 清・李 広宏著/五月書房)の付録のCDで、関西を拠点に世界の舞台で活躍する李 広宏が歌う、16曲の「日本の歌」が収録されている。同書の内容は、日本が世界に誇れる唱歌・童謡の文化を、これからどう受け継いでいくかを、四十年来“歌のふる里”を調べ歩いてきた二宮 清の豊かな文章で綴ったもの。二宮 清は、2000年にダイキン常務取締役に就任し、現在、同社嘱託。唱歌・童謡の研究にも力を注いでおり、その曲のゆかりの地、誕生の地を訪ねての調査活動を四十年来継続している。一方、李 広宏は、1961年中国蘇州生まれ。16歳の時に中国伝統劇の滬劇(こげき)俳優になり、1987年来日。「日本の歌」を深く愛し、1999年、第1作のCD「中国語で歌う日本の心の歌」を発表した。現在、西宮市在住。

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2014年6月09日

♪ 「日本の歌」のルーツを訪ねて 19 ヨゼフ・スーク


~スーク/日本のメロディー~

お江戸日本橋    日本古謡
ちんちん千鳥     近衛秀麿・曲
出船          杉山長谷夫・曲
からたちの花     山田耕筰・曲
平城山         平井康三郎
中国地方の子守歌 日本古謡/山田耕筰・曲
五木の子守歌    日本古謡
宵待草         多 忠亮・曲
城ケ島の雨      梁田 貞・曲
さくらさくら       日本古謡
荒城の月       滝廉太郎・曲
初恋          越谷達之助・曲
浜辺の歌       成田為三・曲
この道         山田耕筰・曲

編曲:南 安雄

ヴァイオリン/ヴィオラ:ヨゼフ・スーク

ヴァイオリン:オルドジフ・ヴェルチェク(平城山)

管弦楽:プラハ室内管弦楽団(リーダー:オルドジフ・ヴェルチェク)

録音:1988年7月4日~7日、スプラフォン・ノヴォドゥヴォルスカ・スタジオ

CD:日本コロムビア CO3201

 これは、チェコの名ヴァイオリニストのヨゼフ・スーク(1929年―2011年)が「日本の歌」をヴァイオリンとヴィオラで演奏した珍しいCDである。どのような経緯でこの録音が行われたかは定かではないが、生前、ヨゼフ・スークは度々来日した親日家であったことは事実で、これが切っ掛けで録音が行われたと推察できる。ヨゼフ・スークは、ドヴォルザークの曾孫で、同じ名前の作曲家の孫でもあるという恵まれた音楽環境の中で育った。プラハ音楽院卒業後は、プラハ四重奏団の第1ヴァイオリン奏者となり、さらに23歳の時には、親友のヤン・パネンカ、ヨゼフ・フッフロと共に「スーク・トリオ」を結成。その後、ソリストとしての活動も強化、1959年には世界一週ツアーを敢行し、その時、初来日している。その後、日本を気に入ったスークは、ソリストとして、あるいはトリオの一員としてしばしば来日し、心のこもった演奏で日本の聴衆に深い感銘を与え、多くのファンを有していた。スークの演奏は、端正で音色が美しいということに加え、気品のある抒情性と深い精神性が感じられる演奏内容が特徴だった。この辺が「日本の歌」との接点となったのではないかと思われる。このCDでのスークの演奏は、日本の抒情歌や日本の古謡を、心からの共感を持って演奏しているのが印象的。

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2014年6月08日

♪ 「日本の歌」のルーツを訪ねて 18 美空ひばり


悲しき口笛       藤浦 洸・詩/万城目 正・曲/田代与志・編
越後獅子の唄     西条八十・詩/万城目 正・曲・編
あの丘越えて     菊田一夫・詩/万城目 正・曲/松尾健司・編
リンゴ追分       小沢不二夫・詩/米山正夫・曲・編
津軽のふるさと    米山正夫・詩・曲・編
ひばりのマドロスさん 石本美由起・詩/上原げんと・曲・編
港町十三番地     石本美由起・詩/上原げんと・曲・編
浜っ子マドロス     星野哲郎・詩/石本美由紀・補詩/船村 徹・曲・編
哀愁波止場      石本美由起・詩/船村 徹・曲・編
無法松の一生     吉野夫二郎・詩/古賀政男・曲/佐伯 亮・編
悲しい酒        石本美由起・詩/古賀政男・曲/佐伯 亮・編
人生一路        石本美由起・詩/かとう哲也・曲/佐伯 亮・編
みだれ髪         星野哲郎・詩/船村 徹・曲/南郷達也・編
川の流れのように   秋元 康・詩/見岳 章・曲/竜崎孝路・編

