クラシック音楽 ニュース


バックナンバー 2010年 11月

2010年11月12日

村上春樹の「IQ84」に登場するクラシック音楽を聴くCDが発売


 新企画のCDアルバム「ヤナーチェク&シベリウス:?小説に出てくるクラシック 2」がEMIミュージック・ジャパンから発売された。

 これは、村上春樹のベストセラー長編小説「1Q84」のテーマ曲とも言えるヤナーチェクの「シンフォニエッタ」(指揮:小澤征爾)をはじめとして、シベリウスのヴァイオリン協奏曲(ヴァイオリン:ダヴィッド・オイストラフ)など、ストーリーに出てくる音楽を収録してある。

 つまり、小説を文字として味わうほかに、耳から音楽も聴くことで、より深く小説の世界を味わうことができるのがこのCDアルバムのミソなのである。CDブックレットには、「1Q84 BOOK3」に沿って楽曲解説が載っており、小説の世界をより深く味わうことができるようになっているというから興味深い。

 これによって小説とクラシック音楽の繋がりができれば、新しい市場開拓の可能性も見えてくるだけに、興味深い試みといえる。収録曲は以下の通り。(2010/7/6)

  ヤナーチェック:シンフォニエッタ 第1楽章
  シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調
  マーラー:交響曲 第5番 嬰ハ短調 第4楽章
  ハイドン:弦楽四重奏曲 第67番 「ひばり」 第1楽章
  バッハ:ゴルトベルク変奏曲 アリア
  ラモー: クラヴサン合奏曲集 第1コンセール クリカン/ リヴリ /ヴェジネ
  シューマン:謝肉祭 パガニーニ間奏曲
  ワーグナー:楽劇「神々の黄昏」より ジークフリートの葬送行進曲

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2010年11月12日

第4回仙台国際音楽コンクールのピアノ部門の入賞者決定 


 第4回仙台国際音楽コンクールのピアノ部門ファイナルが6月25日―26日行われ、入賞者が次のように決定した。(写真は第1位のヴァディム・ホロデンコ)

第1位 ヴァディム・ホロデンコ          ウクライナ  賞金300万円/金メダル/ディプロマ
第2位 マリア・マシチェワ           ロシア    賞金200万円/銀メダル/ディプロマ
第3位 マリアンナ・プルジェヴァルスカヤ   スペイン   賞金90万円/銅メダル/ディプロマ
第3位 佐藤 彦大                日本     賞金90万円/銅メダル/ディプロマ
第5位 ムン・ジヨン               韓国     賞金70万円/ディプロマ
第6位 クワン・イ                  アメリカ    賞金60万円/ディプロマ

審査員特別賞  ファン・ナンソン        中国

聴衆賞 
セミファイナル第1日 ファン・ナンソン      中国
セミファイナル第2日 クワン・イ         アメリカ
セミファイナル第3日 バール・ダーヴィト    ハンガリー
(2010/6/28)

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2010年11月12日

五嶋みどり、ジョン・F・ケネディー・センターより「芸術金賞」を授与


 五嶋みどりは、このほどアメリカ・ワシントンD.C. にあるジョン・F・ケネディー・センターより、「芸術金賞」を授与された。
 
 その他の受賞者は、建築家・安藤忠雄、歌舞伎俳優・18代目中村勘三郎、そして演出家・蜷川幸雄の各氏。

 この賞は国際社会における芸術界のリーダーやパフォーマーの功績を称えるもので、2001年に国際的な芸術交流の発展や同センターの国際貢献を目的に設立された「ケネディー・センター国際芸術コミッティー(KCICA)」により選出される。

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2010年11月12日

洗足学園音楽大学、ウラディーミル・アシュケナージを名誉客員教授に迎える


 

