2022年4月29日
作曲家の池辺晋一郎(78歳)が、春の叙勲で旭日中綬章を受章した。
池辺晋一郎(1943年生まれ )は、茨城県水戸市出身。1967年東京芸術大学音楽学部作曲科卒業。全日本合唱連盟顧問、東京音楽大学名誉教授、東京音楽大学音楽学部教授、東京音楽大学付属民族音楽研究所所長、横浜みなとみらいホール館長などを歴任。
東京芸術大学在学中に書いた室内楽曲「クレパ七章」で注目され、武満徹の目に留まり、一時期映画音楽のアシスタントを務めた。10曲の交響曲をはじめとする演奏会用作品の他、黒澤明や今村昌平の監督作品をはじめとする映画音楽、校歌、NHK大河ドラマやアニメ「未来少年コナン」などのテレビ番組の音楽も多く手がけている。
1984年「日本アカデミー賞」最優秀音楽賞(1990年、2009年にも)、1989年「国際エミー賞」優秀賞、1991年「尾高賞」(1999年、2017年にも)、1997年「NHK交響楽団・有馬賞」、2004年「紫綬褒章」、2018年「文化功労者」。
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2022年4月20日
国際音楽コンクール世界連盟(本部:スイス、ジュネーブ)が、世界3大音楽コンクールの一つ、「チャイコフスキー国際コンクール」を賛成多数で除名した。
同連盟は、ロシアによるウクライナ侵攻を非難し、「ロシア政府が資金提供し、宣伝ツールとしているコンクールを、支援したり、連盟のメンバーに入れたりすることはできない」と主張。
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2022年4月19日
アメリカ出身のピアニスト ニコラ・アンゲリッシュが4月18日、病気のため51歳の若さで亡くなった。
二コラ・アンゲリッシュ(1970年―2022年)は、アメリカ出身。13歳でパリ国立音楽院に入学し、アルド・チッコリーニ、イヴォンヌ・ロリオ、ミシェル・ベロフらに師事。レオン・フライシャーやマリア・ジョアン・ピリスらにも学び、1994年「ジーナ・バッカウアー国際コンクール」優勝。2003年にはクルト・マズア指揮ニューヨーク・フィルとベートーヴェン「皇帝」を弾いて同団でのデビューを果たした。
ロンドン、ミュンヘン、アムステルダム、ローマ、パリなどの主要都市でリサイタルを行い、アルゲリッチ主宰のルガーノ音楽祭から定期的に招かれたほか、室内楽にも力を入れ、アルゲリッチ、シャハム、ヨーヨー・マ、ルノー&ゴーティエ・カプソン、モディリアーニ四重奏団などとも共演。世界各国での国際的な受賞も多く、2013、2019年と2度もフランスのグラミー賞とよばれる「ヴィクトワール・ド・ラ・ミュジク」(器楽部門)に選ばれるなど、現代を代表するトップ・ピアニストの地位を固めつつあった。
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2022年4月19日
ルーマニア出身の名ピアニスト ラドゥ・ルプーが4月17日、スイス・ローザンヌの自宅で死去した。享年76歳。
ラドゥ・ルプー(1945年―2022年)は、ルーマニア、ガラツ出身。1959年にブカレスト音楽院でフロリカ・ムジチェスクに入門(天才ピアニストのリパッティと同門)。1960年より1968年までモスクワ音楽院に留学してスタニスラフ・ネイガウスらに師事する。1966年第2回「ヴァン・クライバーン国際コンクール」、1967年「エネスコ国際コンクール」、1969年「リーズ国際ピアノ・コンクール」においてそれぞれ優勝。1969年のリサイタルでロンドン・デビューを成功させたのを機に、イギリスを本拠に国際的な演奏活動を行う。
ロンドン・デビュー当時に地元紙により”千人に一人のリリシスト”と呼ばれ、以降、これがルプーを形容する表現としてしばしば使われた。「ヴァン・クライバーン国際コンクール」優勝時にはアメリカでのデビュー演奏は行わなかったが、「リーズ国際ピアノ・コンクール」優勝後にデッカと契約し、そのディスクの名声によって1972年にアメリカでのデビューを果たす。1978年にはザルツブルク音楽祭に出演。1973年を皮切りに以後たびたび来日した。
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2022年4月11日
第21回(2021年度)佐治敬三賞は、「オーケストラ・ニッポニカ第38回演奏会 松村禎三交響作品展」「オペラ『ロミオがジュリエット』世界初演」の2公演が受賞した。
<公演概要>
名称:「オーケストラ・ニッポニカ第38回演奏会 松村禎三交響作品展」
日時:2021年7月18日(日)14:30
会場:紀尾井ホール
曲目:松村禎三
ピアノ協奏曲第1番(1973)
「ゲッセマネの夜に」(2002/2005)