 戦後(第2次世界大戦後)の日本を代表する歌手はと問われれば、今は既に年配となった多くの人々は、当時“歌謡界の女王”として君臨した美空ひばり(1937年ー1989年)の名を挙げるであろう。終戦直後の1946年、美空ひばりはNHKラジオ「素人のど自慢」に出場し、当時多くの国民に愛唱されていた「リンゴの唄」を予選で歌い、歌手人生のスタートを切った。1954年「ひばりのマドロスさん」で第5回NHK紅白歌合戦に初出場。1955年には江利チエミ、雪村いづみとともに東宝映画「ジャンケン娘」に出演するなど映画界のスターとしても人気を博した。1960年、「哀愁波止場」で第2回日本レコード大賞歌唱賞を受賞、この頃から“歌謡界の女王”と言われるようになり、丁度東京オリンピックと重なり、1965年にかけて「柔」が大ヒットし、この曲で1965年第7回日本レコード大賞を受賞する。以後「悲しい酒」「芸道一代」「真赤な太陽」と、立て続けにヒット作品を生む。しかし晩年になり、美空ひばりの体を病魔が襲い始め、1989年2月7日の福岡県北九州市小倉での公演が生涯最後のステージとなってしまった。この時は、廊下からステージに入る間の、わずか数センチの段差も1人では乗り越えられなかったほどの体で、全20曲を歌い終えたという。通算レコーディング曲数は、1,500曲(オリジナル楽曲517曲)に及んだ。没後の1989年には国民栄誉賞を受賞。美空ひばりは、まさしく戦後の日本を代表する不世出の大歌手であった。

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2014年6月06日

♪ 「日本の歌」のルーツを訪ねて 17 フォーク&ニュー・ミュージック:1970年(昭和45年)~


 1970年代に入ると日本経済は、高度経済成長が一段落し、オイルショックにより高度成長は終焉を迎え、低成長時代に移行することになる。この頃、全国にスーパーマーケットが普及し、マンションが多数建設され始めた。つまり、1970年代は、現在の日本の基礎となる部分が構築され始めた時代ということができよう。音楽でも、それまで一世を風靡していたグループサウンズが下火となり、代わって登場してきたのが、“フォーク&ニュー・ミュージック”という、それまでの日本にはなかった、新しいジャンルの音楽である。多くの曲が続々と登場し、人々を魅了した新しい「日本の歌」の登場である。ここでは「僕らの時代」と題したCD5枚(100曲)のアルバムから、当時流行ったフォーク&ニュー・ミュージックを紹介してみよう。

~僕らの時代 フォーク&ニュー・ミュージック ベスト100~

CD:ワーナーミュージック・ジャパン WQCQ-14~18

販売:ショップジャパン/オークローンマーケティング

<Disk1>

グレープ        精霊流し
さだまさし       雨やどり
ベッツイ&クリス   白い色は恋人の色
中山千夏       あなたの心に
千賀かほる      真夜中のギター
西島三重子      池上線
中村雅俊       ふれあい
ペドロ&カプリシャス 別れの朝
ビリ―・バンバン   さよならをするために
小坂明子       あなた
グレープ        無縁坂
さだまさし       秋桜(コスモス)
クラフト         僕にまかせて下さい
ウイツシュ       御案内
西島三重子      千登勢橋
古井戸         ポスターカラー
河島英五       酒と泪と男と女
柴田まゆみ      白いページの中に
メロディー       淋しくありませんか
ペドロ&カプリシャス 五番街のマリーへ

<Disk2>

かぐや姫       神田川
イルカ         雨の物語
風           ささやかなこの人生
マイペース      東京
はっぴいえんど    風をあつめて
風           ほおづえをつく女
上條恒彦・六文銭  出発の歌~失われた時を求めて~
アン真理子      悲しみは駆け足でやってくる
伝書鳩        目覚めた時には晴れていた
かぐや姫       妹
イルカ         なごり雪
新谷のり子・
古賀カ        フランシーヌの場合
風           君と歩いた青春
イルカ         サラダの国から来た娘
かぐや姫       僕の胸でおやすみ
さとう宗幸      青葉城恋唄
かぐや姫       赤ちょうちん
五つの赤い風船   遠い世界に
イルカ         海岸通
風           22才の別れ

