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2015年8月03日

◆第13回「佐川吉男音楽賞」、堺シティオペラ「黄金の国」、同奨励賞、東京オペレッタ劇場「伯爵令嬢 マリツァ」が受賞

 第13回「佐川吉男音楽賞」は、堺シティオペラ「黄金の国」、同奨励賞は、東京オペレッタ劇場「伯爵令嬢 マリツァ」が受賞した。

 贈呈式は、9月16日、東京で行われる。

【佐川吉男音楽賞】
 
 堺シティオペラ 青島広志:オペラ「黄金の国」の公演

 <贈賞理由>

 堺シティオペラは1986年の第1回公演「晶子」以来、大阪府堺市に根を下ろし、関西の声楽家の幅広い起用や海外の歌劇場との提携など、しっかりした企画のもとに安定した公演を重ねてきた。これまでにも数々の受賞歴がある中で、「黄金の国」は演目選定の意義が深いことに加えて上演の水準も高く、佐川吉男音楽賞二度目の受賞となった。青島広志作曲「黄金の国」は、遠藤周作の同名の戯曲に基づいたオペラで、同じく遠藤周作を原作とする松村禎三作曲「沈黙」と話の内容は酷似しつつ微妙な違いがある。両作をあわせて観劇することで理解が一層彫の深いものになることが期待され、久しぶりに上演された意義は大きい。
 
【佐川吉男音楽賞 奨励賞】
 
 東京オペレッタ劇場 カールマーン:オペラ「伯爵令嬢 マリツァ」の公演

 <贈賞理由>
 
 東京はもとより、地方オペラや市民オペラの公演が肥大化している昨今、東京オペレッタ劇場は、小劇場での縮小した形態でオペレッタやオペラの興味深い上演を展開している。過度なお金を使い、不要な演出家のアイデアを珍重する現代に、音楽と演技がしっかりしていれば音楽劇は存分に楽しめるという確信に裏付けられた舞台は、痛快ですらある。オペレッタの創始者オッフェンバックが、パリのブーフ・パリジャンで展開した精神を受け継ぐその姿勢や良し。金銭面をはじめとした制約こそが、様々なアイデアの源泉であるということを東京オペレッタ劇場は思い出させてくれる。

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