クラシック音楽 ニュース


2010年11月11日

ヤマハが開発に19年かけたグランドピアノの最上位モデルを発表

 

ヤマハは、5月11日(火)、東京都新宿区の東京オペラシティコンサートホールにて、コンサートグランドピアノの最上位モデル「The CF Series」の記者発表を行った。同社の梅村社長が「偉大な音楽家とのパートナーシップによる19年間の開発の集大成」と同シリーズを紹介した後、世界的なピアニストの清水和音氏によるCFXの演奏が披露された。

 今回受注を開始する「The CF Series」(CFシリーズ)は、「CFIIIS」の後継機種として「世界最高のピアノ」を目指して世に送り出す、ヤマハのピアノ製造技術の粋を集めたコンサートグランドピアノのフラッグシップモデル。
 
 「CFシリーズ」は、木材・金属・音響など各分野の設計者、生産技術者、調律師、世界各地でアーティストサポートを行なう「ヤマハアーティストサービス」のスタッフなど延べ約40人のメンバーが、19年の歳月をかけて開発にあたってきた。仕様がほぼ固まった08年には、世界各地から招聘したトップピアニスト達による「評価会」を実施し、数々のアドバイスを得て仕様をさらに細部で調整、改良を施して製品化に至った。
 
 「CFシリーズ」のコンセプトは“美が響く力”です。幅広い音色と音楽的な歌声である“美”と、比類ない音の鳴りを表す“力”を両立することで、際立った表現力を実現し、アーティストが真に音楽的な演奏を行うことを可能にするコンサートグランドピアノを目指した。また大規模なコンサートホールにおけるフルオーケストラとの共演による協奏曲の演奏などでも、オーケストラの音圧にしっかりと拮抗できる、堂々とした存在感のある音づくりを行った。
 
 同日夜には、指揮小林研一郎氏、ピアノ清水和音氏、東京フィルハーモニー交響楽団による記念コンサートが開かれ、チャイコフスキーピアノ協奏曲第1番が演奏された。このピアノのコンセプトである「美と力」 ― 幅広い音色と音楽的な歌声、比類なき音の鳴り ― が存分に披露され、集まった関係者より高い評価を受けた。

 ジャン=マルク・ルイサダ

 「このピアノの音色が醸し出す空気をとても気に入っています。本当に申し分がないピアノで、とても豊かであり繊細。ピアノと旅に出たいと思うとき必要なものをすべて持ちあわせています。この最高の音、素晴らしい!」

 シプリアン・カツァリス

 「非常に豊かな余韻と、力強い低音をあわせ持ったすばらしいピアノだ。とても敏感で、表情豊かなこのピアノを、私は愛してやみません」

 アレキサンダー・コブリン

 「この音色、力強さ、そして弾きやすさ―すべてが素晴らしく、満足できるピアノです。まるでピアノ全体が鳴っているようで、私の感性をいつも揺り動かしてくれます。これからはどんなステージでも、このピアノを弾くことになるでしょう。それがリサイタルであろうが、コンチェルトであろうが、このピアノはすべてをこなしてくれます」

 マリア・ジョアン・ピリス

 「重厚な低音の響き、力強いフォルテッシモ、そしてデリケートで叙情的な旋律まで表現できるピアノです。繊細なタッチをコントロールできるのは大切で、このピアノなら美しい音色を奏でることもできます。それだけではなく、並外れた力強さをこのピアノは持っている」

      (ヤマハ:10/5/11)

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