クラシック音楽 ニュース


2024年8月14日

◆名チェロ奏者アントニオ・メネセスが死去(享年66歳)


 ブラジル出身の名チェロ奏者アントニオ・メネセスが死去した。享年66歳。

 アントニオ・メネセス(1957年8月23日―2024年8月3日)は、ブラジルのレシフェ出身。10歳からチェロを始め、14歳でリオデジャネイロの交響楽団に入団。

 16歳の時、南米ツアー中の名チェロ奏者アントニオ・ヤニグロ(1918年―1989年)と出会い、ドイツへと渡る。デュッセルドルフのロベルト・シューマン大学、シュトゥットガルト音楽演劇大学でヤニグロの指導を受ける。

 1977年「ミュンヘン国際音楽コンクール」、1982年「チャイコフスキー国際コンクール」で優勝。

 カザルス音楽祭、ザルツブルク音楽祭、プラハの春音楽祭、モーストリー・モーツァルト、ルツェルン音楽祭などの音楽祭に招かれ、1998年からピアノ三重奏団「ボザール・トリオ」のメンバーとなった。

 演奏活動に加え、イタリア・シエーナのキジアーナ音楽院での夏期講習、スイスのベルン大学にて後進の指導にもあたっていた。

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2024年8月10日

◆東京交響楽団 次期音楽監督にロレンツォ・ヴィオッティが就任(2026年4月から3年間)


 東京交響楽団は、ロレンツォ・ヴィオッティを第4代音楽監督として迎えると発表した。任期は2026年4月から3年間。

 ロレンツォ・ヴィオッティは、1990年スイス・ローザンヌ出身で、現在34歳。リヨンでピアノ、歌、打楽器を学び、ウィーンでゲオルク・マルクの指揮者コースに参加。リスト音楽院でニコラ・パスケに指揮を学び、2015年「ザルツブルク音楽祭ネスレヤングコンダクター賞」受賞。「カダケス国際コンクール」「ライプツィヒMDRコンクール」など、数々の権威ある指揮者コンクールで優勝している。2018年から2021年までポルトガル・グルベンキアン管弦楽団の首席指揮者を務めた。2017年にはロンドンで開催された国際オペラ・アワードで「ニューカマー・オブ・ザ・イヤー」を受賞。2018年には新国立劇場オペラで「トスカ」を指揮した。

 ロレンツォ・ヴィオッティは、同世代の指揮者のなかで最もダイナミックな活動が注目されている指揮者。現在、オランダ国立歌劇場及びネーデルラントフィルハーモニー管弦楽団首席指揮者を務める。2023/24年シーズンは、プッチーニ3部作(新演出)の上演や、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団とのドイツ、スイス、スペイン・ツアー、オランダ・フィルハーモニー管弦楽団とのドイツ、ベルギー・ツアーのほか、オランダ国立歌劇場で「ローエングリン」を指揮し、ワーグナー作品に初めて取り組んだ。2024年2月にはスカラ座でダニエレ・アバド演出によるヴェルディ「シモン・ボッカネグラ(新演出)」と、2024年4月にはチューリッヒ歌劇場でのカールマン「チャールダーシュの女王」を指揮した。ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団、シュターツカペレ・ベルリン、クリーブランド管弦楽団など、世界有数のオーケストラと定期的に共演。

 ヴィオッティの東京交響楽団デビューは、2014年7月の「東京オペラシティシリーズ」。これが日本デビューのみならず、自身のプロオーケストラデビューで、且つ代役としての出演である中で、多様な音楽性を見せ、以来、2016年、2019年(2回)、2023年と計5回共演。

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2024年8月05日

◆作曲家の湯浅譲二が死去(享年94歳)


 戦後日本の音楽界リードした作曲家の湯浅譲二が7月21日、肺炎で死去した。享年94歳。
 
 湯浅譲二は、福島県郡山市出身。独学で作曲を始める。慶応大医学部在学中に音楽評論家の秋山邦晴や作曲家の武満徹と出会い、同大中退後、1951年に芸術家集団「実験工房」に参加し、作曲に専念した。

