クラシック音楽 ニュース


2017年1月22日

◆2016年度 (第37回)「音楽クリティック・クラブ賞」、京都市交響楽団(本賞)と幣 隆太朗(奨励賞)が受賞

  2016年度 (第37回) の「音楽クリティック・クラブ賞」は、本賞は京都市交響楽団、奨励賞は幣 隆太朗(コントラバス奏者)が受賞した。

 「音楽クリティック・クラブ賞」は、関西に在住する音楽評論家でつくる「音楽クリティック・クラブ」が主催する音楽賞。関西音楽界の一層の活性化を図ろうと、毎年12月に、直近の1年間に関西圏で開催された演奏会のなかから、最優秀とみとめられたものに「音楽クリティック・クラブ賞」、著しい成長を示し今後の活躍が大いに期待されるものに「音楽クリティック・クラブ賞 奨励賞」を贈っている。

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本 賞  京都市交響楽団

<受賞の理由>

 2016年1月から11月までの全11回の定期演奏会のうち1月、5月、9月を除く8回の定期を聴いたが、指揮者が異なれど、常に作品の姿を魅力的に伝える演奏となっていた。かつてに比べると、オーケストラの機能性、合奏能力などが飛躍的に向上したことは明らかであり、また全楽員のやる気が音に込められていると感じられる。とりわけ3月の第599回 (高関 健指揮、マーラーの交響曲 第6番)、10月の第606回 (エリシュカ指揮、スメタナとドヴォルザークの作品)、11月の第607回 (高関 健指揮、メシアンのトゥーランガリラ交響曲)などは、オーケストラの能力の高さを強く印象付ける優れた演奏であった。そのいずれかを賞の対象にしても良かったのだが、むしろこの1年を通してのオーケストラとしての高い充実度を評価したいと思う。(福本 健 音楽クリティック・クラブ)

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奨励賞  幣 隆太朗(コントラバス奏者)

<受賞の理由>

 2007年からシュトゥットガルト放送交響楽団の団員として、ドイツを拠点に活動をしているコントラバス奏者の幣 隆太朗は、毎年、地元関西でリサイタルを開いている。オリジナル作品と普段はチェロで演奏される作品をプログラムに組み合わせるのはこの楽器でリサイタルを開く通例であるが、今回 幣は、同じ兵庫出身の新進作曲家である薮田翔一への委嘱作品を取り上げたほか、シューベルトの「アルペジオーネ・ソナタ」を後半の曲目に据えるなど、バラエティに富んだ選曲で堂々たる演奏を聴かせた。オーケストラ奏者としての今後の活動を祈念するとともに、コントラバスのソロのレパトリーの開拓と充実した演奏に期待を込めて、ここに奨励賞を贈る。(小味渕彦之 音楽クリティック・クラブ)

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