クラシック音楽 ニュース


2025年3月08日

◆第23回(2024年度)「齋藤秀雄メモリアル基金賞」、チェロ部門が北村 陽、指揮部門が太田 弦が受賞


 第23回(2024年度)「齋藤秀雄メモリアル基金賞」はチェロ部門が北村 陽、指揮部門が太田 弦が受賞した。今回の受賞者はチェロ部門、指揮部門ともに歴代最年少受賞となる。

 チェロの北村 陽(2004年生まれ)は、兵庫県出身。堤剛、山崎伸子各氏に師事。桐朋学園大学ソリスト・ディプロマコースに在籍。2023年よりベルリン芸術大学にてイェンス=ペーター・マインツ氏に師事している。2024年に「エネスク国際コンクール」チェロ部門で日本人初の優勝を果たし注目を集めた。これまでに2017年「若い音楽家のためのチャイコフスキー国際コンクール」優勝、2022年「ハチャトゥリアン国際コンクール」第2位、2023年「ヨハネス・ブラームス国際コンクール」優勝、同年「日本音楽コンクール」チェロ部門優勝、併せて岩谷賞(聴衆賞)、増沢賞、黒栁賞、徳永賞、INPEX賞受賞。2024年「パブロ・カザルス国際賞」優勝。これまで小林研一郎、高関健、大友直人、藤岡幸夫、山田和樹らの指揮により、国内多数の楽団と共演。

 指揮の太田 弦(1994年生れ)は、北海道札幌市出身。東京芸術大学音楽学部指揮科を首席で卒業。学内にて「安宅賞」「同声会賞」「若杉弘メモリアル基金賞」を受賞。2015年第17回「東京国際音楽コンクール〈指揮〉」で第2位ならびに聴衆賞を受賞。2022年「渡邉暁雄音楽基金音楽賞」受賞。指揮を尾高忠明、高関健の両氏、作曲を二橋潤一氏に師事。山田和樹、パーヴォ・ヤルヴィなどの各氏のレッスンを受講する。これまでに読売日本交響楽団、東京交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、札幌交響楽団、群馬交響楽団、名古屋フィルハーモニー交響楽団、大阪フィルハーモニー交響楽団、大阪交響楽団などを指揮。2019年4月から2022年3月まで大阪交響楽団正指揮者を務めた。2023年4月より仙台フィルハーモニー管弦楽団指揮者、2024年4月より九州交響楽団首席指揮者に就任。2024年に「太田弦 九州交響楽団首席指揮者就任記念コンサート」として開催した第420回定期演奏会のライブ録音のCDがオクタヴィア・レコードよりリリース。

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2025年3月05日

◆令和6年度(第75回)芸術選奨、阪哲朗、北村朋幹、広上淳一、片山杜秀が受賞  


 令和6年度(第75回)芸術選奨受賞者が次の通り発表された。

 音楽部門の大臣賞で指揮者の阪哲朗、音楽部門の新人賞でピアニストの北村朋幹、芸術振興部門の大臣賞で指揮者の広上淳一、評論部門の大臣賞で片山杜秀がそれぞれ受賞した。

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2025年2月18日

◆第72回「尾高賞」、権代敦彦作曲「時と永遠を結ぶ絃~ヴァイオリンとオーケストラのための~が受賞


 第72回「尾高賞」は、権代敦彦作曲「時と永遠を結ぶ絃~ヴァイオリンとオーケストラのための~(愛知室内オーケストラ委嘱作品)が受賞した。

 同作品は、2024年2月28日、三井住友海上しらかわホールにおいて、辻 彩奈のヴァイオリンと愛知室内オーケストラによって世界初演される。

 NHK交響楽団「尾高賞」は、故・尾高尚忠氏の生前の音楽界に遺した功績を讃えて1952年(昭和27年)に制定され、今年で第72回を迎える。今回は、国内58の音楽団体、音楽大学等に推薦を依頼し、13団体から26曲の推薦があり、選考委員による慎重審議の結果、授賞作品を決定した。

 なお、第72回「尾高賞」の贈呈式と受賞作品の演奏は、6月26日(木)東京オペラシティ コンサートホールで開催される「Music Tomorrow 2025」(指揮:イェルク・ヴィトマン)で行われる。