 日本大学藝術学部客員教授、東京音楽大学客員教授、桐朋学園大学特任教授などを経て、カリフォルニア大学サンディエゴ校名誉教授を務めた。

 国際現代音楽協会 (ISCM) 名誉会員。慶應義塾大学アート・センター訪問所員、郡山市名誉市民。
 
 1996年度「サントリー音楽賞」受賞。2014年「文化功労者」。2024年、自作を編曲した「哀歌(エレジィ)」で5回目の「尾高賞」を受賞。

 代表作に「クロノプラスティク」「内触覚的宇宙」シリーズなど。NHK大河ドラマ「元禄太平記」、NHKの「おかあさんといっしょ」、テレビドラマの「コメットさん」「木枯し紋次郎」、伊丹十三監督の映画「お葬式」の音楽も作曲。電子音楽に傑作を残した開祖的存在でもあった。

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2024年7月30日

◆横浜みなとみらいホールの第3代「プロデューサー in レジデンス」に石田泰尚が就任


 横浜みなとみらいホールの「プロデューサー in レジデンス」 第3代プロデューサーに石田泰尚氏が就任する。

 同ホールの「プロデューサー in レジデンス」は、レジデンス・プロデューサーとして、演奏家が企画制作からホールと連携することで、企画性の高い事業の提供を目指す。

 第3代プロデューサーには、気鋭のヴァイオリニストとして各地で活躍し、同ホールにも縁の深い石田泰尚氏が就任し、2025年以降、同ホールは、石田泰尚氏と共に横浜発のオリジナルの事業を届けることにしている。

 プロデューサー就任にあたって 石田泰尚氏より次のようなコメントが寄せられた。「昨年50歳となり演奏家のキャリア的には折り返し地点を過ぎました。今度はお世話になった方々に恩返しをする番だと思い今回の大役をお受けしました。まず取り組みたいのは若い人たちの育成です。それもプロの演奏家を目指すような人たちではなく一般の中学・高校の弦楽合奏部、オーケストラ部を対象にしたクリニックを実施し音楽の楽しさを知ってもらいたいと思います。 もう1つは石田組の組員をフィーチャーした企画です。石田組は今年結成10周年を迎え、毎回本当に素晴らしいプレイヤーが集まってくれています。組員たちをもっと知ってもらうためのリサイタルシリーズなどが出来ればと思います」

 ヴァイオリンの石田泰尚は、神奈川県出身。国立音楽大学を首席で卒業、同時に矢田部賞受賞。 新星日本交響楽団コンサートマスターを経て、2001年神奈川フィルハーモニー管弦楽団ソロ・コンサートマスターに就任。以来“神奈川フィルの顔”となり現在は首席ソロ・コンサートマスターとしてその重責を担っている。これまでに神奈川文化賞未来賞、横浜文化賞文化・芸術奨励賞を受賞。結成時から30年参加する YAMATO String Quartet、自身がプロデュースした弦楽アンサンブル“石田組”など様々なユニットでも独特の輝きを見せる。2018年には石田組がNHK-FM「ベストオブクラシック」および BS プレミアム「クラシック倶楽部」で放送されその熱いステージの模様は大きな反響を呼び、2019年にはEテレ「ららら♪クラシック」で特集が組まれた。2020年 4月より京都市交響楽団特別客演コンサートマスターを兼任。2022年に初の著書となる「音楽家である前に、人間であれ!」を刊行。同年5月~9月にかけてミューザ川崎シンフォニーホールにて無伴奏から協奏曲まで様々な編成で演奏する「石田泰尚スペシャル熱狂の夜」を開催。2024年は「石田泰尚スペシャル熱狂の夜 第2章」、11月10日に石田組で日本武道館公演が予定されている。最新アルバムは 2024年4月にリリースされた『石田組 結成10周年記念 2024・春』。使用楽器は 1690年製 G.Tononi、1726年製 M.Goffriller。

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2024年7月19日

◆「紀尾井ホール」、2025年4月1日に「日本製鉄紀尾井ホール」に名称変更


 日本製鉄は、1995年に音楽文化支援の拠点として「紀尾井ホール」を建設したが、2025年4月1日に設立30周年を迎えるのに合わせ、名称を「日本製鉄紀尾井ホール」へ変更すると発表した。

 「紀尾井ホール」は、利便性の高い都内一等地に立地し、クラシック音楽に最適な洋楽専用ホールと、日本伝統音楽の演奏に適した邦楽専用ホールを有している。

 こまやかな配慮がなされた質の高いコンサートホールとして、国内外の音楽家や多くのファンのから高い評価を受け、2024年1月末で来場者が延べ400万人を超えた。

 「紀尾井ホール」設立30周年を迎える2025年には、ホールの大規模リニューアルも予定しており、これを機に、ホール名称を変更することで音楽文化支援の新たな歴史を築いていく方針。