 洗足学園音楽大学は、世界的指揮者でピアニストのウラディーミル・アシュケナージ氏を名誉客員教授に迎えた。

 その就任披露式典・演奏会が2010年6月13日(日)、同大学前田ホールで開催された。当日の指揮は、ウラディーミル・アシュケナージ(名誉客員教授)、秋山和慶(芸術監督・教授)、プログラムは、ベートーヴェン/交響曲第9番 ニ短調「合唱付き」から第4楽章、ショスタコーヴィチ/祝典序曲。

 ウラディーミル・アシュケナージは、1937年旧ソ連に生まれる。1955年のショパン国際ピアノコンクールに出場し2位となる。同年モスクワ音楽院に入学。1956年のエリザベート音楽コンクールで優勝。1962年チャイコフスキー国際コンクールで優勝。1963年旧ソ連を出国し、現在はアイスランド国籍。1970年頃から指揮者活動を開始し、1987年―1994年ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の音楽監督。2004年―2007年NHK交響楽団の音楽監督を務め、現在、同楽団の桂冠指揮者などに就任している。

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2010年11月12日

2010年度「武満徹作曲賞」の受賞者が決定


 2010年度「武満徹作曲賞」は、5月30日に東京オペラシティコンサートホールにて本選演奏会が行われ、受賞者が次の通り決定した(審査員:トリスタン・ミュライユ、指揮:大井剛史、東京フィルハーモニー交響楽団)

 第1位  ホベルト・トスカーノ(ブラジル) FIGURES AT THE BASE OF A CRUCIFIXION
(賞金100万円)

 第2位  アンドレイ・スレザーク(スロバキア/ハンガリー) Aquarius
(賞金75万円)

 第2位  難波 研(日本) Infinito nero e lontano la luce
(賞金75万円)

 第3位  山中千佳子(日本) 二つのプレザージュ
(賞金50万円)

 東京オペラシティ文化財団の「東京オペラシティ コンサートホール:タケミツ メモリアル」は、未来に向かって、より創造的な音楽文化の可能性を育むことを目指している。その活動の一環として、芸術監督、故 武満徹(1930.10.8―1996.2.20)の意志を引き継ぎ、「祈り・希望・平和」と「未来への窓 Window to the future」をテーマに世界各国の次代を担う若い世代に新しい音楽作品の創造を呼びかけ、「武満徹作曲賞」を実施している。(10/6/14)

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2010年11月12日

第4回仙台国際音楽コンクールのヴァイオリン部門入賞者が決定


 第4回仙台国際音楽コンクールのヴァイオリン部門ファイナルが行われ、次の通り1位―6位が決定した。今回は仙台を含む世界6都市で行われたオーディションには、ヴァイオリン部門95名(ピアノ部門105名を含めると合計200名)の若き演奏家たちが参加した。(写真は第1位のクララ ユミ・カン)

<ヴァイオリン部門入賞者>

第1位金メダル  クララ ユミ・カン     ドイツ/韓国   賞金300万円、ディプロマ

第2位銀メダル  アンドレイ・バラーノフ   ロシア      賞金200万円、ディプロマ

第3位銅メダル  長尾 春花         日本       賞金100万円、ディプロマ

第4位       キム・ボムソリ      韓国       賞金80万円、ディプロマ

第5位       キム・デミ        韓国       賞金70万円、ディプロマ

第6位       ジオラ・シュミット    アメリカ      賞金60万円、ディプロマ

 仙台国際音楽コンクールは、仙台市が開府四百年を記念して2001年に創設し、3年毎に
行うコンクール。才能ある若い音楽家を輩出することにより、世界の音楽文化の振興及び国際的文化交流の推進に寄与することを目的としている。

 コ ンチェルト(協奏曲)を課題曲の中心に据えるという特色を持ち、ヴァイオリン部門とピアノ部門から構成されている。世界的に活躍する音楽家による厳正な 審査、国際音楽コンクール世界連盟の規約に則った公正で信頼性の高い運営とともに、市民の温かいホスピタリティに支えられたコンクールが特色。