                     ◇

 作曲家の権代敦彦(1965年生まれ)は、東京都出身。桐朋学園大学作曲科卒業、同大学研究科修了。DAAD(ドイツ学術交流会/西ドイツ政府)奨学生として、フライブルク音楽大学現代音楽研究所に留学。文化庁派遣芸術家在外研修員としてパリ・IRCAM(フランス国立音響音楽研究所)でコンピュータ音楽を研究、実践。1994年よりイタリアのチッタ・ディ・カステッロ市の芸術奨学金を得て同地にて研修。1985年文化庁舞台芸術創作奨励特別賞、1987年第56回日本音楽コンクール作曲部門第1位、1991年ヴァレンティーノ・ブッキ国際作曲コンクール第1位、1996年芥川作曲賞、1996年出光音楽賞、1999年中島健蔵音楽賞、2002年芸術選奨文部科学大臣新人賞、2016年第64回尾高賞を受賞。

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2025年1月30日

◆NHK交響楽団、2025年4月から長原幸太が第1コンサートマスターに就任


 NHK交響楽団では、2025年4月から長原幸太が新たに第1コンサートマスターに就任し、現・第1コンサートマスターの郷古廉、現・ゲスト・コンサートマスターの川崎洋介とともに、3人体制で臨む。

 篠崎史紀は、2025年3月末をもって特別コンサートマスターを退任し、N響を退団する。

 ヴァイオリンの長原幸太は、広島県呉市出身。5歳よりヴァイオリンを始める。東京藝術大学附属音楽高等学校を経て東京藝術大学入学。在学中、全額スカラシップを受けジュリアード音楽院へ留学。13歳で第6回「ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリン・コンクール」17歳以下の部第3位。17歳で第67回「日本音楽コンクール」最年少優勝、併せてレウカディア賞、鷲見賞、黒栁賞を受賞。12歳で東京交響楽団と共演し、以後国内の主要オーケストラと共演。「ひろしまフェニックス賞」「メイプル賞(広島県教育委員会)」「咲くやこの花賞(大阪市)」「広島文化賞新人賞」「第21回新日鉄音楽賞フレッシュアーティスト賞」など、受賞多数。2004年9月から2006年3月まで大阪フィルハーモニー交響楽団首席客演コンサートマスター、2006年4月から2012年3月まで大阪フィルハーモニー交響楽団首席コンサートマスター、2014年10月から2024年9月まで読売日本交響楽団コンサートマスターを務める。2025年4月からNHK交響楽団第1コンサートマスターに就任。現在、ソリスト、室内楽奏者としても国内外で活躍中。洗足学園大学非常勤講師、各種セミナーの講師を務める等、後進の指導も行う。

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2025年1月27日

◆指揮者の秋山和慶が死去(享年84歳)


 指揮者の秋山和慶が1月26日、肺炎で死去した。享年84歳。

 秋山和慶は、デビュー60周年を迎え、2024年12月31日の演奏会で指揮を執った。その翌日の2025年1月1日、自宅で転倒して、頸髄損傷の大けがを負い、1月23日に指揮者引退を発表していた。

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2025年1月23日

◆指揮者の秋山和慶、引退を発表


 指揮者の秋山和慶(84歳)が1月23日、指揮者を引退することを発表した。

 1月1日に自宅で転倒し、手足に後遺症が残っており、現在入院中。

 指揮の秋山和慶(1941年生れ)は、桐朋学園大学音楽学部で学ぶ。1964年東京交響楽団を指揮してデビュー。バンクーバー交響楽団音楽監督(現在桂冠指揮者)、アメリカ交響楽団音楽監督、シラキューズ交響楽団音楽監督(現在名誉指揮者)を歴任。日本では、東京交響楽団音楽監督・常任指揮者、大阪フィルハーモニー交響楽団首席指揮者、札幌交響楽団ミュージック・アドバイザー・首席指揮者を歴任。現在は、東京交響楽団桂冠指揮者、広島交響楽団音楽監督・常任指揮者(現・終身名誉指揮者)、九州交響楽団桂冠指揮者、中部フィルハーモニー交響楽団芸術監督・首席指揮者。 第6回「サントリー音楽賞」(1974年)、「モービル音楽賞」(1996年東京交響楽団と受賞)、「紫綬褒章」(2001年11月)、「旭日小綬章」(2011年6月)、「文化功労者」(2014年)など受賞(受章)。

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2025年1月22日

◆ピアニストで作曲家の藤井一興が死去(享年70歳)


