クラシック音楽 ニュース


バックナンバー 2015年 2月

2015年2月18日

◆生誕100年記念「リヒテルに捧ぐⅠ~Ⅳ」演奏会開催


 「東京・春・音楽祭―東京のオペラの森―」は、3月12日(木)~4月12日(日)、東京文化会館などを会場に開催されるが、今年生誕100年を迎える名ピアニストのスビャトスラフ・リヒテルを偲んで、「リヒテルに捧ぐⅠ~Ⅳ」演奏会が行われる。同時にトーク・イベント、フィルム上映会等も開催されることになっている。

 
<リヒテルに捧ぐⅠ ~リヒテルが愛したプーランク&モーツァルト~>

 プーランク自身により初演された「オーバード(朝の歌)」は、彼が抱えた愛や葛藤を表現した作品。晩年のリヒテルはこの曲の再演を切望したが叶わず、長年リヒテルと共演を重ねてきたベルリンスカヤがその想いを受継ぎ、今、蘇らせる。

■日時・会場
3月21日(土・祝)16:00開演(15:30開場)
東京藝術大学奏楽堂(大学構内)

■出演
指揮:ヴァハン・マルディロシアン
ピアノ:リュドミラ・ベルリンスカヤ
ピアノ:アルチュール・アンセル
管弦楽:トウキョウ・モーツァルトプレーヤーズ
振付・舞踊:ドミトリー・アンティポフ
舞踊:ヤロスラヴァ・ナグマノヴァ

■曲目
モーツァルト:2台ピアノのための協奏曲 変ホ長調 K.365
モーツァルト:ディヴェルティメント ニ長調 K.136
モーツァルト:ピアノ協奏曲 第17番 ト長調 K.453
プーランク:ピアノと18の楽器のための舞踊協奏曲 「オーバード」

<リヒテルに捧ぐII ~シューベルト 後期3大ピアノ・ソナタ~>

 リヒテルとのデュオで世界の注目を集め、今もなお本国ロシア、欧州で多くの音楽家から尊敬を集めるレオンスカヤ。リヒテル生誕100年の年に満を持して32年ぶりのソロ・リサイタルが実現。円熟の音楽家が贈る深淵なるシューベルトの世界。

■日時・会場
3月28日(土) 午後6時
東京文化会館 小ホール

■出演
ピアノ:エリーザベト・レオンスカヤ

■曲目
シューベルト:
ピアノ・ソナタ 第19番 ハ短調 D.958
ピアノ・ソナタ 第20番 イ長調 D.959
ピアノ・ソナタ 第21番 変ロ長調 D.960

<リヒテルに捧ぐⅢ ~ 「24の前奏曲」シリーズ vol.1 ショスタコーヴィチ~>  

 20世紀のニコラーエワ、21世紀のメルニコフ―名盤の歴史を書き換えた衝撃の録音から6年。リヒテルの秘蔵っ子から若い巨匠へと成長したメルニコフによるショスタコーヴィチ前奏曲全曲演奏会が再び。

■日時・会場
3月29日(日) 午後3時
東京文化会館 小ホール

■出演
ピアノ:アレクサンドル・メルニコフ

■曲目
ショスタコーヴィチ:24の前奏曲とフーガop.87

<リヒテルに捧ぐⅣ ~ボロディン弦楽四重奏団 with エリーザベト・レオンスカヤ~>

 その生涯で何度も取り組んだシューマンとショスタコーヴィチ。リヒテルと共に活動を続け、数々の名演を残してきたボロディン弦楽四重奏団とレオンスカヤがリヒテルへの深い想いを捧げる一夜。

