クラシック音楽 ニュース


バックナンバー 2024年 12月

2024年12月15日

◆作曲家の間宮芳生が死去(享年95歳)


 作曲家の間宮芳生が死去した。享年95歳。

 間宮芳生は、北海道旭川市生まれ、青森県青森市育ち。東京音楽学校(現:東京芸術大学)作曲科にて池内友次郎に師事。1953年、外山雄三、林光と共に「山羊の会」を結成する。1970年代、谷川雁が創設したラボ教育センターの物語テープに音楽を提供。1981年「十代の会」の発起人の一人として同会創立に参加。

 受賞歴は次の通り。1950年「チェロ・ソナタ」で第19回日本音楽コンクール作曲部門第3位。1957年「八面の箏と室内管弦楽のための協奏曲」で芸術祭奨励賞受賞。958年「合唱のためのコンポジション」で毎日音楽賞受賞。1959年「ヴァイオリン協奏曲」で毎日芸術賞受賞。1966年、「オーケストラのための2つのタブロー’65」で第14回尾高賞受賞。1971年「ピアノ協奏曲第2番」で第19回尾高賞受賞。1978年「管弦楽のための協奏曲」で第33回芸術祭優秀賞受賞。1992年紫綬褒章受章。1999年勲四等旭日小綬章受章。

 日本各地の囃子詞やアフリカや北欧の民俗音楽、前衛ジャズなど幅広いジャンルの響きからインスピレーションを得て数多くの曲を手がけた。放送用オペラ「鳴神」は、欧州のコンクール「ザルツブルクテレビオペラ賞」でグランプリになり、その後、市川團十郎の演出で舞台上演された。2009年、倉橋由美子の近未来小説が原作のオペラ「ポポイ」を制作し、自らの指揮で上演した。高畑勲監督の映画「火垂るの墓」や大河ドラマ「竜馬がゆく」など、映画やテレビドラマの音楽も数多く手がけた。静岡音楽館AOIの初代芸術監督をつとめ、地方からの文化発信にも尽力した。音楽評論家としても活躍し、朝日新聞で約30年にわたって音楽評を執筆した。

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2024年12月06日

◆藤田真央、2025年ザルツブルク音楽祭にデビュー


 藤田真央がハーゲン弦楽四重奏団とブラームスのピアノ五重奏曲で、2025年のザルツブルク音楽祭へのデビューが決定した。

 日時・会場は、2025年8月26日19時30分、モーツァルテウム大ホール。

                     ◇

 ピアノの藤田真央(1998年生れ)は、東京都出身。小学生の時、「全日本学生音楽コンクール」小学生の部で優勝。この時、審査員を務めた野島稔(1945年―2022年)に後に師事することになる。その後、東京音楽大学で学ぶ。2013年第5回「ロザリオ・マルチアーノ国際ピアノコンクール」日本人初の第1位、併せてワーグナー・ヴェルディ賞を受賞。2015年第1回「若い音楽家のための珠海国際モーツァルトコンクール」ピアノ部門グループBで第1位。2016年第20回「浜松国際ピアノアカデミーコンクール」第1位。2017年第27回「クララ・ハスキル国際ピアノコンクール」第1位、併せて聴衆賞などの3つの特別賞受賞。これは日本人では河村尚子以来、3人目の優勝。2019年第16回「チャイコフスキー国際コンクール」ピアノ部門第2位。2020年第21回「ホテルオークラ音楽賞」、第30回「出光音楽賞」受賞。2021年スイスのヴェルビエ音楽祭に招かれ、モーツァルトのピアノ・ソナタ全曲を演奏し絶賛を博す。2022年、拠点をベルリンに移す。

 ハーゲン弦楽四重奏団は、モーツァルテウム管弦楽団の首席ヴィオラ奏者オスカー・ハーゲンを父に持つ4人の兄弟(ルーカス・ハーゲン、アンゲリカ・ハーゲン、ヴェロニカ・ハーゲン、クレメンス・ハーゲン)によってオーストリア・ザルツブルクで結成された弦楽四重奏団。第2ヴァイオリンはアンゲリカから、アネッテ・ビク、そして現在のライナー・シュミットに交替)。1981年「ロッケンハウス」で審査員賞と観客賞を受賞。その翌年「ポーツマス弦楽四重奏コンクール」で優勝。現在4人はモーツァルテウム音楽大学の教授。

