2023年3月31日
◆第54回(2022年度)サントリー音楽賞、指揮者の井上道義が受賞
第54回(2022年度)「サントリー音楽賞」は指揮者の井上道義が受賞した。
<贈賞理由>
2022年は、ショスタコーヴィチ作品において、スペシャリストならではの充実ぶりをみせた。2月に「交響曲第5番」(読売日本交響楽団)、「第15番」(オーケストラ・アンサンブル金沢)、「第1番」(東京フィルハーモニー交響楽団)、3月には「第8番」(名古屋フィルハーモニー交響楽団)、11月に「第10番」(NHK交響楽団)といった具合。鬼気迫るラインナップではないか。さらに藤倉大の新作「Entwine」(読売日本交響楽団、1月)、クセナキスの「ケクロプス」(東京フィルハーモニー交響楽団、2月)、そして伊福部昭の「シンフォニア・タプカーラ」(NHK交響楽団、11月)など、重量級の作品をこなすとともに、オール・プロコフィエフ・プログラム(兵庫芸術文化センター管弦楽団、4月)、偽作をあえて並べて見せた「モーツァルト+」(神奈川フィルハーモニー管弦楽団、5月)など、凝ったプログラミングも冴えわたっており、さらに年末にはNHK交響楽団とのベートーヴェン「交響曲第9番」で、なんともふくよかで、どこか懐かしい音の大伽藍を築いて見せた。これだけ骨のある活動を継続してきた指揮者は他に見当たらない。
指揮の井上道義(1946年生れ)は、東京都出身。桐朋学園大学で指揮を齋藤秀雄に学ぶ。1971年「グィード・カンテッリ指揮者コンクール」優勝。1983年~1988年 新日本フィルハーモニー交響楽団音楽監督。1990年~1998年 京都市交響楽団音楽監督兼常任指揮者。1998年 フランス政府より芸術文化勲章「シェヴァリエ」を受賞。2007年~2018年オーケストラ・アンサンブル金沢ならびに石川県立音楽堂アーティスティック・アドヴァイザー音楽監督。2014年~2017年大阪フィルハーモニー交響楽団首席指揮者。2016年第24回「渡邉暁雄音楽基金」特別賞、「東燃ゼネラル音楽賞」受賞。第54回(2022年度)「サントリー音楽賞」受賞。2024年で引退することを表明している。
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2023年3月31日
◆第32回「出光音楽賞」、亀井 聖矢(ピアノ)、阪田 知樹(ピアノ)、森野 美咲(ソプラノ)が受賞
第32回「出光音楽賞」は、亀井 聖矢(ピアノ)、阪田 知樹(ピアノ)、森野 美咲(ソプラノ)が受賞した。
今後、授賞式と受賞者による「出光音楽賞受賞者ガラコンサート」(日時・会場未定)を開催し、その模様はテレビ朝日系「題名のない音楽会」で放送予定。
◇
亀井 聖矢(ピアノ/21歳)
2001年12月20日、岐阜県岐阜市生まれ。愛知県立明和高等学校音楽科を経て、飛び入学特待生として桐朋学園大学に入学。現在、桐朋学園大学4年在学中(2023年2月現在)。2021、2022年度公益財団法人ロームミュージックファンデーション奨学生。2022年度公益財団法人江副記念リクルート財団奨学生。2022年「ロン=ティボー国際コンクール」第1位、併せて「聴衆賞」「評論家賞」の2つの特別賞を受賞。4歳よりピアノを始める。2019年第88回「日本音楽コンクール」ピアノ部門第1位、及び聴衆賞受賞。第43回「ピティナ・ピアノコンペティション」特級グランプリ、及び聴衆賞受賞。2022年「マリア・カナルス・バルセロナ国際音楽演奏コンクール」第3位受賞。「ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール」セミファイナリスト。
阪田 知樹(ピアノ/29歳)