■日時・会場
4月2日(木) 午後7時
東京文化会館 小ホール

■出演
ボロディン弦楽四重奏団
 
第1ヴァイオリン:ルーべン・アハロニアン
第2ヴァイオリン:セルゲイ・ロモフスキー
ヴィオラ:イゴール・ナイディン
チェロ:ウラディーミル・バルシン

ピアノ:エリーザベト・レオンスカヤ

■曲目
シューベルト:弦楽四重奏曲 第12番 ハ短調 D.703「四重奏断章」
シューマン:ピアノ五重奏曲 変ホ長調 op.44
ショスタコーヴィチ:ピアノ五重奏曲 ト短調 op.57

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2015年2月16日

◆東京音楽コンクール、コントラバス(弦楽部門)とテューバ(金管部門)を新設 


 東京音楽コンクールは、第13回(2015年)より、コントラバス(弦楽部門)とテューバ(金管部門)を新設する。

 さらに、参加者の国籍・居住地不問、外国人審査員の参加(第2次予選以降)、音源審査の廃止、本選出場者枠の拡大(4~6名に)などの変更が行われる。

 応募受付期間:2015年5月1日(金)~5月13日(水)(必着・送付受付のみ)

<弦楽部門>
楽器:ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス(新設)
対象:15~30歳
第1次予選:7月4日(土)・5日(日)・8日(水)
第2次予選:8月24日(月)
本選:8月30日(日) 指揮:大井剛史 管弦楽:東京交響楽団

<木管部門>
楽器:フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット
対象:18~30歳
第1次予選:6月29日(月)~7月1日(水)
第2次予選:8月21日(金)
本選:8月26日(水) 指揮:梅田俊明 管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団

<声楽部門>
声種:ソプラノ、メゾ・ソプラノ、アルト、カウンターテナー、テノール、バリトン、バス
対象:20~35歳
第1次予選:7月2日(木)・3日(金)
第2次予選:8月22日(土)
本選:8月28日(金) 指揮:園田隆一郎 管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

<会場>
第1次予選・第2次予選:東京文化会館 小ホール
本選:東京文化会館 大ホール

<部門>
第13回より3部門での開催とする。ピアノ、弦楽、声楽部門はそれぞれ3年に2回開催、木管、金管部門はこれまでどおり隔年開催。 第14回はピアノ部門、金管部門(テューバを新設)、声楽部門を開催する。

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2015年2月14日

◆「熱狂の日音楽祭2015」のテーマは「PASSION(パシオン) 恋と祈りといのちの音楽」


 「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン『熱狂の日』音楽祭2015」は、5月2日(土)・3日(日・祝)・4日(月・祝)の会期で、東京国際フォーラム、よみうりホール、大手町・丸の内・有楽町エリアおいて開催されるが、このほど今年のテーマが「PASSION(パシオン) 恋と祈りといのちの音楽」と発表された。

 パシオンとは、魂の奥底からあふれ出る強い感情のこと。PASSIONといえば、私たちはまず「情熱」といった意味合いを思い浮かべるが、この言葉はキリストの受難を題材とした曲のことも指すという。だから、バッハのマタイ受難曲のような作品も、ベートーヴェンの「熱情」も、ともに「パシオン」の範疇に含まれる。

 これまでは特定の作曲家や時代をテーマにしてきたが、今回は「パシオン」という抽象的なテーマになった。

 今回は過去5世紀にわたる音楽の歴史のなかから、祈りのパシオン、恋のパシオン、いのちのパシオンの3つをテーマに、400曲が演奏されることになっている。

 ルネサンスやバロック期の音楽から、ロマン派、現代音楽まで、さらにはそれらのルーツといえる民俗音楽も対象にしている。

 具体的な作曲家や曲名は、モンテヴェルディのマドリガーレ、バッハの受難曲、ベートーヴェンの「熱情」「月光」、ベルリオーズの幻想交響曲、シェーンベルクの「清められた夜」、プーランクの「人間の声」など。

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2015年2月11日

◆注目の若き俊英アンドレア・バッティストーニ、4月から東京フィルの首席客演指揮者に就任


 国際的に頭角を現している若き指揮者の一人 アンドレア・バッティストーニ(1987年イタリア・ヴェローナ生まれ)が、2015年4月から東京フィルハーモニー交響楽団の首席客演指揮者に就任する。

