クラシック音楽 ニュース


2023年10月05日

◆久石譲、2025年4月から日本センチュリー交響楽団音楽監督に就任


 日本センチュリー交響楽団は、スタジオジブリの映画音楽で知られる作曲家の久石譲が、2025年4月から音楽監督に就任すると発表した。

 久石譲がプロの常設オーケストラの音楽監督に就任するのは初めて。

 作曲・指揮の久石 譲(1950年生まれ)は、長野県出身。国立音楽大学在学中より現代音楽の作曲家として出発。1984年の映画「風の谷のナウシカ」以降、「風立ちぬ」まで宮崎駿監督の10作品の音楽を担当。その他、北野武監督「HANA-BI」、滝田洋二郎監督「おくりびと」、李相日監督「悪人」、山田洋次監督「東京家族」、高畑勲監督「かぐや姫の物語」など国内外の数々の映画音楽を手掛ける。2001年、映画監督として初メガホンをとり「Quartet カルテット」を製作、音楽・共同脚本も手掛け、日本初の音楽映画としてモントリオール映画祭のワールドシネマ部門正式招待作品に選ばれた。演奏活動においては、ピアノソロやオーケストラなど様々なスタイルを披露。近年は指揮者としても活動中。国立音楽大学招聘教授。受賞(章)は、2009年紫綬褒章、2011年第34回日本アカデミー賞 最優秀音楽賞(「悪人」)、2014年第37回日本アカデミー賞 最優秀音楽賞(「風立ちぬ」)、2002年第30回アニー賞 音楽賞(「千と千尋の神隠し」)、2009年第3回アジア・フィルム・アワード 作曲賞(「崖の上のポニョ」)、2014年第16回国際映画音楽批評家協会賞(IFMCA)アニメーション部門ベストオリジナルスコア賞(「風立ちぬ」)など多数。

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2023年9月29日

◆第1回「野島賞」(主催:東京音楽大学)、藤田真央が受賞


 東京音楽大学は、前学長・故野島稔氏の名前を冠した「野島賞」を新たに創設したが、第1回の受賞者として藤田真央(2020年3月卒業)に決定した。

 「野島賞」は、付属高校から大学院に至る同学在学生及び卒業・修了後10年以内の校友のうち、国内外の学術研究または演奏活動において顕著な業績を挙げ、同学の名誉を高めた方の功績を讃えるもの。

 ピアノの藤田真央(1998年生れ)は、東京都出身。小学生の時、「全日本学生音楽コンクール」小学生の部で優勝。この時、審査員を務めた野島稔(1945年―2022年)に後に師事することになる。その後、東京音楽大学で学ぶ。2013年第5回「ロザリオ・マルチアーノ国際ピアノコンクール」日本人初の第1位、併せてワーグナー・ヴェルディ賞を受賞。2015年第1回「若い音楽家のための珠海国際モーツァルトコンクール」ピアノ部門グループBで第1位。2016年第20回「浜松国際ピアノアカデミーコンクール」第1位。2017年第27回「クララ・ハスキル国際ピアノコンクール」第1位、併せて聴衆賞などの3つの特別賞受賞。これは日本人では河村尚子以来、3人目の優勝者。2019年第16回「チャイコフスキー国際コンクール」ピアノ部門第2位。2020年第21回「ホテルオークラ音楽賞」、第30回「出光音楽賞」受賞。2021年スイスのヴェルビエ音楽祭に招かれ、モーツァルトのピアノ・ソナタ全曲を演奏し絶賛を博す。2022年、拠点をベルリンに移す。

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2023年9月13日

◆第72回「ミュンヘン国際音楽コンクール」、ビオラ部門で近衛剛大が第3位


 若手音楽家の登竜門として知られる第72回「ミュンヘン国際音楽コンクール」で、オランダ生まれでアムステルダム在住の近衛剛大(25歳)がビオラ部門で3位に入賞した。

 近衛剛大は、2018年の同コンクールで第3位に入賞。2020年「ヨハネス・ブラームス国際コンクール」では第1位を獲得している。近衛剛大の曽祖父は、指揮者として知られる近衛秀麿、祖父は宮内庁式部職楽部指揮者だった近衛秀健。

