クラシック音楽 ニュース


バックナンバー 2024年 3月

2024年3月29日

◆2023年度第50回「日本ショパン協会賞」、亀井聖矢が受賞


 2023年度第50回「日本ショパン協会賞」は、亀井聖矢が受賞した。 

 日本ショパン協会賞は、各年におけるピアノ演奏会で、フレデリック・ショパン作品に特に優れた演奏を示したピアニストに贈られる。

 賞の授与式は、5月28日(火)~6月1日(土)「ショパン・フェスティバル2024 in 表参道」の開催期間中に行われる。

 ピアノの亀井聖矢(2001年生まれ)は、愛知県一宮市出身。愛知県立明和高校音楽科2年生終了後、桐朋学園大学初となる「飛び入学特待生」として同校に入学。2019年第88回「日本音楽コンクール」で第1位、第43回「ピティナ・ピアノコンペティション」特級グランプリを受賞し、若手音楽家の登竜門とも言われる2つのコンクールで史上初の同時優勝を飾った。2022年スペイン・バルセロナで開催された第67回「マリア・カナルス国際ピアノコンクール」第3位、同年第16回「ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール」でセミファイナリスト。同年「ロン=ティボー国際コンクール」でサン=サーンス:ピアノ協奏曲第5番を弾き優勝、および評論家賞、聴衆賞も同時受賞。2023年第32回「出光音楽賞」受賞。2023年度第50回「日本ショパン協会賞」受賞。

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2024年3月29日

◆第55回(2023年度)「サントリー音楽賞」、作曲家の近藤 譲が受賞


 第55回(2023年度)「サントリー音楽賞」は作曲家の近藤 譲が受賞した。贈賞式は2024年5月13日(月)に行われる。

 近藤 譲(1947年生まれ)は、東京都出身。東京藝術大学音楽学部作曲科卒業。1977~78年ロックフェラー3世財団フェローとしてニューヨークに滞在。1979年カナダ・カウンシルの招きでブリティッシュ・コロンビア州ヴィクトリア大学において客員講師を務める。1986年ブリティッシュ・カウンシル・シニア・フェローとしてロンドンに滞在。1987年米国ハートフォードのハート音楽大学コンポーザー・イン・レジデンス。同年及び2000年英国ダーティントン国際サマースクールで講師を、2015年米国ロチェスター大学イーストマン音楽院において特別客員教授を務めた。

 これまでに、ハーヴァード大学、ニューイングランド音楽院、エディンバラ大学、ヨーク大学、ケルン大学、ハンブルク音楽大学、アムステルダム音楽院等、欧米の多くの大学で自作についての講演を行っている。国内においては、エリザベト音楽大学教授、お茶の水女子大学・大学院教授として、また、東京藝術大学でも長年教鞭をとり、現在、昭和音楽大学教授、お茶の水女子大学名誉教授。
 
 1980年には現代音楽アンサンブル「ムジカ・プラクティカ」を結成し活動、1991年の解散まで音楽監督を務めた。国内外の優れた演奏家や演奏団体、音楽機関から委嘱を受け、独奏曲から室内楽、管弦楽、声楽曲、オペラ、そして電子音楽作品まで、広範にわたる作品を発表。180曲近くにのぼる作品のほとんどが英国のヨーク大学出版(UYMP)から、そして一部がニューヨークのピータース社から出版されている。また、多くの作品の録音が、ALM、フォンテック、ドイツ・グラモフォン、HatHut(スイス)、Wergo(ドイツ)等のレーベルからリリースされている。
 

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2024年3月24日

◆名ピアニストのマウリツィオ・ポリーニが死去(享年82歳)


 名ピアニストのマウリツィオ・ポリーニが3月23日、イタリア北部ミラノの自宅で死去した。享年82歳。

 マウリツィオ・ポリーニは、イタリア、ミラノ出身。1957年15歳で「ジュネーブ国際コンクール」第2位。1960年18歳で第6回「ショパン国際ピアノコンクール」審査員全員一致で優勝し、一躍国際的な名声を勝ち取る。その後10年近く、表だった演奏活動から遠ざかる。1968年に演奏活動に復帰。現役では最も高い評価を受けているピアニストの一人であった。演奏の正確さから「精密機械」とも称された。 2014年に完成したポリーニによるベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集は、全集の完成までに39年を要した。そして近年、新たなベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集の再録音に取り組んでいた。1974年に初来日して以降、たびたび日本も訪れていた。2010年高松宮殿下記念世界文化賞(音楽部門)受賞。