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2024年12月06日

◆篠崎史紀、2025年3月末でN響を退団


 NHK交響楽団は、2025年3月末をもって篠崎史紀が特別コンサートマスターを退任し、N響を退団することになったと発表した。

 篠崎史紀は、1997年4月よりN響の「コンサートマスター」、2000年4月より「第1コンサートマスター」、現在は「特別コンサートマスター」を務めいる。

 退任までに篠崎が出演するN響公演は下記の通り。

【N響主催の定期・特別公演】

ベートーヴェン「第9」演奏会:12/18(水)、19(木)、21(土)、22(日)、24(火)

かんぽ生命 presents N響第九 Special Concert:12/23(月)

2025年 1月定期公演 Cプログラム:1/24(金)、25(土)

【各地の公演】

1/5(日)甲府、2/26(水)市川、27(木)和歌山、3/1(土)高知、2(日)高松、3(月)直方、11(火)すみだトリフォニーホール(錦糸町)

                      ◇   

 ヴァイオリンの篠崎史紀(1963年生まれ)は、福岡県北九州出身。現在、NHK交響楽団の特別コンサートマスターを務める。愛称は“まろ”。1978年常磐高等学校1年の時、第32回「全日本学生音楽コンクール」全国大会高校生の部で第1位。1979年、史上最年少で「北九州市民文化賞」を受賞した。高校卒業後の1981年、ウィーン市立音楽院に留学。1982年、ウィーン・コンツェルトハウス大ホールにてヨーロッパデビューを飾る。留学中、「ヴィオッティ国際音楽コンクール」室内楽部門で第3位、第20回「ボルドー国際音楽祭」で銀賞を受賞。1984年アメリカのワシントン州で開催されたタコマ国際音楽祭においてアメリカ・デビューを果たす。1988年帰国し、群馬交響楽団のコンサートマスターに就任。1991年、読売日本交響楽団のコンサートマスターを経て、1997年、NHK交響楽団のコンサートマスターに就任。以来N響をリードし、数多くの指揮者、団員からの厚い信頼を得ている。2001年「福岡県文化賞」を受賞。2008年北九州市文化大臣に任命される。2014年「有馬賞」受賞。2023年からはNHK交響楽団特別コンサートマスターに就任。このほか、篠崎史紀とN響メンバーによる室内合奏団での活動”MAROワールド ”などにも取り組んでいる。2020年度「ミュージック・ペンクラブ音楽賞」受賞。WHO国際医学アカデミー・ライフハーモニーサイエンス評議会議員。著書:絵本「おんがくは まほう」<絵:村尾亘>(リトルモア刊)、エッセイ「音楽が人智を超える瞬間」(ポプラ社刊)。

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2024年12月05日

◆反田恭平、「ザルツブルグ音楽祭2025」に出演


 ピアニスト・指揮者の反田恭平が、2025年ザルツブルグ音楽祭(7月18日~8月31日)の8月16日・17日の「モーツァルト・マチネ」に、ザルツブルグ・モーツァルテウム管弦楽団との共演で、指揮とピアノで出演する。

 日本人の指揮者として同音楽祭に出演するのは、故小澤征爾以来の快挙となる。

 反田恭平は、2024年5月にモーツァルテウム管弦楽団と共演し、プロオーケストラの指揮者としてデビューを果たしたが、この時のリハーサルを同音楽祭副総裁が聴いたことがきっかけで、今回の大抜擢となったもの。

                     ◇

~「ザルツブルグ音楽祭 2025」 反田恭平 モーツァルト・マチネ~

<日時>2025年8月16日(土) 11:00/8月17日(日) 11:00

<会場>Stiftung Mozarteum in the GroBer Saal

<曲目>モーツァルト:交響曲第32番 ト長調 K.318
           ピアノ協奏曲第9番 変ホ長調 K.271 「ジュノム」
           歌劇「フィガロの結婚」より序曲 K.492
           ピアノ協奏曲第26番 ニ長調 K.537「戴冠式」

<演奏>反田恭平(指揮・ピアノ)、ザルツブルグ・モーツァルテウム管弦楽団

<詳細>https://www.salzburgerfestspielele.at/en/p/mozart-martinee-sorita-2025

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