クラシック音楽 ニュース


2011年9月19日

◆旧東ドイツの名指揮者のクルト・ザンデルリンク、死去(98歳)


 旧東ドイツの名指揮者のクルト・ザンデルリンク(1912年-2011年)が、2011年9月18日、ベルリンで死去した。98歳。

 クルト・ザンデルリンクは、ベルリン市立歌劇場で音楽家としてのキャリアをスタートさせたが、ナチスの台頭により、1935年、ソビエトへ亡命し、モスクワ放送交響楽団で務める。1941年、レニングラード・フィルハーモニー交響楽団の第一指揮者に就任。1958年には初来日を果たす。

 その後、東ドイツに帰国し、ベルリン交響楽団の芸術監督・首席指揮者に就任。さらに、1964年-1967年、シュターツカペレ・ドレスデンの首席指揮者を兼務するなど、長らく指揮者の第一線で活躍し、わが国でもその名を知られていた。

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2011年9月13日

◆ベルリン・フィルが、東京交響楽団など3団体に対し東日本大震災支援として寄付


 

 このたび、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団から東京交響楽団へなど3団体に対し、東日本大震災支援として15,000ユーロ(約165万円)が寄付された。

 東日本大震災直後から、Facebook等を通じて、ミューザ川崎シンフォニーホールの被害状況は、ベルリン・フィルメンバーに知られていた。

 近年、日本ツアーのたびに同ホールで演奏会を開催していたベルリン・フィルは、同ホールを本拠地にする東京交響楽団や日本の復興を願って、2011年5月30日、ドイツのベルリン・フィルハーモニー室内楽ホールにおいて、樫本大進氏、マルタ・アルゲリッチ氏、ミッシャ・マイスキー氏、イタマール・ゴラン氏等のメンバーによる支援コンサートを開催した。

 その時の演奏会の収益金45,000ユーロのうち3分の1ずつ、東京交響楽団、福島TVジュニアオーケストラ、ユニセフの3団体へ寄付すると決定したもの。

 今回の寄付は、ベルリン・フィルハーモニー財団ゼネラルマネージャーのマルティン・ホフマン氏、オーボエ奏者でオーケストラ委員のアンドレアス・ヴィットマン氏、首席ホルン奏者で同じくオーケストラ委員のシュテファン・ドール氏が中心となり進められた。

 なお、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団は今年11月に来日ツアーを予定している。

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2011年9月06日

◆「サイトウ・キネン・フェスティバル松本」、新名称への変更はせず


 

 「サイトウ・キネン・フェスティバル松本」は、今後さらに世界的知名度を上げるため、フェスティバルの新名称、オーケストラの名称(サイトウ・キネン・オーケストラ)の変更することとし、2011年のフェスティバル期間中に、メンバー、関係者が集まり、再度協議すると発表してきたが、オーケストラミーティングにて協議したところ、メンバーとしては「フェスティバル名称、オーケストラ名称とも変更しない方がよい」との意見で統一され、小澤征爾総監督もそれを了承したことを明らかにした。
 
 今後、現行名称のまま変更をしない方向で、実行委員会、理事会での協議を経て、2012年3月には正式決定といった手順となる。

 今回、名称変更をしないという結論に至った主な理由は、次の通り。

 ①サイトウ・キネン・オーケストラは、もともと故・齋藤秀雄先生の教えを受けた音楽家たちが集まりオーケストラを結成し、徹底的に音楽を探求するという齋藤先生の教えを実践してきたもので、その信念を受け継いでいくためにもサイトウ・キネンという言葉を残すべき。

 ②サイトウ・キネンの名前は、すでに世界的にも周知されている。 特に2010年のカーネギーホールでの公演を経て、その認知度は飛躍的に上がったので、今さら名称変更をしない方がよい。
  
 ③サイトウ・キネン・フェスティバル松本は、サイトウ・キネン・オーケストラが軸となっている音楽祭で、オーケストラが軸になっている音楽祭は世界的に希有であり、それがわかるためにもフェスティバルの名称も変更しない方がよい。