 ピアニストで作曲家の藤井一興が死去した。享年70歳。

 藤井一興(1955年―2025年)は、東京都出身。東京芸術大学3年在学中、フランス政府給費留学生として渡仏。パリ国立高等音楽院にて作曲科、ピアノ伴奏科ともに1等賞で卒業。パリ・エコール・ノルマルにてピアノ科を高等演奏家資格第1位で卒業。その間、作曲をオリヴィエ・メシアン、ピアノをイヴォンヌ・ロリオ、マリア・クルチォ、ピアノ伴奏をアンリエット・ピュイグ=ロジェに師事。

 世界各地、日本国内にてリサイタル、室内楽、コンチェルトのほか、フランス国営放送局を始めとするヨーロッパ各地の放送局や日本のNHKなどで多くの録音、録画と幅広い活動を行った。レコード・CDでは世界で二例目にあたるメシアンのニワムシクイのLPやイゴール・マルケヴィッチ作品集LP、武満徹作品集CDなどを録音。

 また、作曲家としてもフランス文化省から委嘱を受け、その作品が演奏会や国際フェスティバルで演奏・録音されている。世界初のフォーレのピアノ全集の校訂を担当し、全巻を春秋社より出版。東邦音楽大学大学院大学特任教授、東邦音楽総合芸術研究所特任教授、東京芸術大学、桐朋学園大学各講師を務めた。

 1976年「ラ・ロシェル国際現代音楽オリヴィエ・メシアン・コンクール」第2位、1979年パリの「ブラジル・ピアノ曲コンクール」第1位、1980年「クロード・カーン国際ピアノコンクール第1位」、1980年 – リナ・サラ・ガッロ・モンツァ国際ピアノコンクール第1位、1981年「マリア・カナルス・バルセロナ国際音楽演奏コンクール」ピアノ部門第2位、及びスペイン音楽賞、1982年 – 第10回「京都音楽賞」実践部門賞受賞。

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2024年12月15日

◆作曲家の間宮芳生が死去(享年95歳)


 作曲家の間宮芳生が死去した。享年95歳。

 間宮芳生は、北海道旭川市生まれ、青森県青森市育ち。東京音楽学校(現:東京芸術大学)作曲科にて池内友次郎に師事。1953年、外山雄三、林光と共に「山羊の会」を結成する。1970年代、谷川雁が創設したラボ教育センターの物語テープに音楽を提供。1981年「十代の会」の発起人の一人として同会創立に参加。

 受賞歴は次の通り。1950年「チェロ・ソナタ」で第19回日本音楽コンクール作曲部門第3位。1957年「八面の箏と室内管弦楽のための協奏曲」で芸術祭奨励賞受賞。958年「合唱のためのコンポジション」で毎日音楽賞受賞。1959年「ヴァイオリン協奏曲」で毎日芸術賞受賞。1966年、「オーケストラのための2つのタブロー’65」で第14回尾高賞受賞。1971年「ピアノ協奏曲第2番」で第19回尾高賞受賞。1978年「管弦楽のための協奏曲」で第33回芸術祭優秀賞受賞。1992年紫綬褒章受章。1999年勲四等旭日小綬章受章。

 日本各地の囃子詞やアフリカや北欧の民俗音楽、前衛ジャズなど幅広いジャンルの響きからインスピレーションを得て数多くの曲を手がけた。放送用オペラ「鳴神」は、欧州のコンクール「ザルツブルクテレビオペラ賞」でグランプリになり、その後、市川團十郎の演出で舞台上演された。2009年、倉橋由美子の近未来小説が原作のオペラ「ポポイ」を制作し、自らの指揮で上演した。高畑勲監督の映画「火垂るの墓」や大河ドラマ「竜馬がゆく」など、映画やテレビドラマの音楽も数多く手がけた。静岡音楽館AOIの初代芸術監督をつとめ、地方からの文化発信にも尽力した。音楽評論家としても活躍し、朝日新聞で約30年にわたって音楽評を執筆した。

