2026年2月23日
◆米国のピアニスト、ゲイリー・グラフマンが死去(享年97歳)
ピアニストのゲイリー・グラフマンが死去した。享年97歳。
ゲイリー・グラフマン(1928年10月14日―2025年12月27日)は、ロシア系ユダヤ人を両親に、ニューヨーク市に生まれる。7歳でカーティス音楽院に入学。10年後に卒業し、ユージン・オーマンディ指揮するフィラデルフィア管弦楽団と共演して、デビューを果たす。ウラジーミル・ホロヴィッツとルドルフ・ゼルキンのもとで研鑽を積む。20歳になるまでに、アメリカ合衆国の内外でソリストとして名声を馳せ、1948年「レーヴェントリット国際コンクール」優勝(その後同コンクールは「ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール」に発展的解消)。
1980年にカーティス音楽院の教職員に迎えられ、教育活動に着手。長年にわたって音楽に専念・献身してきた功労により、フィラデルフィアやニューヨークなどの都市や、ペンシルベニア州政府などから様々な名誉や、名誉学位を授与されている。
1995年から2005年までカーティス音楽院院長を務めた。教育者としては、ピアノだけでなく、室内楽演奏の指導にも携わっている。有名な門人には、中国出身のラン・ランやユジャ・ワン、中国系アメリカ人のクレア・フアンチ等がいる。グラフマンに師事したことにより、彼らはホロヴィッツの孫弟子という自負を持ち、ホロヴィッツ編曲による「カルメン幻想曲」「星条旗よ永遠なれ」「死の舞踏」「結婚行進曲」等を演奏している。また、グラフマンはヴァイオリニストのヒラリー・ハーンの室内楽の師でもある。
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2026年2月20日
◆ギタリストの山下和仁が死去(享年64歳)
ギタリストの山下和仁が死去した。享年64歳。
山下和仁(1961年3月25日―2026年1月24日)は、長崎市出身。幼い頃から父山下亨にギターを学ぶ。16歳の時に「ラミレス」(スペイン)、「アレッサンドリア国際」(イタリア)、「パリ国際」(フランス)の世界三主要ギター・コンクールにいずれも史上最年少で1位となる。通常のクラシック・ギターのレパートリーのみならず、超絶技巧を駆使したオーケストラ作品の編曲でも知られ、ヴィヴァルディ「四季」(ジャズギタリストであるラリー・コリエルとのデュオ)、ストラヴィンスキー「火の鳥」、ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲、バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータや無伴奏チェロ組曲、リストの「ハンガリー狂詩曲第2番」などをギター独奏に編曲、特にムソルグスキーの「展覧会の絵」(ドイツ・レコード賞受賞)の全曲演奏が知られている。1979年4月、長崎大学工学部材料工学科に入学。専門課程進学時に経済学部へ転籍し、1984年3月卒業。1979年、スペインの日本大使館公邸での天皇誕生日レセプションにエミリア夫人同伴で招待されたアンドレス・セゴビアは、スピーチにて「日本には、パリ国際コンクールに最年少で優勝した、将来が非常に有望な天才少年がいる」と山下を賞賛した。
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2026年2月18日
◆NHK交響楽団 第73回「尾高賞」、我妻 英 作曲「管弦楽のための《祀(まつる)》」が受賞
NHK交響楽団 第73回「尾高賞」は、我妻 英 作曲「管弦楽のための《祀(まつる)》」が受賞した。
NHK交響楽団「尾高賞」は、故・尾高尚忠氏の生前の音楽界に遺した功績を讃えて1952年(昭和27年)に制定され、本年で第73回を迎える。今回は、国内54の音楽団体、音楽大学等に推薦を依頼し、18団体から25曲の推薦があった。
第73回「尾高賞」の贈呈式と受賞作品の演奏は、7月3日(金)東京オペラシティ コンサートホールで開催される「Music Tomorrow 2026」(指揮:杉山洋一)で行われる。
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我妻 英(1999年生まれ)は、山形県山形市出身。東京音楽大学作曲指揮専攻作曲「芸術音楽コース」を経て、同大学院修士課程作曲指揮専攻作曲研究領域芸術研究修了。これまでに作曲を木島由美子、名倉明子、伊左治直、故西村朗、細川俊夫の各氏に師事。「サントリーホールサマーフェスティバル2021」においてマティアス・ピンチャーの公開作曲ワークショップに作品が選出される。2023年にIPDA第23回「国際ピアノデュオコンクール」作曲部門において大賞(第1位)を受賞、受賞曲は翌年の第24回同コンクール演奏部門の本選課題曲となった。2024年から「武生国際音楽祭」作曲ワークショップのアシスタント作曲家を務め、同音楽祭で作品が演奏されている。2025年「武満徹作曲賞」第1位。2026年NHK交響楽団 第73回「尾高賞」受賞。
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2026年2月15日
◆第24回(2025年度)「齋藤秀雄メモリアル基金賞」、山澤 慧(チェロ部門)と熊倉 優(指揮部門)が受賞
第24回(2025年度)「齋藤秀雄メモリアル基金賞」は、山澤 慧(チェロ部門)と熊倉 優(指揮部門)が受賞した。
「齋藤秀雄メモリアル基金賞」は、財団法人ソニー音楽芸術振興会(現・公益財団法人ソニー音楽財団/英文名称:Sony Music Foundation)により、2002年(平成14年)に創設された。同賞は、チェリスト・指揮者・教育者として高名な故・齋藤秀雄(1902-1974)氏に因むもの。