<Disk3>

井上陽水       東へ西へ
小椋 佳       さらば青春
加藤登紀子      この空を飛べたら
大塚博堂       ダスティン・ホフマンになれなかったよ
及川恒平・六文銭   面影橋から
みなみらんぼう    ウイスキーの小瓶
加川 良        教訓I
遠藤賢司       カレーライス
つのだ☆ひろ     メリー・ジェーン
井上陽水       夢の中へ
BORO         大阪で生まれた女
喜納昌吉&
チャンプルーズ    花~すべての人の心に花を
高田 渡        自転車にのって
大橋純子       たそがれマイ・ラブ
海援隊         母に捧げるバラード
あがた森魚      赤色エレジー
小室 等        雨が空から降れば
小椋 佳        めまい
加藤登紀子      知床旅情
海援隊         贈る言葉

<Disk4>

松山千春       季節の中で
因幡 晃       わかって下さい
田山雅充       春うらら
小坂恭子       想い出まくら
石川セリ       八月の濡れた砂
山崎ハコ       望郷
NSP          さようなら
高樹 澪       ダンスはうまく踊れない
高木麻早       ひとりばっちの部屋
松山千春       恋
NSP          夕暮れ時はさびしそう
泉谷しげる      春夏秋冬
古時計        ロードショー
ザ・ブロードサイド
・フォー        若者たち
もとまろ       サルビアの花
山崎ハコ       織江の唄
長谷川きよし     別れのサンバ
雅夢          愛はかげろう
松山千春       銀の雨
谷村新司       昴―すばるー

<Disk5>

はしだのりひこと
シューベルツ     風
加藤和彦と北山修  あの素晴らしい愛をもう一度
かまやつひろし    我が良き友よ
フォー・セインツ   小さな日記
キャッスル・アンド・
ゲイツ         おはなし
はしだのりひこと
クライマックス    花嫁
トワ・エ・モア     或る日突然
堀内孝雄‾       君のひとみは10000ボルト
フォー・セインツ    希望
ザ・フォーク・
クルセダーズ     悲しくてやりきれない
森山良子       さとうきび畑
アリス         今はもうだれも
ザ・フォーク・
クルセダーズ     戦争は知らない
浅川マキ       夜が明けたら
ジャックス       からっぽの世界
RCサクセション    ぼくの好きな先生
りりィ          私は泣いています
トア・エ・モア     虹と雪のバラード
アリス         チャンピオン
ジローズ        戦争を知らない子供たち

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2014年6月06日

♪ 「日本の歌」のルーツを訪ねて 16 流行歌(ヒット曲):1955年(昭和30年)~


沓掛時次郎      橋 幸夫・唄/佐伯孝夫・詩/吉田 正・曲・編
君恋し         フランク永井・唄/時雨音羽・詩/佐々紅華・曲/寺岡真三・編
湖愁          松島アキラ・唄/宮川哲夫・詩/渡久地政信・曲・編
白い花のブルース  平野こうじ・唄/佐伯孝夫・詩/吉田 正・曲・編
江梨子         橋 幸夫・唄/佐伯孝夫・詩/吉田 正・曲・編
寒い朝         吉永小百合&和田 弘とマヒナスターズ・唄/佐伯孝夫・詩/吉田 正・曲・編
いつでも夢を     橋 幸夫&吉永小百合・唄/佐伯孝夫・詩/吉田 正・曲・編
霧子のタンゴ     フランク永井・唄/吉田 正・詩・曲・編
舞妓はん       橋 幸夫・唄/佐伯孝夫・詩/吉田 正・曲・編
島のブルース     三沢あけみ&和田 弘とマヒナスターズ・唄/吉川静夫・詩/渡久地政信・曲・編
後追い三味線     榎本美佐江・唄/吉川静夫・詩/吉田 正・曲・編
美しい十代       三田 明・唄/宮川哲夫・詩/吉田 正・曲・編
大阪ぐらし       フランク永井・唄/石浜恒夫・詩/大野正雄・曲・編
霧の中の少女     久保 浩・唄/佐伯孝夫・詩/吉田 正・曲・編
お座敷小唄      松尾和子&和田 弘とマヒナスターズ・唄/作詩不詳/陸奥 明・原曲/寺岡真三・編
恋をするなら      橋 幸夫・唄/佐伯孝夫・詩/吉田 正・曲・編