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2024年3月13日

◆第33回「出光音楽賞」 、戸澤采紀(ヴァイオリン)、前田妃奈(ヴァイオリン)、務川慧悟(ピアノ)が受賞


 第33回「出光音楽賞」は、戸澤采紀(ヴァイオリン)、前田妃奈(ヴァイオリン)、務川慧悟(ピアノ)の3名が受賞した。

 今後、授賞式と受賞者による「出光音楽賞受賞者ガラコンサート」(日時・会場未定)を開催し、その模様はテレビ朝日系「題名のない音楽会」で放送予定。

                        ◇

 ヴァイオリンの戸澤采紀(2001年生まれ)、東京都文京区出身。第85回「日本音楽コンクール」最年少優勝、「ティボール・ヴァルガ国際ヴァイオリンコンクール」第2位(最高位)、「ポセール財団コンクール」優勝、「ペーターローネフェルト賞コンクール」優勝、「インディアナポリス国際ヴァイオリンコンクール」セミファイナリスト。クフモ室内楽音楽祭オレグ・カガンメモリアルファンドスカラシップ受賞。江副記念リクルート財団第48回奨学生。2019年度東京藝術大学宗次德二特待奨学生。2021年度青山音楽財団奨学生。2023年度ローム ミュージック ファンデーション奨学生。2023年度第33回青山音楽賞新人賞受賞。2022年1月にデビュー盤「戸澤采紀 IN CONCERT」が発売され、レコード芸術にて特選盤を受賞。東京藝術大学入学後、2021年秋に渡独、現在リューベック音楽大学でダニエル・ゼペック氏に師事。これまでにローザンヌ室内管弦楽団、リューベック・フィルハーモニー管弦楽団、NHK交響楽団、読売日本交響楽団、東京都交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、東京日本フィルハーモニー交響楽団など国内外のオーケストラと共演。

 ヴァイオリンの前田妃奈(2002年生まれ)は、大阪府豊中市出身。2022年第16回「ヘンリク・ヴィエニアフスキ国際ヴァイオリンコンクール」で優勝し、国際的に注目を集める。「ヘンリク・ヴィエニアフスキ国際ヴァイオリンコンクール」では、ヴィエニアフスキ・コンチェルト賞、カプリス賞、ソナタ賞、ベートーヴェン・ブラームス作品賞の4つの特別賞を受賞。東京音楽大学付属高等学校を経て、東京音楽大学に特別特待奨学生として在学中。2019年第88回「日本音楽コンクール」第2位及び岩谷賞(聴衆賞)、2020年第18回「東京音楽コンクール」弦楽部門第1位及び聴衆賞受賞。ほかにも「クロスターシェーンタール国際ヴァイオリンコンクール」第1位、「クロンベルクアカデミースカラシップ賞」「霧島国際音楽祭賞」「松方ホール音楽賞奨励賞」など、国内外のコンクール、オーディション、マスタークラスでの受賞多数。2022年から2023年には、東京、大阪をはじめ、世界20カ国、60地域でのリサイタルや各地のオーケストラと共演。令和4年度(2022年度)「大阪文化祭奨励賞」受賞。第25回(2023年度)「ホテルオークラ音楽賞」受賞。

 ピアノの務川慧悟(1993年生まれ)は、愛知県東海市出身。2021年世界三大コンクールの一つである「エリザベート王妃国際音楽コンクール」第3位。2019年フランスで最も権威のある「ロン=ティボー=クレスパン国際コンクール」にて第2位。長い歴史と伝統のある2つの国際コンクールの上位入賞で大きな注目を集め、現在、日本、ヨーロッパを拠点にソロ、オーケストラとの共演、室内楽と幅広く演奏活動を行っている。バロックから現代曲までレパートリーは幅広く、各時代、作曲家それぞれの様式美が追究された演奏、多彩な音色には定評がある。また現代ピアノのみならずフォルテピアノでの奏法の研究にも取り組んでいる。東京藝術大学1年在学中の2012年、第81回日本音楽コンクール第1位受賞を機に本格的な演奏活動を始める。2014年パリ国立高等音楽院に審査員満場一致の首席で合格し渡仏、第3課程ピアノ科(Diplôme d’Artiste Interprète)、室内楽科を修了し、現在は同音楽院フォルテピアノ科に在籍し、研鑽を積んでいる。2022年「ラヴェル:ピアノ作品全集」をリリース。なおこのアルバムは2024年2月にヨーロッパでもリリース。