 2011年パルマ歌劇場首席客演指揮者、2013年ジェノヴァ・カルロ・フェリーチェ歌劇場首席客演指揮者に就任するなど、国際的に活動の範囲を拡大している。

 日本でも、東京フィル定期公演として、2013年のレスピーギ「ローマ三部作」、2014年1月のマーラー:交響曲第1番「巨人」など実績を築いてきている。

 2013年のレスピーギ「ローマ三部作」は、レコード芸術誌2月号の「第39回リーダーズ・チョイス~読者が選んだ2014年ベスト・ディスク」において第2位を獲得している。

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2015年2月09日

◆第63回「尾高賞」、藤倉 大作曲「Rare Gravity for orchestra(2013)」に決定


 NHK交響楽団の第63回「尾高賞」は、藤倉 大作曲「Rare Gravity for orchestra(2013)」(スイス・ロマンド管弦楽団委嘱)に決定した。

 今回は、国内53の音楽団体、音楽大学等に推薦を依頼し、10団体から15曲の推薦を受けた後、選考委員による慎重審議を行った。

 なお、第63回「尾高賞」授賞作品は、6月23日(火)午後7時から東京オペラシティコンサートホールで開催される「Music Tomorrow 2015」(指揮:パスカル・ロフェ)で演奏されることになっている。

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2015年2月09日

◆中村紘子、演奏活動を一時休止


 ピアニストの中村紘子は、初期の大腸癌のため、2月1日から3月1日まで予定されていた演奏活動を休止した。

 今後は経過をみながら、治療期間や演奏活動の再開について検討することにしている。

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2015年2月08日

◆山田和樹&日本フィルハーモニー交響楽団のマーラー交響曲全曲演奏会「マーラー・ツィクルス」がいよいよスタート


 注目の若手指揮者の山田和樹と、山田が正指揮者を務める日本フィルハーモニー交響楽団のコンビで、マーラーの交響曲全曲演奏会「マーラー・ツィクルス」がいよいよスタートした。これは、2015年1月から3年間にわたりBunkamuraオーチャードホールにおいて行われるもの。

 これまで日本のオーケストラが取り組んだマーラー全曲演奏会としては、若杉弘&都響による「サントリーホール・マーラー・シリーズ」や「インバル=都響・新マーラー・ツィクルス」などが挙げられる。

 若杉弘&都響による「サントリーホール・マーラー・シリーズ」は、マーラー演奏の前にシェーンベルク、ベルク、ヴェーベルン、ツェムリンスキーなどの管弦楽曲が演奏され話題となった。

 今回の山田和樹&日本フィルの「マーラー・ツィクルスでは、2015年に生誕85年、2016年に没後20年を迎える武満徹の作品がマーラーの前に毎回演奏されるのが特徴。

~山田和樹&日本フィルハーモニー交響楽団 マーラー・ツィクルス~

指揮:山田和樹

管弦楽:日本フィルハーモニー交響楽団

会場:Bunkamuraオーチャードホール

<第1期 創世>

第1回 2015年1月24日(土)15:00

武満 徹:オリオンとプレアデス(チェロ:菊地知也)
マーラー:交響曲 第1番 ニ長調「巨人」(ハンブルク稿)

第2回 2015年 2月22日(日)15:00

武満 徹:混声合唱のための「うた」より(合唱:東京混声合唱団、武蔵野合唱団)
       小さな部屋で/〇と△の歌/恋のかくれんぼ/死んだ男の残したものは/小さな空
マーラー:交響曲 第2番 ハ短調「復活」(ソプラノ:林正子/アルト:清水華澄)

第3回 2015年2月28日(土)15:00

武満 徹:3つの映画音楽 訓練と休息の音楽「ホゼー・トレス」より
     葬送の音楽:「黒い雨」より
     ワルツ:「他人の顔」より
マーラー:交響曲 第3番 ニ短調(アルト:山下牧子/合唱:栗友会合唱団、杉並児童合唱団)