1993年12月26日、愛知県名古屋市生まれ。東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校、及び同大学を経て、ハノーファー音楽演劇大学にて学士、修士首席修了、現在同大学院ソリスト課程に在籍。世界的ピアニストを輩出し続ける「コモ湖国際ピアノアカデミー」の最年少生徒として認められて以来、イタリアでも研鑽を積む。パウル・バドゥラ=スコダ氏に10年に亘り師事。作曲を永冨正之、松本日之春の各氏に師事。2021年世界三大音楽コンクールの一つ「エリザベート王妃国際音楽コンクール」ピアノ部門第4位。2016年「フランツ・リスト国際ピアノコンクール(ハンガリー・ブダペスト)」第1位、六つの特別賞。コンクール史上、アジア人男性ピアニスト初優勝の快挙。第14回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールにて弱冠19歳で最年少入賞。イヴァン・モラヴェッツ氏より高く評価され「イヴァン・モラヴェッツ賞」、「ピティナ・ピアノコンペティション」特級グランプリ、聴衆賞等五つの特別賞、「クリーヴランド国際ピアノコンクール」にてモーツァルト演奏における特別賞、「キッシンゲン国際ピアノオリンピック」日本人初となる第1位及び聴衆賞。東京クヮルテットメンバー、ブレンターノ弦楽四重奏団との共演など室内楽奏者としても活躍。2017年「横浜文化賞」文化・芸術奨励賞受賞。
森野 美咲(ソプラノ/34歳)
1988年10月24日、岡山県倉敷市生まれ。ウィーン在住。岡山城東高等学校、東京藝術大学卒業、ウィーン国立音楽大学修士課程首席修了。第27回「ヨハネス・ブラームス国際コンクール」声楽部門にて日本人初優勝、第87回「日本音楽コンクール」声楽部門にて第1位受賞。第56回「ドヴォルザーク国際声楽コンクール」歌曲部門第2位、オペラ部門第3位受賞。これまでにウィーン楽友協会やコンツェルトハウス等で数々のコンサートに出演。2019年ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団夏のアカデミー「偽の女庭師」題名役に抜擢、オーストリアツアーを成功させ、プロ野球オールスター戦開幕式にて甲子園球場で国歌独唱を務めた。2021年エットリンゲン音楽祭「こうもり」アデーレ役、ルツェルン劇場にて現代オペラ「Zolle」を好演。2022年バーデン市立劇場「椿姫」題名役でデビューを飾り、ルツェルン劇場にてデュサパン作曲「ペレラ-煙の男-」に女王及びアローロの娘役で一人二役を好演。ロームミュージックファンデーション奨学生、文化庁新進芸術家海外研修制度研修員。「五島記念文化賞」オペラ新人賞、「岡山芸術文化賞」グランプリ、「マルセンスポーツ文化賞」マルセン文化大賞、「山陽新聞奨励賞」、エネルギア文化・スポーツ財団「エネルギア賞」、「福武教育文化賞」受賞。
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2023年3月08日
◆第21回(2022年度)「齋藤秀雄メモリアル基金賞」、 上野通明(チェロ)と沖澤のどか(指揮)が受賞
第21回(2022年度)「齋藤秀雄メモリアル基金賞」(主催:ソニー音楽財団)は、 チェロ部門が上野通明、指揮部門が沖澤のどかが受賞した。
チェロの上野通明は、パラグアイ生まれ。5歳よりチェロを始め、幼少期をスペインで過ごす。桐朋学園大学ソリスト・ディプロマ・コース全額免除特待生。2009年、13歳で第6回「若い音楽家のためのチャイコフスキー国際音楽コンクール」において日本人初の優勝。2010年第6回「ルーマニア国際音楽コンクール」第1位(最年少)。2012年第10回「東京音楽コンクール」第2位。2014年第21回「ヨハネス・ブラームス国際コンクール」第1位。2015年秋よりデュッセルドルフ音楽大学に留学。2018年第11回「ルトスワフスキ国際チェロコンクール」第2位。2021年「ジュネーブ国際音楽コンクール」チェロ部門で優勝(この部門で日本人が優勝するのは初めて)。2023年第21回「齋藤秀雄メモリアル基金賞」受賞。現在、ドイツ、ルーマニア、スロヴァキア等ヨーロッパ各地においても活発に演奏活動をしている。