 セミファイナル及びファイナルでは仙台フィルハーモニー管弦楽団と共演し、その演奏を競う。コンクールの運営には、市民ボランティアが大きな役割を担っている。出場者のサポート、会場運営、広報活動など様々な場面で市民ボランティアが活躍している。(10/6/7:仙台国際音楽コンクール)

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2010年11月12日

TBSがアップルのiPad 向けにクラシック音楽放送「オッターヴァ」を聴きながらニュースも見れるアプリ提供


 東京放送ホールディングス(TBS ホールディングス)は、米アップル社の多機能携帯端末iPad 向けに、クラシックステーションOTTAVA(オッターヴァ)を聴きながら、TBS が配信する最新ニュースも一覧できるアプリケーションを開発した。

 このアプリケーションは、TBS ホールディングスが運営するクラシック音楽専門のデジタルラジオ& インターネットラジオOTTAVAの音声ストリーミングと、TBS のニュースサイト、TBSNews-iの最新ニュース更新サービスが結合した、今までにないマルチタスク型のサービス。

 iPad 上に、“音楽”と“ニュース”をいつでも常駐させることができ、電子書籍の閲読など、想定されるiPad の利用シーンにぴったりな、寄り添い型アプリケーションとなっている。

 OTTAVA は、09年8月に、iPhone 用に日本ではじめての、放送同期24 時間ストリーミングアプリケーションを提供した。モバイルで気楽にどこでも聞けること、放送楽曲の一覧化、楽曲購入機能などが好評であった。今回は、このiPhone アプリをベースに、新たにニーズのあった「ニュースチェック機能」を追加同居させ、iPad の大画面に合ったアプリケーションとしてバージョンアップさせたもの。

 アプリケーション名は「TBS – OTTAVA News & Classics 」(日本語表記 オッターヴァ ニュース&クラシック)で、アプリケーションの特徴は?無料?OTTAVA の生放送番組を聴取できる?TBS のニュースサイトNews i の最新ニュースを一覧することができる?各ニュースからはNews i のサイトにリンクされ、詳細ニュースをチェックできる?聴取した曲の履歴が自動で保存される?聴取した曲をiTunes store で購入できる?Twitter 投稿機能を楽しめる。

 つまり、クラシックステーションを聴きながら、最新ニュースもチェックできるマルチタスク型のiPad 専用アプリケーションを開発したもので、近日 App Store への申請予定。アプリケーションの開発・提供元は、フライトシステムコンサルティング。

 OTTAVAは、日本初のクラシック専門ラジオ・ステーション(07年4月開局)で、「空気をきれいにする音インテリア」をキャッチフレーズに、クラシック名曲のサビ部分や楽章と、人生を心豊かにするトークで番組を編成。パソコン、携帯、スマートフォンなどあらゆるデジタルデバイスで聴くことができるインターネットラジオ。iPhone アプリも09年8月にローンチし、放送同期の24 時間ストリーミングとしては、日本初。現在、64 万人のリスナー会員を擁する(男40 代&女30 代中心) (10/6/2:TBS)

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2010年11月12日

指揮者の大野和士が日本芸術院賞および恩賜賞受賞


 66回日本芸術院賞の授賞式が5月31日、天皇、皇后両陛下の出席もと、日本芸術院(東京都台東区)で行われ、9氏が受賞した。音楽界からは指揮者の大野和士氏が(50)受賞。大野氏は同時に恩賜賞も受賞。

 日本芸術院賞は、日本芸術院から、同会会員以外の者で、卓越した芸術作品を作成した者又は芸術の進歩に貢献したものに授与される。同賞は1941年の第1回(受賞者 小磯良平)からほぼ毎年贈られており、1951年からは受賞者が増えたこともあって、その中で特に選ばれたものに「恩賜賞」が贈られている。