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2011年8月30日

◆ザルツブルク音楽祭の公開リハーサルでの収益とザルツブルク市からの寄付―総額200,000ユーロ全額、川崎シンフォニーホールへ寄付


 

 オーストリア・ザルツブルク音楽祭の記者会見で、このたびの東日本大震災で被害を受けた東京交響楽団の本拠地ミューザ川崎シンフォニーホールに対して、ザルツブルク音楽祭が2011年8月13日に行った公開ゲネプロ(最終リハーサル)の収益を寄付すると発表された。 

  かねてよりミューザ川崎シンフォニーホール再建に貢献したいと考えていた東京交響楽団音楽監督ユベール・スダーンも、ザルツブルク市長やモーツァルテウム管弦楽団等に支援イベント開催を働きかけた一人であり、元オーストリア副知事のオットマー・ラウス氏の後押しとともに今回、イベントを開催することがきた。

 この公開ゲネプロは、世界を代表するオペラ歌手アンナ・ネトレプコやピョートル・ベチャワ等とアイヴォー・ボルトン指揮ザルブツルク・モーツァルテウム管弦楽団による、チャイコフスキーの歌劇「イオランタ」とストラヴィンスキーの歌劇「夜鳴きうぐいす」演奏会形式コンサートのリハーサルで、ザルツブルク音楽祭HPによると、このコンサートの収益は158,065ユーロで、ザルツブルク市からの寄付と併せて計200,000ユーロが全額ミューザ川崎シンフォニーホールへ寄付されることになっている。

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2011年8月26日

◆第9回東京音楽コンクールのピアノ部門の入賞者が決定


 第9回東京音楽コンクールのピアノ部門の入賞者が2011年8月24日次の通り発表され、これで同コンクールの全ての部門の入賞者が出揃った。

 ピアノ部門 第1位 石田 啓明
         第2位 深貝 理紗子
         第3位 稲生 亜沙紀
 
 東京音楽コンクールは、東京文化会館(東京都歴史文化財団)、読売新聞社、花王、東京都の四者が主催し、芸術家としての自立を目指す可能性に富んだ新人音楽家を発掘し、育成・支援を行うことを目的としてたコンクールで、今年で第9回目を迎えた。毎回、本選では、オーケストラとのコンチェルトで音楽性や技術を競うほか、各部門で聴衆による投票を行い、強く印象に残り、最も多い票を得た出場者に「聴衆賞」を贈っている。

 ピアノ部門以外の入賞者は次の通り。

 弦楽部門 第1位 岸本 萌乃加(ヴァイオリン)
        第1位 周防 亮介(ヴァイオリン)
        第2位 該当者なし  
        第3位 鈴村 大樹(ヴィオラ)
 
 木管部門 第1位 西川 智也(クラリネット)
        第2位 篠原 拓也(オーボエ)
        第3位 吉村 結実(オーボエ)
 
 声楽部門 第1位 八木 寿子(メゾソプラノ)
        第2位 高橋 洋介(バリトン)
        第3位 清水 徹太郎(テノール)

 なお、2012年1月28日に第9回東京音楽コンクール各部門優勝者による「第9回東京音楽コンクール各部門優勝者コンサート」が開催され、コンチェルトが披露されることになっている。

 ソリスト:第9回東京音楽コンクール各部門優勝者

 管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

 指揮:円光寺雅彦

 司会:本村由紀子
 
 会場 東京文化会館 大ホール

 日時:2012年1月28日(土) 午後2時

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2011年8月23日

◆大阪クラシック実行委員会、、「大植英次プロデュース『大阪クラシック~街にあふれる音楽~』」を開催


 

 大阪クラシック実行委員会(構成:大阪市、社団法人大阪フィルハーモニー協会、御堂筋まちづくりネットワーク)は、平成23年9月4日(日)~9月10日(土)の1週間、御堂筋や中之島界隈のオフィスビルのロビーやカフェ、ホールにおいて、「大植英次プロデュース『大阪クラシック~街にあふれる音楽~』」を開催する。

