2021年3月22日
作曲家の尾高惇忠が死去した。享年76歳。
尾高惇忠は、東京都出身。東京芸術大学音楽学部作曲科において、作曲を矢代秋雄、池内友次郎、三善晃、ピアノを安川加壽子に師事する。1966年3月同大学を卒業後、同年9月にフランス政府給費留学生としてパリ国立高等音楽院へ入学し、1970年に卒業。2011年に退任するまで東京芸術大学音楽学部作曲科教授を務めた。父は作曲家・指揮者の尾高尚忠、母はピアニストの尾高節子。弟に指揮者の尾高忠明がいる。妻は声楽家の尾高綾子。実業家の渋沢栄一は曾祖父に当たる。
主要作品は、オーケストラのための「イマージュ」(第30回尾高賞、1981年度)、弦楽四重奏曲、オーケストラのための肖像、混声合唱とオーケストラのための「光の中」、オルガンとオーケストラのための幻想曲(別宮賞、2001年度)、ピアノ・ソナタ、交響曲〜時の彼方へ〜(第60回尾高賞、2012年度)、アンリ・シャランの主題による“ファンファーレ・フーガ・コラール” 〜吹奏楽のための〜。
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2021年3月21日
第52回(2020年度)「サントリー音楽賞」は、作曲家の三輪眞弘が受賞した。
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作曲家の三輪眞弘は、1958年東京生まれ。1978年に渡独、国立ベルリン芸術大学で作曲をイサン・ユンに、1985年より国立ロベルト・シューマン音楽大学でギュンター・ベッカーに師事。1980年代後半からコンピュータを用いた作曲の可能性を探求し、特にアルゴリズミック・コンポジションと呼ばれる手法で数多くの作品を発表。また、様々な分野のアーティストとのコラボレーションに加え、CD制作、著作活動など、その活動は多岐に渡る。1985年「ハムバッヒャー国際作曲コンクール」佳作、1989年第10回「入野賞」第1位、1991年「今日の音楽・作曲賞」第2位、1992年第14回「ルイジ・ルッソロ国際音楽コンクール」第1位、1995年「村松賞」新人賞、2004年オーケストラのための「村松ギヤ・エンジンによるボレロ」で「芥川作曲賞」、2010年度第61回「芸術選奨」文部科学大臣賞を受賞。2001年より情報科学芸術大学院大学[IAMAS]教授。
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2021年3月19日
日本音楽著作権協会(JASRAC)は、音楽教室における請求権不存在確認訴訟(控訴審)の判決についてのコメントを次の通り発表した。
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音楽教室事業者(一審提起時合計253名)が日本音楽著作権協会(JASRAC)を被告として提起した訴訟につき、2021年3月18日、知的財産高等裁判所(第4部・菅野雅之裁判長)は、一審判決を変更する旨の判決を言い渡した。
JASRACは、演奏利用の態様(教師が演奏するか、生徒が演奏するか、録音物を再生するか)にかかわらず、音楽教室における音楽著作物の利用主体は音楽教室事業者だと主張していた。
しかし、判決は教師の演奏および録音物の再生については音楽教室事業者が利用主体であるとしたものの、生徒の演奏については音楽教室事業者が利用主体であるとはいえず、物理的に演奏行為を行っている生徒が利用主体であると判断し、この部分につき原判決を変更した。
JASRACは、この結果を承服することができないため、判決文を精査したうえで、上告を含めしかるべき対応を検討する。
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2021年3月18日
日本芸術院は、令和2年度(第77回)「日本芸術院賞」の授賞者(音楽分野)を以下のとおり決定した。
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【恩賜賞】
日本芸術院賞 指揮・作曲 小林研一郎(80歳)
長年にわたる音楽芸術文化全体に及ぶ,幅広く卓越した活動に対して
指揮の小林研一郎(1940年生まれ )は、東京藝術大学指揮科を卒業。1974年第1回「ブダペスト国際指揮者コンクール」第1位、特別賞を受賞。1987年から1997年までハンガリー国立交響楽団(現ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団)の常任指揮者、音楽総監督(GMD)を務め、現在は桂冠指揮者。日本では、東京交響楽団首席客演指揮者、東京都交響楽団正指揮者、京都市交響楽団常任指揮者、日本フィルハーモニー交響楽団音楽監督・桂冠指揮者などを歴任。ハンガリー・ブダペスト交響楽団名誉指揮者。
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2021年3月18日
米国出身の指揮者のジェームズ・レバインは、カリフォルニア州パームスプリングズで死去した。享年77歳。
ジェームズ・レバインは、1961年にジュリアード音楽院に入学。ジュリアードを卒業後、クリーヴランド管弦楽団でジョージ・セルの指揮見習いと助手を1970年まで務める。1970年にフィラデルフィア管弦楽団の客演指揮者として指揮者デビュー。同年オペラ指揮者としてもデビュー。アメリカのオケではシカゴ交響楽団と関係が深い。1971年「トスカ」の記念公演で初めてメトロポリタン歌劇場(MET)の指揮台に立ち、大成功をおさめた。その後も同劇場に出演を重ねる事となり、首席指揮者に任命される。1975年より音楽監督、1986年からは(MET史上初の)芸術監督に就任。1999年にセルジュ・チェリビダッケの死後空席になっていたミュンヘン・フィルの音楽監督に就任。2004年には小澤征爾の後任として、ボストン交響楽団の音楽監督にも就任した。2016年MET名誉音楽監督に就任。しかし、2018年メトロポリタン歌劇場は、調査の結果、性的虐待疑惑の「信頼できる証拠」が出たとして、レヴァインを解雇した。