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2023年9月11日

◆作曲家の西村 朗が死去(享年69歳)


 作曲家の西村 朗が9月7日、死去した。享年69歳。

 西村 朗は、大阪市城東区出身。大阪府立旭高等学校時代、池内友次郎に師事。東京藝術大学大学院まで矢代秋雄、野田暉行に師事。1980年修了。作風は旋法的な感覚でアジアの伝統音楽や宇宙観に基づく作品で知られた。尚美学園講師などを経て、東京音楽大学大学・大学院教授、東京藝術大学非常勤講師を務めた。

 2003年4月から2009年3月までNHK-FM「現代の音楽」の番組担当を務めたのち、2009年4月から2012年3月の番組終了までNHK教育「N響アワー」の司会を務めた。2015年4月からは再びNHK-FM「現代の音楽」の解説を担当。2000年よりいずみシンフォニエッタ大阪にて音楽監督を、2010年より草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァル音楽監督を務めていた。

 1974年「日本音楽コンクール」作曲部門第第1位、1977年 「エリザベート国際音楽コンクール」作曲部門大賞、1988年・1992年・1993年・2008年・2011年・2022年「尾高賞」、2001年「エクソンモービル音楽賞」、2002年第3回「別宮賞」、2005年第36回「サントリー音楽賞」、第47回「毎日芸術賞」、2013年「紫綬褒章」受章、大阪市市民表彰。

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2023年9月11日

◆「ヨハネス・ブラームス国際コンクール」、チェロ部門で北村 陽が第1位、ピアノ部門で樽谷公平が第3位


 「ヨハネス・ブラームス国際コンクール」のチェロ部門で、北村 陽が第1位、ピアノ部門で樽谷公平が第3位を獲得した。

 チェロの北村 陽(19歳)は、9歳でオーケストラと初共演し、翌年初リサイタルを行う。2017年「若い音楽家のためのチャイコフスキー国際コンクール」に満場一致で優勝。2022年「ハチャトゥリアン国際コンクール」第2位入賞。2021年「霧島国際音楽祭賞」受賞。現在、桐朋学園大学ソリスト・ディプロマ・コースに在籍。2023年秋よりベルリン芸術大学への留学が予定されている。

 ピアノの樽谷公平(25歳)は、現在は名門モスクワ音楽院で学んでいる。

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2023年9月06日

◆「ティボール・ヴァルガ国際ヴァイオリンコンクール」、福田廉之介が3位入賞


 「ティボール・ヴァルガ国際ヴァイオリンコンクール」で福田廉之介が第3位入賞合わせて最優秀演奏者賞も受賞した。

 「ティボール・ヴァルガ国際ヴァイオリン・コンクール」は、スイス、ヴァレー州マルティニーで開催される若手ヴァイオリニストのための音楽コンクールで、1967年、ハンガリーのヴァイオリニスト、音楽教師であるティボール・ヴァルガにより創設された。

 ヴァイオリンの福田廉之介(1999年生まれ)は、岡山県出身。シオン音楽学校、ローザンヌ高等音楽院を首席で卒業。現在、ローザンヌ高等音楽院修士課程にて、ジャニーヌ・ヤンセン氏に師事。2013年「クロスター・シェンタール国際バイオリンコンクール」ジュニア部門優勝、併せてヴィルトオーゾ賞、21歳までの全部門出場者中の最高得点奏者に贈られるForderpreis賞を受賞。2014年「ユーディ・メニューイン国際コンクール」ジュニア部門優勝。2017年「ヴァルセシア・ムジカ国際ヴァイオリンコンクール」優勝、「ハイフェッツ国際ヴァイオリンコンクール」第3位。2017年、世界で活躍する若手ヴァイオリニストに贈られる「イヴリー・ギトリス賞」を受賞。2018年「ハノーファー国際コンクール」第4位。