 今、日本は、2020年の東京オリンピックの成功に向け、全国民一致しての盛り上がりが徐々に高まってきているが、前回の東京オリンピック(第18回夏季オリンピック)が行われたのは、1964年(昭和39年)のことであった。昭和30年代は、丁度、現在の日本のようにオリンピック成功へ向けての取り組みが盛り上がり、国立競技場や新幹線などの建設ラッシュに日本中が沸いた年代でもあった。ただ、現在の日本と違うところは、当時の日本は、高度成長経済の真っただ中であり、全てが右肩上がりだったこと。そんな昭和30年代の流行歌、つまり当時の「日本の歌」はというと、「いつでも夢を」(橋幸夫/吉永小百合)、「美しい十代」(三田明)、「君恋し」(フランク永井)などの曲がヒットしていた。当時のヒット曲の特徴は、年寄りから子供に至るまで、全世代にわたって幅広く支持を受け、現在のヒット曲のように、世代間の断絶はあまりなかったように思う。

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2014年6月04日

♪ 「日本の歌」のルーツを訪ねて 15 ラジオ歌謡:1945年(昭和20年)~


 日本の西洋音楽の歴史は、明治・大正時代の滝廉太郎や山田耕筰のように、日本政府による派遣や財閥の支援を受け渡欧し、西洋音楽を学び、帰国して日本に西洋音楽に根付かせることから始まった。そして、その持ち帰った西洋音楽を基に、日本人の心を注ぎ込むことによって、世界でも類を見ないような豊かな詩情の「日本の歌」を生み出すことになるのである。しかしその後、日本は第二次世界大戦によって廃土と化してしまう。そんな暗い世相の中、ラジオから聴こえてくる「リンゴの唄」(歌:並木路子、霧島 昇)が、日本人に生きる希望をもたらせた。ラジオ歌謡の始まりである。これ以降、新しい数多くの「日本の歌」が続々と生まれることになる。

リンゴの唄       並木路子、霧島昇
みかんの花咲く丘   川田正子
里の秋         川田正子
夜のプラットホーム  二葉あき子
シベリヤ・エレジー  伊藤久男
ハバロフスク小唄   近江俊郎、中村新造
湯の町エレジー    近江俊郎
三百六十五夜     霧島昇、桧原操
長崎の鐘       藤山一郎
イヨマンテの夜    伊藤久男
悲しき竹笛      奈良光枝、近江俊郎
夢淡き東京      藤山一郎
愛の灯かげ      近江俊郎、奈良光枝
青い山脈       藤山一郎、奈良光枝
とんがり帽子     川田正子
ぼくは特急の機関士で 三木鶏郎、丹下キヨ子、森繁久弥
君の名は       織井茂子
黒百合の歌      織井茂子
朝はどこから     安西愛子、岡本敦郎
黒いパイプ      二葉あき子、近江俊郎
山小舎の灯      近江俊郎
さくら貝の歌     辻輝子
白い花の咲く頃    岡本郭郎
あざみの歌      伊藤久男
森の水車       並木路子
愛のスウィング    池真理子
東京ブギウギ     笠置シヅ子
別れのタンゴ     高峰三枝子
水色のワルツ     二葉あき子
ボタンとリボン     池真理子
懐しのブルース    高峰三枝子
赤い靴のタンゴ    奈良光枝

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2014年6月03日

♪ 「日本の歌」のルーツを訪ねて 14 ペギー葉山


~ペギー葉山 歌謡曲&オリジナル ベスト~

夜明けのメロディー   五木寛之・詩/弦 哲也・曲/若草 恵・編
雲よ風よ空よ       ヒロコ・ムトー・詩/山下毅雄・曲/小野崎孝輔・編
誰もいない海       山口洋子・詩/内藤法美・曲/南 安雄・編
花              喜納昌吉・詩・曲/渡辺博也・編
愛の贈りもの       小平なほみ・詩/菅原 進・曲/若松正司・編
忘れな草をあなたに   木下龍太郎・詩/江口浩司・曲/甲斐靖文・編
蘇州夜曲         西條八十・詩/服部良一・曲/小川寛興・編
ゴンドラの歌       吉井 勇・詩/中山晋平・曲/小野崎孝輔・編
青葉城恋唄        星間舟一・詩/さとう宗幸・曲/小六禮次郎・編
かあさんの歌       窪田 聡・詩・曲/若松正司・編
百まで生きましょう    岩田 宏・詩/林 光・曲/秋満義孝・編
爪              平岡精二・詩・曲/宮川 泰・編
学生時代         平岡精二・詩・曲/直居隆雄・編
神様がくれた愛のみち  阿久 悠・詩/宮川彬良・曲・編
南国土佐を後にして   武政栄策・詩・曲/小野崎孝輔・編