交響曲第1番(1965)
出演:
指揮 野平一郎
ピアノ 渡邉康雄
管弦楽 オーケストラ・ニッポニカ
主催:芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカ
<公演概要>
名称:「オペラ『ロミオがジュリエット』世界初演」
日時:2021年11月
5日(金)19:00
6日(土)14:00、18:00
7日(日)14:00
会場:THEATRE E9 KYOTO
作曲:足立智美
台本:GPT-2(原作 ウィリアム・シェ-クスピア「ロミオとジュリエット」)
演出:あごうさとし
出演:太田真紀、山田岳
曲目:
オペラ『ロミオがジュリエット』ソプラノ、ギター、電子音響のための(2021 太田真紀&山田岳委嘱 世界初演)
アフター・トーク:
11月5日(金)足立智美
11月6日(土)太田耕人(昼)、小崎哲哉(夜)
11月7日(日)三輪眞弘
企画・主催:太田真紀&山田岳
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2022年4月07日
2021年度第34回「ミュージック・ペンクラブ音楽賞」が次の通り決定した。
《クラシック》
1. ソロアーティスト部門
池田香織(メゾ・ソプラノ)
2. 室内楽・合唱部門
葵トリオ
3. オペラ・オーケストラ部門
東京二期会
4. 現代音楽部門
松平敬(バリトン)
5. 研究評論・出版部門
沼野雄司著『現代音楽史‐闘争しつづける芸術のゆくえ』中公新書
6. 功労賞
濱田滋郎(音楽評論・スペイン音楽研究家)
《ポピュラー》
1. 最優秀作品賞
山田参助とG.C.R.管絃楽団『大土蔵録音 2020』
2. イベント企画賞
フジロック(主催:スマッシュ)と
スーパーソニック(主催:クリエイティブマンプロダクション)
3. 新人賞
角野隼斗
4. 著作出版物賞
大和田俊之著『アメリカ音楽の新しい地図』(筑摩書房)
5. 功労賞
村上“ポンタ”秀一
《オーディオ》
1. 技術開発部門
アキュフェーズ株式会社/CDプレーヤー
・DP-1000:SA-CD/CDトランスポート
・DC-1000:MDSDディジタル・プロセッサー
2. 録音作品部門
井上道義指揮 新日本フィルハーモニー交響楽団『ショスタコーヴィチ:交響曲 第8番』
オクタヴィア・レコード OVCL-00761
レコーディング&マスタリング・エンジニア 江崎友淑
3. 特別賞
ノミネートなし
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2022年4月07日
第53回(2021年度)「サントリー音楽賞」は、指揮者・リコーダー奏者・コルネット奏者の濱田芳通が受賞した。
濱田芳通(1962年生まれ)は、桐朋学園大学古楽器科卒業後、スイス政府給費留学生としてバーゼル・スコラ・カントールムに留学。リコーダーとコルネットの奏者として国内外にて数多くの演奏活動、録音を行い、海外でリリースされたCDは全てディアパソン5つ星を獲得、高い評価を受けている。2013年バロック・オペラ上演プロジェクト「オペラ・フレスカ」を立ち上げ、指揮者としてモンテヴェルディの3大オペラ《オルフェオ》《ウリッセの帰還》《ポッペアの戴冠》、カッチーニ作曲《エウリディーチェ》(本邦初演)、ヘンデル作曲《ジュリオ・チェーザレ》、レオナルド・ダ・ヴィンチが関わったとされる劇作品《オルフェオ物語》(本邦初演)等、オペラ創成期からバロックに至る初期のオペラ作品を取り上げている。
一方、戦国時代にヨーロッパから日本へ伝わった南蛮音楽の研究もライフワークとしており「天正遣欧少年使節の音楽」「エソポのハブラス」「フランシスコ・ザビエルと大友宗麟」等のテーマによりCDリリース、芝居付き演奏会を行っている。古楽アンサンブル「アントネッロ」を主宰。
2005年第7回「ホテルオークラ音楽賞」、2015年第28回「ミュージック・ペンクラブ・ジャパン音楽賞(室内楽・合唱部門)」、2015年第14回「佐川吉男音楽賞」、2019年第6回「JASRAC音楽文化賞」、2020年第50回「ENEOS音楽賞」 洋楽部門奨励賞、2020年第17回三菱UFJ信託音楽賞 奨励賞を受賞。
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2022年4月03日
第48回「日本ショパン協会賞」は、三浦謙司が受賞した。
ピアノの三浦謙司(1993年生まれ)は、兵庫県神戸市出身。4歳から自主的にピアノを開始し、13歳で奨学金を獲得して単独渡英、ロンドンのパーセル・スクールに入学する。ロシャン・マガブ及びウィリアム・フォンのもとでピアノを修学し、2011年ベルリン芸術大学、2014年ハンス・アイスラー音楽大学ベルリン入学。第4回「マンハッタン国際音楽コンクール」金賞、2017年「スタインウェイコンクールベルリン」第1位、2018年「Shigeru Kawai国際ピアノコンクール」第1位、2015年「浜松国際ピアノコンクール」奨励賞及びAAF賞、2019年「ロン=ティボー国際コンクール」第1位、3つの特別賞を受賞した。ドイツ在住。