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2021年3月10日
「ミュージック・ペンクラブ音楽賞」は、約160名の会員を擁するミュージック・ペンクラブ・ジャパンが毎年発表している音楽賞。同会は、「クラシック」「ポピュラー」「オーディオ」の三分野のもと、音楽関係の言論・執筆活動に携わっている評論家、ミュージック・ライター、音楽学者、作曲家、演奏家、文芸評論家などで構成されている。
【クラシック分野】
独奏・独唱部門 小菅優(ピアノ)
室内楽・合唱部門 篠崎“まろ”史紀「MARO ワールド」
オペラ・オーケストラ部門 滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール
現代音楽部門 藤倉大(作曲家)
研究・評論部門 礒山雅『ヨハネ受難曲』(筑摩書房)
功労賞 ミューザ川崎シンフォニーホール(フェスタサマーミューザ
KAWASAKI2020)
なお、授賞式は、2021年4月26日(月)14:00-17:00、文京シビックセンター・スカイホール(東京都文京区)で開催される。
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2021年3月04日
第19回(2020年度)「 齋藤秀雄メモリアル基金賞」(主催:ソニー音楽財団)の チェロ部門は、新倉 瞳受賞した。
指揮部門については今回は該当者はなし。
新型コロナウイルス感染拡大防止の観点より、贈賞式はオンライン上でライブ配信にて執り行われた。
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チェロの新倉 瞳は、ドイツ・デュッセルドルフ在住の8歳のときからチェロを始め、11歳で帰国し、桐朋女子高等学校音楽科卒業。2006年8月デビューアルバム「鳥の歌」をリリース。同年12月紀尾井ホールにてデビューリサイタルを行う。2008年桐朋学園大学音楽学部を首席で卒業。2009年第5回「ルーマニア国際音楽コンクール」室内楽部門第1位。2010年3月桐朋学園大学の研究生を終了。同年9月よりスイスのバーゼル音楽院に留学。2007年横坂源、堀内詩織、宮田大らの桐朋学園大学の同期生とチェロ四重奏団「チェリステン桐」を結成。2009年第5回「ルーマニア国際音楽コンクール」室内楽部門第1位。2010年には崎谷直人(バイオリン)、沼沢淑音(ピアノ)とピアノ三重奏団「ピアノ・トリオ」を結成。2015年「インターナショナル・ヴェラン・クラシコ」チェロ部門第1位入賞。2021年第19回(2020年度)「 齋藤秀雄メモリアル基金賞」チェロ部門受賞。
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2021年3月04日
文化庁は、令和2年度(第71回)「芸術選奨」受賞者(文部科学大臣賞: 18名 文部科学大臣新人賞: 11名)を発表したが、新人賞に指揮者・鍵盤楽器奏者・作曲家の鈴木優人が受賞した。
【新人賞】 指揮者・鍵盤楽器奏者・作曲家 鈴木優人 「読売日本交響楽団第603回定期演奏会」ほかの成果
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鈴木優人(1981年生まれ)は、東京芸術大学作曲科を経て、同大学院古楽科修了。オランダ、ハーグ王立音楽院修士課程オルガン科を首席で修了。その後、アムステルダム音楽院で学ぶ。2018年バッハ・コレギウム・ジャパンの首席指揮者に就任。2020年読売日本交響楽団指揮者/クリエイティヴ・パートナー。指揮者、作曲家、ピアニスト、チェンバリスト、オルガニスト、演出家、プロデューサーとして、幅広い音楽分野で活動する。父は指揮者で鍵盤楽器奏者の鈴木雅明。第18回「齋藤秀雄メモリアル基金音楽賞」、第18回「ホテルオークラ音楽賞」受賞。令和2年度(第71回)「芸術選奨新人賞」受章。現在、オランダ在住。
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2021年1月22日
ピアニストのフー・ツォが2020年12月28日、新型コロナウイルスによりロンドンで死去した。享年86歳。
フー・ツォンは、中国上海市出身。1953年にワルシャワ音楽院に留学。1955年第5回「ショパン国際ピアノコンクール」第3位、併せてポーランド・ラジオ賞(マズルカ賞)を受賞した。
1960年より活動拠点をロンドンに移し、世界中で演奏活動やマスタークラスの開催に取り組む。モーツァルト弾きやショパン弾きとして知られた。マルタ・アルゲリッチやレオン・フライシャー、ラドゥ・ルプーと親しく、アルゲリッチは、しばしば別府アルゲリッチ音楽祭に彼を招いて共演した。
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2021年1月15日
ヴァイオリニストの五嶋みどりが、「ケネディ・センター名誉賞」を受賞した。
「ケネディ・センター名誉賞」は、米国の文化や芸術に貢献した人や団体に贈られる。日本人では、2015年に指揮者の小澤征爾が初めて受賞して以来2人目。
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