歌:ペギー葉山

CD:キングレコード KICX783

 ペギー葉山は、青山学院女子高等部時代、当初はクラシック音楽を学ぼうと音大志望だったが、その後、ポピュラー・ジャズへの転向を決意し、1952年にキングレコードよりレコードデビューを果たす。その後、進駐軍のキャンプで歌い始め、当時の一流ビッグバンドであった「渡辺弘とスター・ダスターズ」の三代目専属歌手として活躍。1954年には「第5回NHK紅白歌合戦」に初出場(紅白歌合戦には合計14回出場)。1955年に初渡米し、全米各地で歌い、好評を得る。翌1959年には「南国土佐を後にして」が空前の大ヒットとなる。さらに1964年には「学生時代」がロングセラーとなる。1995年に紫綬褒章、2004年には旭日小綬章を受章。2007年から3年間、社団法人日本歌手協会の7代目会長を務めた。ペギー葉山は、現在でも現役歌手として活躍している。ポピュラーソングやジャズ、ミュージカルを歌う一方、日本の抒情歌にも積極的に取り組み、「日本の歌」の歌手としても、これまで大きな貢献を果たしてきた。

 

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2014年6月01日

♪ 「日本の歌」のルーツを訪ねて 13 由紀さおり・安田祥子


~由紀さおり・安田祥子 ベスト&ベスト~

赤いくつ          野口雨情・詞/本居長世・曲/坂田晃一・編
赤とんぼ       三木露風・詞/山田耕作・曲/小六禮次郎・編
お正月        東 くめ・詞/滝廉太郎・曲/小六禮次郎・編
早春賦        吉丸一昌・詞/中田 章・曲/小六禮次郎・編
故郷           高野辰之・詞/岡野貞一・曲/坂田晃一・編
夕やけこやけ     中村雨紅・詞/草川 信・曲/坂田晃一・編
叱られて      清水かつら・詞/弘田龍太郎・曲/ 坂田晃一・編
ちいさい秋みつけた サトウ・ハチロー・詞/中田喜直・曲/小六禮次郎・編
月の砂漠      加藤まさを・詞/佐々木すぐる/坂田晃一・編
椰子の実      島崎藤村・詞/大中寅二・曲/美野春樹・編
夏の思い出      江間章子・詞/中田喜直・曲/美野春樹・編
花             武島羽衣・詞/滝廉太郎・曲/美野春樹・編

歌:由紀さおり・安田祥子

CD:EMIミュージック・ジャパン PBB-501

 姉の安田祥子と妹の由紀さおり(安田章子)は、小学生時代、ひばり児童合唱団に所属し、コロムビアより童謡歌手デビューを果たした。以後、コンサート、少女雑誌などで活躍。1982年に姉妹としての活動が始まり、1986年、童謡コンサート「あの時、この歌」がスタートとなった。その後、姉の安田祥子は、クラシック音楽の道を歩み、東京芸術大学を卒業後、ジュリアード音楽院、ロチェスターのイーストマン音楽院で学び、東京芸術大学講師を18年間続けた。一方、妹の由紀さおりは歌謡曲の道に進み、1969年発売の「夜明けのスキャット」が150万枚のミリオンセラーとなり、NHK紅白歌合戦初出場を果たす(以降10年連続出場)。2012年紫綬褒章受章。最近では、ピンク・マルティーニとのコラボレーション「1969」が海外で高く評価された。安田祥子・由紀さおり姉妹はその間、二人揃って童謡および日本の歌を歌い続け、平成11年度の文化庁長官表彰を受賞するなど、童謡および日本の歌での活動が高い評価を受けている。