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チェリストの山澤 慧(1987年生まれ)は、東京都町田市出身。東京芸術大学附属高等学校、東京芸術大学を経て、同大学院を修了。卒業時に同声会賞受賞、大学院修了時に大学院アカンサス賞受賞。第11回現代音楽演奏コンクール”競楽XI”第1位、第24回朝日現代音楽賞受賞。音川健二、藤沢俊樹、河野文昭、西谷牧人、鈴木秀美、山崎伸子、M.Kasperに師事。藝大フィルハーモニア管弦楽団首席チェロ奏者、千葉交響楽団契約首席チェロ奏者。これまでに、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団、日本センチュリー交響楽団、東京都交響楽団などと共演。
指揮の熊倉 優(1992年生まれ)は、東京都出身。作曲を16歳より、指揮を大学入学時より始める。桐朋学園大学(作曲専攻)卒業及び同研究科修了。第18回「東京国際音楽コンクール<指揮>」第3位。2016年から2019年まで、NHK交響楽団・首席指揮者パーヴォ・ヤルヴィ氏および同団アシスタントとして定期公演等に携わる。2021年よりドイツに拠点を置き、2021年8月〜2023年7月まで、ハンブルク州立歌劇場にて音楽総監督ケント・ナガノ氏のアシスタントを務める。同劇場では指揮者としても「後宮からの逃走」(抜粋)、「魔笛」などを指揮。2023年5月にハノーファー州立歌劇場にて「ルサルカ」を指揮し、同年8月より同劇場第2カペルマイスターに就任。
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2026年2月15日
◆バッハ演奏の権威として知られたヘルムート・リリングが死去(享年92歳)
ドイツの指揮者でバッハ演奏の権威として知られたヘルムート・リリングが2月11日、死去した。享年92歳。
ヘルムート・リリング(1933年―2026年)は、ドイツ、シュトゥットガルト出身。ヴュルテンベルクのプロテスタントの神学校で早期教育を受ける。1952年から1955年までシュトゥットガルト音楽大学で学校音楽教育、オルガン・作曲・合唱指揮を学ぶ。ローマのバチカンでフェルナンド・ジェルマーニに2年間師事し、シエナのキジアーナ音楽院にも学び、その後彼のオルガンのアシスタントを10年間続ける。
まだ在学中の1954年に、最初の自前の合唱団ゲッヒンガー・カントライを設立する。1957年、シュトゥットガルト記念教会オルガニストならびに楽長として1998年に教会音楽家を定年退職するまで活動。1963年から1966年まで、オルガンや合唱指揮を指導する傍ら、シュパンダウ合唱団を育成した。
1967年にニューヨークでレナード・バーンスタインに師事。同年フランクフルト州立音楽大学の合唱指揮の教授に任命され、1985年まで同校で教鞭を執る。1969年にフランクフルト合唱団の指揮者に就任。1965年からシュトゥットガルト・バッハ・コレギウムを設立。
リリングはバッハの専門家として世界的に知られる。リリングはバッハの合唱曲を全曲録音した最初の人物であり、170点以上にのぼるCDに1000曲以上が収録されている。古典派やロマン派の、管弦楽伴奏つき合唱曲の専門家としても評価が高く、ブラームス作品などのレパートリーもある。
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2026年2月03日
◆第27回「ホテルオークラ音楽賞」、チェロの伊藤悠貴とピアノの阪田知樹が受賞
第27回「ホテルオークラ音楽賞」は、チェロの伊藤悠貴とピアノの阪田知樹が受賞した。
【ホテルオークラ音楽賞 授賞式および記念演奏会】
<開催日時>2026年3月23日(月) 13:00~(開場:12:30)
<場所>オークラ東京 宴会場「平安の間」(オークラ プレステージタワー1階)
同賞は1996年の創業35周年を機に、その年にめざましい活躍を遂げ、さらに将来が嘱望される若手の音楽家支援・育成のための奨励制度として創設された。オークラ東京の社会貢献・芸術文化事業の一環として、2000年以降は毎年授賞式と併せ、記念演奏会を実施している。
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チェロの伊藤悠貴(1989年生まれ)は、東京都出身。1996年、桐朋学園子供のための音楽教室でチェロを始める。2004年に渡英。2015年王立音楽大学を最優秀弦楽器奏者賞を得て全課程を首席で卒業。 16歳でロンドンにてコンチェルト・デビュー。2010年第17回「ブラームス国際コンクール」、2011年第3回「ウィンザー国際弦楽コンクール」において日本人チェロ奏者として初優勝、それをきっかけにロンドンを拠点に本格的に音楽活動を開始。 2013年よりロンドンのナイツブリッジ・フィルハーモニー管弦楽団芸術監督/首席指揮者を務める。2026年第27回「ホテルオークラ音楽賞」受賞。
ピアノの阪田知樹(1993年生まれ)は、愛知県名古屋市出身。東京藝大附属高、東京藝大を経て、ハノーファー音楽演劇大学にて学士、修士首席修了、現在同大学院ソリスト課程に在籍。世界的ピアニストを輩出し続ける「コモ湖国際ピアノアカデミー」の最年少生徒として認められて以来、イタリアでも研鑽を積む。ウィーンの三羽烏パウル・バドゥラ=スコダ氏に10年にわたり師事。2016年「フランツ・リスト国際ピアノコンクール」第1位と6つの特別賞。第14回「ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール」にて弱冠19歳で最年少入賞。2026年第27回「ホテルオークラ音楽賞」受賞。
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