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2024年3月06日

◆N響のコンサートマスター、篠崎史紀(特別)/郷古 廉(第1)/川崎洋介(ゲスト)の新布陣に


 NHK交響楽団は、2024年4月から下記のコンサートマスター体制で臨む。

   特別コンサートマスター 篠崎史紀

   第1コンサートマスター 郷古 廉

   ゲスト・コンサートマスター 川崎洋介

 1997年4月より「コンサートマスター」、2000年4月より「第1コンサートマスター」を務め、長年N響の顔としての重責を担ってきた篠崎史紀は、引き続き「特別コンサートマスター」 として活動を続ける。

 2022年4月より「ゲスト・アシスタント・コンサートマスター」、2023年4月より「ゲスト・コンサートマスター」を務めた郷古廉は、今後「第1コンサートマスター」として、新しい時代のN響をリードする。

 また、カナダ・オタワのナショナル・アーツ・センター管弦楽団のコンサートマスター、川崎洋介を、新たに「ゲスト・コンサートマスター」として迎えることになった。

 なお、2015年から「コンサートマスター」を務めてきた伊藤亮太郎は、契約期間満了により、2024年3月末で退任する。

                        ◇

 第1コンサートマスターの郷古 廉は、1993年12月2日生まれ。宮城県多賀城市出身。2006年第11回ユーディ・メニューイン青少年国際ヴァイオリンコンクールジュニア部門第1位(史上最年少優勝)。2013年8月ティボール・ヴァルガ国際ヴァイオリン・コンクール優勝ならびに聴衆賞・現代曲賞を受賞。2007年12月のデビュー以来、全国各地のプロ・オーケストラと共演。共演指揮者にはゲルハルト・ボッセ、フランソワ=グザヴィエ・ロト、トゥガン・ソヒエフ、秋山和慶、井上道義、尾高忠明、下野竜也各氏など。これまでに勅使河原真実、ゲルハルト・ボッセ、辰巳明子、パヴェル・ヴェルニコフの各氏に師事。国内外の音楽祭でジャン・ジャック・カントロフ、アナ・チュマチェンコ各氏のマスタークラスを受ける。使用楽器は1682年製アントニオ・ストラディヴァリ(Banat)。個人の所有者の厚意により貸与される。2019年第29回出光音楽賞受賞。2022年4月よりNHK交響楽団ゲスト・アシスタント・コンサートマスターに就任、同年7月に開催された「Music Tomorrow 2022」において、イラン・ヴォルコフ指揮のもと細川俊夫作曲のヴァイオリン協奏曲「ゲネシス〈生成〉」の日本初演で独奏を務めた。2023年4月よりゲスト・コンサートマスターを経て、2024年4月、第1コンサートマスターに就任。

 ゲスト・コンサートマスターの川崎洋介は、ニューヨーク出身。6歳で父・川崎雅夫と五嶋節にヴァイオリンの手ほどきをうける。その後ジュリアード音楽院で学び、ドロシー・ディレイ、ヒョー・カンらに師事。水戸室内管弦楽団、日本センチュリー交響楽団、サイトウ・キネン・オーケストラなどでコンサートマスターを務め、2007年カナダ・オタワのナショナル・アーツ・センター管弦楽団のコンサートマスターに就任し、現在もその地位にある。ソリスト、室内楽奏者としては小澤征爾、ピンカス・ズーカーマン、ヨーヨー・マらと共演し、カーネギー・ホールやコンセルトヘボウの舞台に立った。現在、カルテットAT水戸、トリオ・インクのメンバー。アフィニス音楽祭音楽監督、ブルガリアの「オフ・ザ・ビートゥン音楽祭」芸術顧問も務める。N響で初めてコンサートマスターを担ったのは2023年6月、ジャナンドレア・ノセダ指揮の定期公演。2024年4月、N響ゲスト・コンサートマスターに就任。

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