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2024年12月06日

◆藤田真央、2025年ザルツブルク音楽祭にデビュー


 藤田真央がハーゲン弦楽四重奏団とブラームスのピアノ五重奏曲で、2025年のザルツブルク音楽祭へのデビューが決定した。

 日時・会場は、2025年8月26日19時30分、モーツァルテウム大ホール。

                     ◇

 ピアノの藤田真央(1998年生れ)は、東京都出身。小学生の時、「全日本学生音楽コンクール」小学生の部で優勝。この時、審査員を務めた野島稔(1945年―2022年)に後に師事することになる。その後、東京音楽大学で学ぶ。2013年第5回「ロザリオ・マルチアーノ国際ピアノコンクール」日本人初の第1位、併せてワーグナー・ヴェルディ賞を受賞。2015年第1回「若い音楽家のための珠海国際モーツァルトコンクール」ピアノ部門グループBで第1位。2016年第20回「浜松国際ピアノアカデミーコンクール」第1位。2017年第27回「クララ・ハスキル国際ピアノコンクール」第1位、併せて聴衆賞などの3つの特別賞受賞。これは日本人では河村尚子以来、3人目の優勝。2019年第16回「チャイコフスキー国際コンクール」ピアノ部門第2位。2020年第21回「ホテルオークラ音楽賞」、第30回「出光音楽賞」受賞。2021年スイスのヴェルビエ音楽祭に招かれ、モーツァルトのピアノ・ソナタ全曲を演奏し絶賛を博す。2022年、拠点をベルリンに移す。

 ハーゲン弦楽四重奏団は、モーツァルテウム管弦楽団の首席ヴィオラ奏者オスカー・ハーゲンを父に持つ4人の兄弟(ルーカス・ハーゲン、アンゲリカ・ハーゲン、ヴェロニカ・ハーゲン、クレメンス・ハーゲン)によってオーストリア・ザルツブルクで結成された弦楽四重奏団。第2ヴァイオリンはアンゲリカから、アネッテ・ビク、そして現在のライナー・シュミットに交替)。1981年「ロッケンハウス」で審査員賞と観客賞を受賞。その翌年「ポーツマス弦楽四重奏コンクール」で優勝。現在4人はモーツァルテウム音楽大学の教授。

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2024年12月06日

◆篠崎史紀、2025年3月末でN響を退団


 NHK交響楽団は、2025年3月末をもって篠崎史紀が特別コンサートマスターを退任し、N響を退団することになったと発表した。

 篠崎史紀は、1997年4月よりN響の「コンサートマスター」、2000年4月より「第1コンサートマスター」、現在は「特別コンサートマスター」を務めいる。

 退任までに篠崎が出演するN響公演は下記の通り。

【N響主催の定期・特別公演】

ベートーヴェン「第9」演奏会:12/18(水)、19(木)、21(土)、22(日)、24(火)

かんぽ生命 presents N響第九 Special Concert:12/23(月)

2025年 1月定期公演 Cプログラム:1/24(金)、25(土)

【各地の公演】

1/5(日)甲府、2/26(水)市川、27(木)和歌山、3/1(土)高知、2(日)高松、3(月)直方、11(火)すみだトリフォニーホール(錦糸町)

                      ◇   

 ヴァイオリンの篠崎史紀(1963年生まれ)は、福岡県北九州出身。現在、NHK交響楽団の特別コンサートマスターを務める。愛称は“まろ”。1978年常磐高等学校1年の時、第32回「全日本学生音楽コンクール」全国大会高校生の部で第1位。1979年、史上最年少で「北九州市民文化賞」を受賞した。高校卒業後の1981年、ウィーン市立音楽院に留学。1982年、ウィーン・コンツェルトハウス大ホールにてヨーロッパデビューを飾る。留学中、「ヴィオッティ国際音楽コンクール」室内楽部門で第3位、第20回「ボルドー国際音楽祭」で銀賞を受賞。1984年アメリカのワシントン州で開催されたタコマ国際音楽祭においてアメリカ・デビューを果たす。1988年帰国し、群馬交響楽団のコンサートマスターに就任。1991年、読売日本交響楽団のコンサートマスターを経て、1997年、NHK交響楽団のコンサートマスターに就任。以来N響をリードし、数多くの指揮者、団員からの厚い信頼を得ている。2001年「福岡県文化賞」を受賞。2008年北九州市文化大臣に任命される。2014年「有馬賞」受賞。2023年からはNHK交響楽団特別コンサートマスターに就任。このほか、篠崎史紀とN響メンバーによる室内合奏団での活動”MAROワールド ”などにも取り組んでいる。2020年度「ミュージック・ペンクラブ音楽賞」受賞。WHO国際医学アカデミー・ライフハーモニーサイエンス評議会議員。著書:絵本「おんがくは まほう」<絵:村尾亘>(リトルモア刊)、エッセイ「音楽が人智を超える瞬間」(ポプラ社刊)。

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