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2022年3月29日
第10回「神戸国際フルートコンクール」は、ラファエル・アドベス・バヨグ(スペイン)とマリオ・ブルーノ(イタリア)が優勝した。
「神戸国際フルートコンクール」(神戸国際フルートコンクール運営委員会、神戸市、公益財団法人神戸市民文化振興財団、公益社団法人日本演奏連盟、一般社団法人日本フルート協会)は、1985年の創設以来、世界の有望な若きフルーティストを世界の楽壇に飛翔させるとともに音楽を通じて国際交流と友好親善を図ることに加え、「音楽のまち神戸」として文化の香り豊かなまちづくりを推進することを目的として4年毎に開催している。
◇
第1位 ラファエル・アドベス・バヨグ(スペイン)
マリオ・ブルーノ(イタリア)
第3位 マリアンナ・ユリア・ジョウナッチェ(ポーランド)
石井 希衣(日本)
第5位 アンナ・コマロワ(ロシア)
第6位 ジョイディ・スカーレット・ブランコ・ルイス(ベネズエラ)
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2022年3月23日
第31回「出光音楽賞」は、上野通明(チェロ)、岡本誠司(ヴァイオリン)、小林愛実(ピアノ)が受賞した。
チェロの上野通明(1995年生まれ)は、パラグアイ出身。5歳よりチェロを始め、幼少期をスペインで過ごす。桐朋学園大学ソリスト・ディプロマ・コース全額免除特待生。2009年、13歳で第6回「若い音楽家のためのチャイコフスキー国際音楽コンクール」にて日本人初の優勝。2010年第6回「ルーマニア国際音楽コンクール」最年少第1位。2012年第10回「東京音楽コンクール」第2位。2014年第21回「ヨハネス・ブラームス国際コンクール」第1位。2015年秋よりデュッセルドルフ音楽大学に留学。2018年第11回「ルトスワフスキ国際チェロコンクール」第2位。2021年「ジュネーブ国際音楽コンクール」チェロ部門で優勝(この部門で日本人が優勝するのは初めて)。現在、ドイツ、ルーマニア、スロヴァキア等ヨーロッパ各地でも活発に演奏活動をしている。
ヴァイオリンの岡本誠司(1994年生れ)は、千葉県市川市出身。2014年7月、ドイツのライプツィヒで行われた第19回「国際バッハ・コンクール」のヴァイオリン部門においてアジア人で初の第1位を獲得。その後、「ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリンコンクール」第2位、「エリザベート王妃国際コンクール」でのファイナリスト入賞などを経て、2021年9月には「ARDミュンヘン国際音楽コンクール」のヴァイオリン部門にて、部門として3大会12年ぶりとなる第1位となったほか、委託新曲賞など複数の副賞を受賞。東京藝術大学を卒業後、ベルリンのハンス・アイスラー音楽大学の修士課程を修了。現在はクロンベルク・アカデミーに在籍し、ベルリンにて研鑽を積みながら、日本およびヨーロッパで、ソリストとしてのみならず、デュオ、室内楽、アンサンブルなど幅広い演奏活動を行っている。また、反田恭平が立ち上げたJapan National Orchestraのコアメンバー/コンサートマスターとしても精力的に活動している。
ピアノの小林愛実(1995年生まれ)は、山口県宇部市出身。 2005年「全日本学生音楽コンクール」小学生部門で全国優勝。2009年「アジア太平洋国際ショパンピアノコンクール(韓国)」でJr部門優勝。2011年「ショパン国際コンクールin Asia」コンチェルトで金賞を受賞。第5回「福田靖子賞」受賞。2009年サントリーホールにおいてメジャー・デビュー記念コンサートを開催したが、同ホールソロとしては、日本人最年少記録および女性ピアニスト最年少記録。2011年桐朋女子高等学校音楽科に入学。2013年米国カーティス音楽院に留学。海外では、アメリカ、フランス、ポーランド、ブラジル等で演奏。2011年カーネギー・ホールにおいて、小澤征爾が芸術監督を務めた”日本フェスティヴァル”においてソロ・リサイタルを行う。2012年「ジーナ・バッカウアー国際ピアノコンクール」のヤングアーティスト部門で第3位。2015年第17回「ショパン国際ピアノコンクール」ファイナリスト。2021年第18回「ショパン国際ピアノコンクール」第4位。
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