指揮の沖澤のどか(1987年生まれ)は、青森県三沢市出身。東京藝術大学音楽学部指揮科首席卒業。卒業時にアカンサス音楽賞、同声会賞を受賞。同大学院音楽研究科指揮専攻修士課程修了。2011~2012年、オーケストラ・アンサンブル金沢指揮研究員。2015年、フェリックス・メンデルスゾーン基金の奨学生に選出。2017年、ダニエレ・ガッティとロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団によるマスタークラスに参加。2018年第18回「東京国際音楽コンクール〈指揮〉」にて、女性として初めて第1位及び特別賞、齋藤秀雄賞を受賞。第7回「ジュネス・ミュジカル・ブカレスト国際指揮者コンクール第3位。第1回「ニース・コートダズール・オペラ指揮コンクール」セミファイナリスト。2019年第56回「ブザンソン国際指揮者コンクール」優勝、同時に聴衆賞及びオーケストラ賞受賞。同年、ハンス・アイスラー音楽大学ベルリン修士課程オーケストラ指揮専攻を修了。2020年よりベルリン・フィルのカラヤン・アカデミーの奨学金を受け、キリル・ペトレンコの助手となる。2022年3月には、急病のペトレンコの代役としてベルリン・フィルを指揮した。2023年第21回「齋藤秀雄メモリアル基金賞」受賞。2023年4月より京都市交響楽団の第14代常任指揮者に就任予定。
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2023年3月02日
◆文化庁令和4年度(第73回)「芸術選奨」、児玉 桃と園田隆一郎が受賞
文化庁の令和4年度(第73回)「芸術選奨」は、児玉 桃と園田隆一郎が受賞した。
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大臣賞 ピアニスト 児玉 桃 「メシアン・プロジェクト2022」の成果
ピアノの児玉 桃は、大阪府出身。13歳の時にパリ音楽院に入学。在学中に「セニガリア国際コンクール」優勝。1987年「エピナール国際ピアノコンクール」優勝。16歳でパリ音楽院を卒業。1991年、19歳の時に「ミュンヘン国際音楽コンクール」で1位なしの第2位。1997年「出光音楽賞」受賞。1999年「第9回テレンス・ジャッド賞」受賞。2002年にトッパンホールで行ったメシアン:「幼子イエスに注ぐ20の眼差し」全曲リサイタルが絶賛された。2003年オクタビアレコードよりCDデビュー。2006年メシアン未発表の作品「ヴァイオリンとピアノのための幻想曲」の世界初演をフランスで果たす。2009年文化庁「芸術選奨新人賞」受賞、「中島健蔵音楽賞」受賞。2012年「佐治敬三賞」受賞。2007年「メシアン国際コンクール」の審査員を務めた。現在パリ在住。
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新人賞 指揮者 園田隆一郎 「泥棒かささぎ」ほかの成果
指揮の園田隆一郎は、東京藝術大学音楽学部指揮科、同大学大学院を修了。その後イタリア、シエナのキジアーナ音楽院にてジャンルイジ・ジェルメッティ氏に師事。2002年より文化庁在外派遣研修員、野村国際文化財団、五島記念文化財団の奨学生としてローマに留学。2004年にシエナ・ロータリークラブ「カルロ・コルシーニ音楽賞」を受賞。2005年第16回「五島記念文化賞」オペラ新人賞を受賞。2017年度第16回「齋藤秀雄メモリアル基金賞」を受賞。2015年4月より藤沢市民オペラ芸術監督。2022年4月よりパシフィックフィルハーモニア東京 指揮者。オペラ、シンフォニー両分野の指揮で活躍する。
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