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2023年9月03日

◆「ブゾーニ国際ピアノコンクール」、山崎亮汰が3位入賞


 若手ピアニストの登竜門「ブゾーニ国際ピアノコンクール」で、山崎亮汰が3位に入賞した。

 山崎亮汰(1998年生まれ)は、福島県出身。2014年「ピティナ・ピアノコンペティション」において史上最年少タイの15歳で特級グランプリ、併せて聴衆賞・文部科学大臣賞受賞。2013年第9回「福田靖子賞」受賞。2012年「ジーナ・バッカウアー国際ジュニアピアノコンクール」日本人初優勝、2016年「クーパー国際コンクール」日本人初優勝。これまでにクリーヴランド管弦楽団、日本フィルハーモニー交響楽団、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団と共演。その他、ラ・フォル・ジュルネ TOKYOなどの音楽祭にも出演。現在はアメリカ・ロサンゼルスのコルバーンスクールにて、ファビオ・ビディーニ氏に師事。

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2023年8月31日

◆第21回「東京音楽コンクール」弦楽部門 第1位 水野斗希(コントラバス)


第21回「東京音楽コンクール」 弦楽部門 本選結果

  第1位 水野斗希(コントラバス)

  第2位 水野琴音(ヴァイオリン)

  第3位 栗林衣李(ヴィオラ)

  入選 平井美羽(ヴァイオリン)

  聴衆賞 水野琴音(ヴァイオリン)

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2023年8月30日

◆ファビオ・ルイージ、NHK交響楽団首席指揮者の任期を2028年8月まで3年延長


 NHK交響楽団は、2022年9月に3年間の任期で首席指揮者に就任したファビオ・ルイージとの契約をこのたび3年延長し、2028年8月までとした。

 ァビオ・ルイージは今後、2023年12月のNHK交響楽団第2000回定期公演で、マーラー《交響曲第8番「一千人の交響曲」》を演奏。また2025年5月には、アムステルダムのマーラー音楽祭に招待され、続いてヨーロッパ各地での公演を予定している。

 2026年に創立100年を迎えるN響は、今後、数々の記念公演において、ルイージと共に魅力的なプログラムを届けることにしている。

 指揮のファビオ・ルイージ(1959年生れ)は、イタリア、ジェノヴァ出身。パガニーニ音楽院およびグラーツ音楽院で学ぶ。1984年グラーツ歌劇場で指揮活動を始め開始。1990年グラーツ交響楽団を創設し、1995年まで芸術監督を務めた。その後、ライプツィヒ放送交響楽団芸術監督、スイス・ロマンド管弦楽団首席指揮者、ウィーン交響楽団首席指揮者、シュターツカペレ・ドレスデン音楽監督、メトロポリタン歌劇場首席指揮者、チューリッヒ歌劇場音楽総監督、ダラス交響楽団音楽監督、デンマーク国立管弦楽団首席指揮者を歴任。 2013年メトロポリタン歌劇場とのワーグナーの楽劇「ニーベルングの指環」の録音によりグラミー賞を受賞。 2017年デンマーク国立交響楽団首席指揮者、2019年フィレンツェ五月音楽祭音楽監督に就任。2022年9月NHK交響楽団首席指揮者に就任。

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2023年8月28日

◆第33回 「芥川也寸志サントリー作曲賞」、向井 航の「ダンシング・クィア オーケストラのための」に決定


 第33回「芥川也寸志サントリー作曲賞」(旧名:芥川作曲賞)は、8月26日(土)午後3時から東京・サントリーホールでの演奏会による公開選考の結果、向井 航氏作曲の「ダンシング・クィア オーケストラのための」に決定した。

                        ◇

【第33回「芥川也寸志サントリー作曲賞」】

向井 航 『ダンシング・クィア』オーケストラのための

<贈賞理由>
 
 既存の作品とは異なる提示に作曲家の生き様が現われ、そのアクチュアリティのある表現が高く評価された。

<略歴>
 
 向井 航は、1993年生まれ。東京藝術大学音楽学部作曲科を首席卒業後、渡独。受賞歴に安宅賞、クロアチア国際作曲コンクール優勝、メンデルスゾーン全音楽大学コンクール独連邦大統領賞、日本音楽コンクール作曲部門第2位及び岩谷賞、第27回芥川作曲賞最終候補など。現在アントンブルックナー私立大学博士研究員。

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