<第2期 深化>

第4回 2016年1月30日(土)

武満 徹:系図
マーラー:交響曲 第4番 ト長調(ソプラノ:小林沙羅)

第5回 2016年2月27日(土)

武満 徹:ア・ストリング・アラウンド・オータム(ヴィオラ:赤坂智子)
マーラー:交響曲 第5番 嬰ハ短調

第6回 2016年3月26日(土)

武満 徹:ノスタルジア(ヴァイオリン:扇谷泰朋)
マーラー:交響曲 第6番 イ短調「悲劇的」

<第3期 昇華>

第7回 2017年5月14日(日)

武満 徹:夢の時
マーラー:交響曲 第7番 ホ短調「夜の歌」

第8回 2017年6月4日(日)

武満 徹:星・島(スター・アイル)
マーラー:交響曲 第8番 変ホ長調「千人の交響曲」(合唱:栗友会合唱団、武蔵野合唱団他)

第9回 2017年6月25日(日)

武満 徹:弦楽のためのレクイエム
マーラー:交響曲 第9番 ニ長調

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2015年2月03日

◆関西フィル、今年の5月~6月、ヨーロッパ公演ツアー開催


 関西フィルハーモニー管弦楽団は、2015年に楽団発足から45周年を迎えるが、このほどヨーロッパ3ヵ国5都市を巡る、「関西から世界へ!」というヨーロッパ公演ツアーの開催を決定した。

 関西フィルは、2011年より世界的ヴァイオリニストのオーギュスタン・デュメイを音楽監督に迎え、首席指揮者・藤岡幸夫氏、桂冠名誉指揮者・飯守泰次郎氏とともに意欲的なプログラムに取り組んでいる。

 デュメイ氏の在任期間中に、関西フィル創設以来初の海外公演を実現させるべく計画してきたが、このほど開催が決定した。

 なお、渡航には多額の費用が必要なため、寄付の募集(法人1口:30万円、個人1口:1万円)を行っている。

【公演予定】

指揮およびヴァイオリン独奏:オーギュスタン・デュメイ

管弦楽団:関西フィルハーモニー管弦楽団

5月29日(金) マルティーニ(スイス)/ピエール・ジアナダ財団美術館内

<プログラムA>
グリンカ:「ルスランとリュドミラ」序曲
ショーソン:詩曲
ラヴェル:ツィガーヌ
ブラームス:交響曲第4番

5月30日(土) デュッセルドルフ(ドイツ)/トーンハレ(デュッセルドルフ市運営ホール)
 

<プログラムB>
モーツァルト:交響曲第29番
細川俊夫:月夜の蓮―モーツァルトへのオマージュ―
       [ピアノ:児玉桃(5月30日)、広瀬悦子(6月4日)]
ラヴェル:ツィガーヌ
マスネ:タイスの瞑想曲
ブラームス:ハンガリー舞曲第2番&第5番

6月1日(月) ベルガモ(イタリア)/ドニゼッティ劇場

<プログラムC>
ショーソン:詩曲
ブラームス:ハンガリー舞曲第2番&第5番
ラヴェル:ツィガーヌ
ブラームス:交響曲第4番

6月2日(火) ブレシア(イタリア)/ブレシア・グランデ劇場
 

<プログラムC>

6月4日(木) ヴュルツブルグ(ドイツ)/レジデンツ(王宮)
 

<プログラムB>

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2015年2月02日

◆アルド・チッコリーニが死去(享年89歳)


 名ピアニストのアルド・チッコリーニが死去した。享年89歳。

 アルド・チッコリーニは、イタリア・ナポリ生まれ。1949年、ロン・ティボー国際コンクールで優勝。パリ国立高等音楽院で教え、多くの優れたピアニストを育てた。

 日本へも80歳を過ぎてからもたびたび来日。最後の来日公演は2014年6月であった。

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