 この「大阪クラシック」は、市民に気軽に音楽を楽しんでもらえるよう、また、大阪のメインストリートである御堂筋、および中之島界隈に人の流れと賑わいを作り出すことを目的に、大阪フィルハーモニー交響楽団音楽監督の大植英次氏プロデュースのもと、同楽団員を中心に、1日中音楽があふれる1週間を演出するもの。
 
 今年で6回目の開催となるが、28会場のうち、6会場で初めて公演を行うとともに、クラシックビギナー向けに「解説つきコンサート」を開催するなど、新たな魅力を加えて実施することにしている。

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2011年8月18日

◆NHK「名曲アルバム」、「あなたが選ぶ 未来に残したい名曲」35曲を発表


 

 NHK「名曲アルバム」では、35周年記念として「あなたが選ぶ 未来に残したい名曲」を視聴者に投票を募集していたが、このほどその結果(上位35曲)を発表した。

 これは、番組スタート以来紹介してきた、40カ国、1000曲以上の中から、視聴者が「未来に残したい名曲」と思われる曲を投票してもらうもの。上位35曲は、すべて、9月から来年にかけての「名曲アルバム」で放送する予定。

1  四季(「春」「夏」「秋」「冬」)             ヴィヴァルディ
2  新世界から                       ドヴォルザーク
3  カノン                           パッヘルベル
4  交響詩「モルダウ」                   スメタナ
5  第九交響曲                      ベートーヴェン
6  ボレロ                          ラヴェル
7  別れの曲                        ショパン
8  組曲「惑星」から「木星」               ホルスト
9  運命交響曲                      ベートーヴェン
10 行進曲「威風堂々」第1番              エルガー
11 アリア                           バッハ
12 赤とんぼ                         山田耕作
13 アイネ・クライネ・ナハトムジーク            モーツァルト
14 イマジン                         ジョン・レノン
15 美しき青きドナウ                    ヨハン・シュトラウス
16 月の光                          ドヴュッシー
17 故郷                           岡野貞一
18 英雄ポロネーズ                     ショパン
19 荒城の月                        滝廉太郎
20 愛のあいさつ                      エルガー
21 鐘~ラ・カンパネラ                   リスト
22 ピアノ協奏曲第2番                  ラフマニノフ
23 月光の曲                        ベートーヴェン
24 ラプソディー・イン・ブルー                ガーシュイン
25 エリーゼのために                     ベートーヴェン
26 田園交響曲                       ベートーヴェン
27 なき王女のためのパヴァーヌ              ラヴェル
28 イエスタディ                        レノン/マッカートニー
29 幻想即興曲                       ショパン
30 アランブラ宮殿の思い出                 タレガ
31 主よ、人の望みの喜びよ                バッハ
32 展覧会の絵                       ムソログスキー
33 花                             滝廉太郎
34 ラデツキー行進曲                    ヨハン・シュトラウスⅠ世
35 花のワルツ~「くるみ割り人形」から~         チャイコフスキー 

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2011年8月12日

◆「第5回仙台国際音楽コンクール」の開催が決定


 「第5回仙台国際音楽コンクール」の開催が決定した。

 ヴァイオリン部門が2013年5月25日(土)~6月9日(日)、ピアノ部門が2013年6月16日(日)~6月30日(日)。出場者募集開始は2012年1月、申込締切が2012年11月15日。詳細は、2012年1月に発表されることになっている。

 仙台国際音楽コンクール(SIMCI)は、仙台市が開府400年を記念して2001年に創設し、才能ある若い音楽家を輩出することにより、世界の音楽文化の振興および国際的文化交流の寄与することを目的に3年ごとに行うコンクール。

 コンチェルト(協奏曲)を課題曲の中心に据えるという特色を持ち、ヴァイオリン部門とピアノ部門から構成されている。セミファイナルおよびファイナルでは、仙台フィルハーモニー管弦楽団と共演し、その演奏を競いあうことになっている。