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2014年5月30日

♪ 「日本の歌」のルーツを訪ねて 12 芹 洋子


~芹 洋子 愛唱歌を歌う~

四季の歌       荒木とよひさ・詩・曲/青木 望・編
坊がつる賛歌    神尾明正・詩/松本政夫・補詩/竹山仙史・曲/青木 望・編
愛の国から幸福へ  岡田富美子・詩/高橋五郎・曲・編
初恋の風車     ちあき哲也・詩/筒美京平・曲/矢野 誠・編
花嫁人形       蕗谷虹児・詩/杉山長谷夫・曲/青木 望・編
知床旅情       森重久弥・詩・曲/若松正司・編
花            武島羽衣・詩/滝廉太郎・曲/高見 弘・編
朧月夜         高野辰之・詩/岡野貞一・曲/青木 望・編
あざみの歌      横井 弘・詩/八州秀章・曲/若松正司・編
赤い靴         野口雨情・詩/本居長世・曲/石川たいめい・編
旅立ちの日に    小嶋 登・詩/橋本浩美・曲/米山拓巳・編
おもいでのアルバム 増子とし・詩/本多鉄磨・曲/高田 弘・編

歌:芹 洋子

CD:キングレコード NKCD 8018

 芹 洋子は、東大阪市出身。抒情歌の歌手として長い人気を維持している。1972年キングレコードから「牧歌~その夏~」でレコードデビュー。1974年「愛の国から幸福へ」がヒット。北海道広尾線「愛国」「幸福駅」の切符がブームとなる。 1976年「四季の歌」がミリオンセラーとなる。1977年「赤い花白い花」がヒットしたのに続き、1978年「坊がつる賛歌」が大ヒット。第28回NHK紅白歌合戦初出場を果たす。1981年日本人歌手では初の日中文化交流音楽大使として中国政府の招聘を受け、北京公演を行う。以降12回に及ぶ中国公演を行っている。1983年幼稚園・保育園で卒園の際に歌われる「おもいでのアルバム」がヒット。1989年「NHK日本の歌ふるさとの歌」の“明日に残す歌100曲”で「四季の歌」と「おもいでのアルバム」の2曲が選ばれる。1992年、交通事故に遭うも、懸命のリハビリで歌手に復帰。その不屈の闘志に賞賛が集まった。

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2014年5月29日

♪ 「日本の歌」のルーツを訪ねて 11 金子みすゞ


~みすゞのうた~

失くなったもの
寒のあめ

夕顔
空の鯉
空いろの花
魚の嫁入り
不思議な港

詩:金子みすゞ

作曲:浜 圭介

編曲:服部隆之

ソプラノ:佐藤しのぶ

テノール:佐野成宏

指揮:佐渡 裕

管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団

録音:2007年2月26日~28日、杉並公会堂

CD:エーベックス・マーケッティング AVCL-25160

 童謡詩人の金子みすゞ(明治36年―昭和5年)は、山口県大津郡仙崎村(現・長門市)に生まれる。大正末期から昭和の初期にかけて、「大漁」「私と小鳥と鈴と」「お魚」「星とたんぽぽ」などの多くの優れた童謡詩を発表。当時、西条八十に「若き童謡詩人の中の巨星」とまで称賛を受けたが、26歳の若さで自ら命を絶った。その夜、階下で母と眠る娘を見入り「可愛い顔して寝とるね」と言って2階へ上がり、そのまま戻らなかった。まくら元には遺書があり、母へ「ふうちゃんのことよろしくお願いします」と書いてあったという。そんなこともあり、天才詩人金子みすゞは、長い間、世間から完全に忘れ去られてしまった存在であった。ところが、児童文学作家であり童謡詩人の矢崎節夫が、金子みすゞの作品を発掘し、1984年(昭和59年)に出版するや、多くの人が金子みすゞの詩の素晴らしさにふれることになった。最近では、東日本大震災の時に、「『遊ぼう』つていうと、『遊ぼう』つていふ。」(「こだまでせうか」)がテレビ放送され、多くの人に生きる勇気と感動を与えたことは、まだ記憶に新しい。これまでも金子みすゞの詩をもとに多くの作曲家が曲を書いているが、このCDは、新たに作曲家の浜 圭介が書き下ろした曲を、今、第一線で活躍している演奏家達が演奏したもの。このCDのライナーノートに浜 圭介は「みすゞさんの思うままに、自由にメロディを書かせてもらいました。生きてる事がこんなにも素晴らしいと思った事はありません」と書き記している。

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