 日本製鉄は、「公益財団法人日本製鉄文化財団」を通じた「日本製鉄紀尾井ホール」を拠点とする音楽メセナをはじめ、「地域・社会との共生」を、今後も積極的に推進していくことにしている。

【「紀尾井ホール」の概要】

所在地:東京都千代田区紀尾井町6番5号

建物概要:地上7階、地下2階 洋楽ホール:800席、邦楽ホール:250席

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2024年7月03日

◆第20回「ハチャトゥリアン国際コンクール」ヴァイオリン部門で関朋岳が優勝


 アルメニアで行われた第20回「ハチャトゥリアン国際コンクール」のヴァイオリン部門で、関朋岳が第1位(同部門での優勝は日本人初)、荒井里桜が第3位に入賞、併せてシューベルト「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ」のインタープリテーション特別賞を受賞した。

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2024年6月22日

◆ウィーン出身のヴァイオリニストのウェルナー・ヒンクが死去(享年81歳)


 ウィーン出身でウィーン・フィルのコンサートマスター務めたヴァイオリニストのウェルナー・ヒンク(1943年―2024年)が5月21日に死去した。享年81歳。

 ウェルナー・ヒンクウィーンは、音楽アカデミー(現:ウィーン国立音楽大学)で学ぶ。1964年にウィーン国立歌劇場管弦楽団に入団した後、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の第1ヴァイオリン奏者 (1964年) 、同首席奏者 (1968年) を経て、1974年にウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートマスターに就任した。

 室内楽分野においては、ウィーン弦楽四重奏団や新ウィーン八重奏団のリーダーとして、また、ソリストとしても活躍した。1982年からは、ウィーン市立音楽院ヴァイオリン科の教授も務めた。

 日本でも2018年まで22年間「草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティバル」で講師を務め、1991年から2010年まで「パシフィック・ミュージック・フェスティバル札幌(PMF)に参加し、若手演奏家の育成に努めた。

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2024年6月15日

◆音楽之友社、「レコード芸術ONLINE」を9月2日に創刊


 音楽之友社は、9月2日に「レコード芸術ONLINE」を創刊する。

 71年の歴史を持つ月刊「レコード芸術」は、2023年7月号で休刊となったが、2024年春からクラウドファンディングを実施し、このほど目標の金額を達成(目標の113%)したことにより、「レコード芸術ONLINE」を創刊することとなったもの。

「レコード芸術ONLINE」は、月刊「レコード芸術」を継承しつつ、新たなクラシック音楽のオンラインメディアとしてスタートすることになる。

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2024年6月02日

◆「エリザベート王妃国際音楽コンクール」ヴァイオリン部門、吉田 南が第6位入賞


 「エリザベート王妃国際音楽コンクール」ヴァイオリン部門で奈良県出身の吉田 南(25歳)が第6位に入賞した。

 吉田 南は、米ボストンのニューイングランド音楽院の修士課程を修了。2021年「ハノーバー国際バイオリン・コンクール」入賞、2022年米国の「インディアナポリス国際バイオリン・コンクール」第3位の実績を持つ。
 

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2024年5月31日

◆原田慶太楼、米デイトン・フィルハーモニック管弦楽団の音楽・芸術監督に就任


 原田慶太楼は、2025年7月1日より米デイトン・フィルハーモニック管弦楽団 (DPO) の音楽・芸術監督に就任する。

 同楽団の92年の歴史の中で5人目の音楽監督となる原田慶太楼は、今後 オペラ、バレエ、オーケストラの各公演で指揮者を務める。

 デイトン・フィルハーモニック管弦楽団は、アメリカ合衆国オハイオ州デイトン市を拠点とするオーケストラで、1933年に設立された。クラシック音楽の名曲から現代音楽、ポップスまで幅広いレパートリーを持つ。シーズンを通じて様々なテーマのコンサートを開催し、地域の聴衆に多様な音楽体験を提供している。主にデイトンのシュスター・センターで演奏している。同管弦楽団は、その長い歴史と地域社会への貢献により、デイトンの文化的なランドマークとなっている。

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