 指揮者の大野 和士(おおの かずし、1960年3月4日 – )氏は、東京都生まれ。神奈川県立湘南高等学校を経て、東京芸術大学を卒業。25歳の時欧州に渡る。1987年にアルトゥーロ・トスカニーニ国際指揮者コンクールで優勝。1988年から1996年まで、クロアチアのザグレブ・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督として活躍。1996年から202年までカールスルーエ・バーデン州立劇場の音楽総監督、02年から、08年までベルギー王立歌劇場(モネ劇場)の音楽監督を務め、08年からはフランス国立リヨン歌劇場の首席指揮者に就任。1992年から01年まで東京フィルハーモニー交響楽団の常任指揮者を務めた(現在、桂冠指揮者)。08年紫綬褒章受章。09年フランス批評家賞受章。10年サントリー音楽賞受賞。(10/5/31)

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2010年11月12日

金聖響がベルギー・フランダース交響楽団の首席指揮者に就任


 ベルギー・フランダース交響楽団は金聖響が10/11年シーズンより同団の首席指揮者に就任することを発表した。任期は3年。現在彼はオーケストラ・アンサンブル金沢のアーティスティック・パートナーおよび神奈川フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者を務めているが、これらのポジションは継続する。年間8?10週間現地に滞在し、指揮する予定。

 「このオーケストラとは昨年の11月に初めて客演させていただき、3週間ほどの滞在中、とても素晴らしい時間を共有することができました。彼らは自分たちがやりたいことや表現したいことを、一生懸命音にしようとするひたむきな姿勢がとても印象的で、このオーケストラとなら絶対にうまくいく!と直感しました。今年の秋から2週間単位で、年に4?5回渡欧する予定です。より一層忙しくなってきますので、体調管理と万全な準備を怠らず、一つずつ丁寧にやっていくことを心掛けたいと思います(抜粋)」とプレス・リリースでコメントを発表した。(WEBぶらあぼ:10/5発表)

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2010年11月12日

「第4回 1000人のチェロ・コンサート」が広島で開催


 「第4回 1000人のチェロ・コンサート」?広島から世界平和の願いを込めて?(主催:NPO国際チェロアンサンブル協会)が、10年5月16日(日) 午後2時から、広島グリーンアリーナで開催された(指揮者: D.Geringas、田久保裕一 /コンサートマスター 林俊昭 )。

 当日は、三枝成彰作曲「1000人のCelloの為のREQUIEM ?(HIROSHIMAの為に)」、古屋さおり作曲「原爆」(児童3部合唱付き)の2曲が世界初演された。「原爆」の歌詞は、中沢 啓治「はだしのゲン」、峠 三吉「原爆詩集」、原 民喜「原爆小景」より引用している。また、今回各国語でも訳した。

 1998年11月29日に神戸ワールド記念ホールにて阪神・淡路大震災復興支援と世界平和を祈念して「第1回1000人のチェロ・コンサート」が開催された。当時ベルリンフィルハーモニーのチェロ奏者で「ベルリンフィル12人のチェリスト」の創設者でもあったR.ヴァインスハイマー氏が1996年の来日時に同会の松本理事長に「日本で1000人のチェロを」との誘いに応え、東奔西走して成功させたもの。当時ご存命だった高円宮憲仁親王殿下が名誉総裁をお勤めくださり、三人のお嬢様とともに1,013名の内の4名をご家族で占めてくださった。

 一瞬にして6400余名の命を奪った大震災の悲劇に演奏者も聴衆も世界で初めて響いた
1000人のチェロの癒しの響きに多くの方々が涙した。その感動は高円宮様のその後のお
言葉の随所に現れた。コンサートそのものも、CDを聴いたプロの音楽関係者をして「1000人という多数の奏者が奏でてこんなに人々を感動させ、またなんとも言えない音色と響き、それはまさに音楽史上に新しいジャンルを作りあげたものだ」と絶賛を惜しまなかった。

 その感動と成功はその後も高円宮様をして積極的に一周年の同窓会、二周年…へのご参画、01年7月29日の第2回1000人のチェロ開催へと続き、同協会設立へとつながったわけである。(NPO国際チェロアンサンブル協会のウェブサイトから)

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