 「第5回仙台国際音楽コンクール」は、東日本大震災で開催が危ぶまれていたが、予定通り開催することにしたもの。

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2011年8月11日

◆「サイトウ・キネン・フェスティバル松本」、北京と上海で引越公演


 「サイトウ・キネン・フェスティバル(SKF)松本」は、初の引越公演を中国で行う。

 サイトウ・キネン・オーケストラ(SKO)は、過去に9回の海外公演を行ってきたが、ヨーロッパとアメリカに限られていたため、これがSKOにとっても初の中国公演となる。

 プログラムは2011年のフェスティバルのオーケストラ コンサートとバルトークの「青ひげ公の城」、ストラヴィンスキー「兵士の物語」、そしてピアニストの小菅優を迎えての室内楽コンサートとピーター・ゼルキンのピアノリサイタル、さらには2010年の武満徹メモリアルコンサートも再演される。

 <北京公演(国家大劇院)>

 9月1日(木)  バルトーク : 青ひげ公の城
    2日(金) オーケストラ コンサート
       3日(土) 室内楽コンサート:ストラヴィンスキー : 兵士の物語
       4日(日) 武満徹メモリアルコンサート/小澤征爾音楽塾演奏会

 <上海公演(上海大劇院)
 
 9月6日(火)  ストラヴィンスキー : 兵士の物語
   7日(水)  バルトーク : 青ひげ公の城
   8日(木)  オーケストラ コンサート
   10日(土)  ピーター・ゼルキン ピアノリサイタル
   11日(日)  武満徹メモリアルコンサート/小澤征爾音楽塾演奏会

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2011年7月22日

◆9月8日にサントリーホールで「第14回チャイコフスキー国際コンクール 優勝者ガラ・コンサート」開催


 「第14回チャイコフスキー国際コンクール」の結果が6月30日に発表された。

<ピアノ部門>
   第1位 ダニール・トリフォノフ 20歳(ロシア)*聴衆賞も併せて受賞
   第2位 ソン・ヨルム 25歳(韓国)
   第3位 チョ・ソンジン 17歳(韓国)

<ヴァイオリン部門>
   第1位 該当者なし
   第2位 セルゲイ・ドガージン22歳(ロシア)*聴衆賞も併せて受賞
   第2位 イタマール・ゾルマン25歳(イスラエル)
   第3位 イ・ジヘ25歳(韓国)

<チェロ部門>
   第1位 ナレク・アフナジャリャン22歳(アルメニア)*聴衆賞も併せて受賞
   第2位 エドガー・モロー17歳 (フランス)
   第3位 イワン・カリツナ18歳(ベラルーシ)

<声楽部門>
 「女声」
   第1位 セオ・スンヤン<ソプラノ>27歳 (韓国)
   第3位 エレーナ・グーセワ <ソプラノ> 25歳(ロシア) *聴衆賞も併せて受賞
 「男声」
   第1位 パク・ヨンミン<バス>24歳 (韓国)
   第2位 アマルトゥヴシン・エンフバット<バリトン>24歳(モンゴル)*聴衆賞も併せて受賞

 これを記念して「優勝者ガラ・コンサート」が、9月8日にサントリーホールで開催される。ピアノ部門で昨年のショパン国際コンクール第3位に続き、今回優勝したダニイル・トリフォノフ(20歳、ロシア)など、各部門の優勝者や上位入賞者が来日し、その演奏を披露することになっている。

 

 <第14回チャイコフスキー国際コンクール 優勝者ガラ・コンサート>

チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
                          :ヴァイオリン協奏曲  他

ピアノ:ダニール・トリフォノフ(グランプリ、ピアノ部門1位、聴衆賞)

ヴァイオリン:セルゲイ・ドガージン(ヴァイオリン部門第2位<1位なし>、聴衆賞)

チェロ:ナレク・アフナジャリャン(チェロ部門第1位、聴衆賞)

ソプラノ:エレーナ・グーセワ(声楽部門第3位、聴衆賞)

指揮 高関健

管弦楽:東京交響楽団

会場:サントリーホール

日時:2011年9月8日(木) 午後7時

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